「はじまりの夜」を聴いて思うこと

江崎(立の崎)文武さんのニューアルバム『はじまりの夜』がリリースされた。アヤタケさんと言えば、「白日」の演奏で、白いシャツ着て演奏していた方という認識に始まり、偶然、見た、映画「ホムンクルス」の音楽は誰だろ、と、観終わった後に気になって、名前を探したら、おんなじ人が弾いていたという偶然が続いた。角銅さんとのコラボも美味です。アルバムには、「常夜燈」も「薄光」も、何度も聴いた曲も入っており、そのループから抜け出したい気持ちもあった。このアルバムで、夜が明けました。
ニューリリースの日、夜更かしして、聴いてしまった。この2年あまり、じわじわ来ている。

ソロのコンサートが行われた時にも思ったことですが、大人も聴ける子守唄みたいだ。と、聴いていて思う。
豊富な知識の引き出しが多く、理知的な受け答えの反面、
「え?ごめん今、聞いてなかった」と、時に口が開いてぼんやりしている側面とwonk radioの毒舌の会話とほっこり和音。と、聴いていました。

突破する何かを持っている方といえば、角野隼斗さんですが、角野さんが以前ラジオ番組で対談したことから、知ったのが、アヤタケさんでした。

偶然、立ち寄った阿佐ヶ谷のマンハッタンでアヤタケさんが弾いていたことにも驚いた。

マンハッタンのYAMAHAのピアノがかなり、ゴツくて面白い音がする。

わたし自身は、パンデミックというほど、大きな世界で生きているわけではないのですが、混乱の後には、静かな眠りが必要と思います。

安眠できる日々のための音楽。

そんな音楽を最近聴いています。

「薄暮」
は、夜の始まりの空の翳りをイメージさせて、アヤタケ節だ。と、すぐにわかる始まりです。

以前、購入した際にサインをいただいた『常夜燈』の譜面、そのサインがゴシック体で、野太い線で力強く書かれていて、実直、素朴な印象を持ちました。そして、案外、可愛らしい坊ちゃんなお顔立ち(失礼!)に、驚いた。音楽に愛されている人だなぁと思う。その証拠にいろんな方にお誘いがかかっている。その幅広さに驚く。物を大事に使っていることも意識的に取り入れてみたい行動と思う。

怖さのある方だと思ったので、少し、拍子抜けしました。でも、アーティストは、脆さと強さの狭間に怖さがあります。

作品を出せば、評価が気になることでしょう。
リリースできなくてもしんどい。してもしなくても、いずれにしても生み出す苦しみからは、逃れられないのだと思います。

「常夜燈」の譜面を眺めていて、光の波の波形を見ているような気分になった。今回のアルバムは、光がモチーフのようです。
今回もシンプルで、聴けば聴くほど味の出るアルバムがリリースされたな、と、思います。

「薄暮」
次の曲、
なんて読むん?タイトル、これ。
(「帷」とばり、ですよ。)

アヤタケさんの新境地を聴いているようです。
こんな曲も作るんですね。
sweet william とともに演奏されている。

アルバムの中で、最も驚いたのは、松丸契さんが参加している「果敢無い光線」。もしや即興?

松丸さんの演奏にも驚いていた。
松丸さんの存在は、ジャズのサックスプレーヤーとして、名前は覚えていましたが、
今回の演奏でイメージが変わりました。
息の伸びやかさ、聴いていて、歪みが嫌ではない。サックスは、金管楽器ですから、音が硬く鋭く、冷たく感じてしまうことがあるのですが、この曲に関しては、違いました。

何これ、かっこいいんですけれど!!!!


息の声というか、息で、音が出ていて、それって、声のない歌、鼻唄に近く、ものすごく、原始的な声に聴こえました。だから、子守唄として、最適な気がしました。

サックスが子守唄になるのか、と、聴いていたのは、朝方、目覚めに驚いていた。

このサックス奏者を呼んでくるアヤタケさんプロデューサー脳に感服しつつ、薄陽にあたると少しずつあったまる。日向ぼっこの猫の毛が少しふんわりし始める。陽だまりのようなアルバムだな、と、思います。

暑いのが苦手なアヤタケさん、夏の北海道は涼しくていいですが、秋、冬、涼しくなる頃、阿佐ヶ谷にいかがですか?
YAMAHAのピアノもありますし、
みんな待っています。
みんなって誰だろ、少なくとも私は、
熱いお茶をご用意してお待ちしております。

welcome to my living room!

ようこそ、作曲カフェへ
お招きしたい、そう思いました。
(こらこら、勢いでなんて、書いているんだ。)

ぜひ、おこしくださいませ。



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