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不幸な猫を増やさないための取組AtoZ②

①の記事はこちらから

前回はTNR、TNTAの準備から捕獲までについて、今回は捕獲して以降、動物病院での手術からの流れをまとめました。
※TNRとTNTAはそれぞれやり方があると思うので、あくまでも参考までに!

【2】Neuter

※去勢不妊手術については個人で考えが異なると思います。ただ、育つ環境のない場所で産み落とされ、苦しみ死んでしまうような不幸な猫を増やさないために、現状できる手段であるという観点から、手術をして頭数を制限することは必要であると考えています。

①動物病院へ行く準備

動物病院を予約したタイミングで「病院に来る前に猫を洗濯ネットに入れてきてください」と指示される場合があります。
怪我する可能性もあるのでシャーシャーで難しければやらなくてもいいと思いますが、チャレンジする場合は厚手の毛布かブランケットを準備して猫の全身が入るように被せて、優しく覆い被さるようなかたちでホールドしてあげてください。
頭と手足をすっぽり包み込むのがコツです。そのまま毛布ごと洗濯ネットの中にいれて、あとから毛布だけを引き抜きます。

②動物病院への送迎


タクシーなどで移動する場合、途中で失禁してもいいようにキャリーや捕獲器の下にはペットシーツ必須です。
移動の間は外が見えないように、ブランケットなどで真っ暗にしてあげた方が落ち着くはずです。

野良猫はノミダニがついていたり皮膚病の可能性もあるので、動物病院で他の患者さんに移さないよう、距離をとってあげた方が親切です。
着ている服なども、私は一応コロコロしてから単独で洗濯します。
疥癬(かいせん)という強いかゆみや脱毛を伴う皮膚病は人獣共通感染病なので、脱毛が酷い子に手が触れた場合は念のためよく洗っています。
※ノミダニも皮膚病も治療すれば治るので、心配しすぎないで大丈夫です

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この子は暴れて手に負えなかったので、
洗濯ネットは諦めて捕獲器ごとダンボールに入れて運びました。


③手術当日のスケジュール

私の動物病院は患者様の来ないお昼休みの時間にオペを行います。
営業時間は患者様がいらっしゃるので、余程獣医師の多い病院でない限りはおそらくそういった病院が多いのかなと思います。
なので1日のスケジュールは、朝病院へ猫を預けて、お昼にオペ、夕方には麻酔がとけて帰ることができるといった感じが多いかと思います。

④手術

全身麻酔をかけて眠らせてから行いますが、麻酔には必ずリスクが付きものです。
なので一般のペットの場合は、手術日よりも前に血液検査をして、項目に異常がないかを把握してから行います。(それでも麻酔から目覚めない子がいるくらい、麻酔には一定のリスクは存在します)
ただ血液検査は高額なのと、助成金対象外の場合も多いので、おそらく多くの動物病院では野良猫の不妊去勢前に血液検査はしていません。
なので体調の悪そうな猫は、無理に手術を受けさせずまずは体調を優先すべきだと思います。

手術自体は鎮静から覚醒含めて1時間程度で終了する場合が多いです。
雄雌だと、下腹部を切開する雌の方が少し時間がかかります。

また手術の際、去勢不妊手術済みであるということがひとめでわかるように、猫の耳にカットが入れる病院が多いです。雄は右耳、雌は左耳に入れます。
カットした耳がさくらの花びらに似ていることから、さくら猫と言われています。

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私が捕まえたんじゃないけど、さくら猫の例。
お耳はこんな感じになります。

⑤手術後

手術当日は麻酔の影響が残っているので、様子を見てあげてください。
ご飯は獣医の指示に従ってください。

抜糸ですが、雌は吸収糸でない場合、抜糸のために一週間後くらいに来院する必要があります。雄は傷口が1センチ程度と小さいため吸収糸か、接着剤などでくっつけることもあり、その場合は来院は不要です。

【3−1】Return

手術の経過が問題なければ、元の場所に戻します。
以降は地域の住民と共生するかたちになります。
餌やりと糞の始末は必須なので、あとはカラスや車に気をつけながら、その土地での一生を謳歌させてあげてください。

少し話が逸れますが、ここで注意したいのがSNSなどでの地域猫の写真のアップです。
悲しいことに日本では、猫の虐待虐殺事件が後を経ちません。
虐待しようとしている人間は、あの手この手で猫を手に入れようとします。
保護団体に里親志願を装って来たり、SNSの写真を頼りに野良猫を捕まえます。
なので外にいる猫をSNSにアップするのは非常に危険です。
写っているのが地面だけならまだ良いですが、建物などが写っていて場所を特定される恐れのある写真は、猫を不幸にしてしまう可能性があるので、気をつけたいですね。

【3-2】Tame

シャーシャーな猫よりも人馴れしている猫の方が、里親にもらわれる確率がぐんと上がります。
そのため人馴れのトレーニングは大切です。

基本的にケージからは出さず、餌と水と掃除以外はほぼ構わず、声をかけるくらいで、まずは同じ空間で共存することに慣れさせます。
ケージ越しの部屋に慣れてきたら、少しずつコミュニケーションを増やしていきます。

私のお手伝いしている保護猫カフェではシャーシャーの子にする"孫の手チュール"という人馴れトレーニングがあります。
柄の部分が長く伸びる孫の手やスプーンで、距離を置いて遠めからチュールをあげます。
猫がチュールを舐めきったら、その孫の手でゆっくり優しく猫の体に触れます。お尻の方から顔の近くに、じょじょに触る場所を上げていきます。
触られ慣れていない猫は最初戸惑うので、あまりしつこくはせず、逃げない程度にチュールと孫の手タッチを繰り返して、触られることに慣らしていきます。

写真は、2月下旬から友達の家に人馴れトレーニングに行っているバレリーちゃん。まだ触れはしないけど、3ヶ月弱でこんなに顔付きが変わりました!

《Before》

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《After》

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【4】Adopt

ある程度人との生活に慣れてきたら、里親募集をします。

大手の里親募集サイトへ登録するのが一番手っ取り早いと思います。
私が聞いたことのあるサイトは以下です。

里親募集サイト①
ペットのおうち


里親募集サイト②
hugu(ハグー)



TNRもTNTAも、最初の一回はとてつもなくハードルが高いと思います。
私の場合は、保護猫を飼いたいと思っている先輩がきっかけで、チャレンジしたのが初めてでした。
一人でやると大変なことも、誰かと一緒なら楽しくできることもある!
家の近くに猫がたくさんいてチャレンジしたいけど…という方は、わたし捕獲器持ってかけつけられるかもしれません!!連絡ください^^



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