なんでもない日に有給をとった日

特にあてもなく有給をとった。前日は夕飯を食べてから漫喫でずっと気になってたアンダーニンジャを最新刊まで読み込んで帰宅、目覚ましをかけずに就寝。有給は前日から始まっているのだ。

今日は掃除して洗濯機回して革靴磨いてシャツの皺伸ばして、それから外へ。福袋に入ってたけどまだ履けていなかったワイドパンツを履いてみる。平置きで大きすぎると思っていたパンツは履いてみてもやっぱり大きい。歩くと内股の生地が擦れるのが気になる。でも自分では絶対選ばないサイズ感と色、これもまた福袋の面白みよ、と嘯きながら街を闊歩する。帆布が二重に折り重なってるというパンツは風を全く通さず、暖かい。ガラスに映る立ち姿もなんだかお洒落に見えてきた。

福袋が好きだ。定価にしたら〇〇円もお得、とかそれはもちろんなんだけれど、保守的な自分からしたら思いもよらない出会いがあることが嬉しい。思いもよらなすぎて手放すこともしばしばではあるけれど、それでも毎年夢を見てしまう。ぼくの知らない、聞いたこともないブランドの素敵なアイテムたち。劇的にお洒落に生まれ変わる何か。経験上そんなものは限りなく少ない。何でって福袋は売れ残りの詰め合わせだから。それでも稀に、今年の福袋のような当たりに巡りあう。だから福袋はやめられない。

誰のためでもない文章は筆が進む。これからご飯を炊いて鶏と白菜の鍋を作るのだ。芽キャベツも買ったからグリルしていい感じの副菜を作るのもいい。たまの有給はいい。また何でもない日にとろう。


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