ももちゃん人気に思う、私たちの意味

初回にして盛大な題名でお届けします。
サントアンスタッフの皆んなにこそ読んでもらいたい記事にしています。

 ももちゃんとは、サントアン (https://www.saintan.com) で販売しているケーキの名前です。名前の通り桃のケーキのことで、桃のタネをくり抜いて、そこに美味しいカスタードクリーム(手前味噌ですが、サントアンのカスタードクリーム美味しいです。)を詰めてスポンジで栓をしています。旬の美味しい桃を丸ままごろんと使用した見た目はインパクト大!で桃の味を堪能できる贅沢なケーキです。サントアンの販売スタッフで働いてくれていた「ももちゃん」から名付けて25年ぐらい前から作り続けています。

桃の旬になる前から(3月とかかな…)「ももちゃんありますか?」とチラリホラリとお問合せが始まって、6−7月の旬を迎える頃には毎日数件のお問合せがあります。ピークのこの時期は毎日のようにInstagramのストーリーにももちゃん情報を載せています。(今日は60個でます!とか今日は桃が硬かったので出しません。とかのももちゃん速報。)ももちゃん販売期間中は、開店前から店の前にももちゃん購入希望の方の行列ができるほどです。

どうしてこんなに小さな街のお菓子屋さんで、ももちゃん一点集中のフィーバーが起きているのか?と言いますと、5年前に関西ローカルワイド番組で紹介されたのがきっかけです。見た目のインパクトも大きいし、テレビ映えしたのかな。ももちゃんフィーバーはその年で終了かと思いきや、5年も続いているではありませんか。お客様の記憶ってすごいんやなぁ。

それまでは、毎年桃の季節の人気ケーキぐらいの位置付けだったんですけども、近年は開店前からももちゃん購入希望の列ができているので、開店1番にたくさんお出しできるようにと他の商品を差し置いて、ももちゃんをひたすら作る専門スタッフがいたり、電話お取置きでトラブル(取置きお約束したけれど取りにいらっしゃらない。取置いていたはずなのに商品が足りない。などなど)が起きたりします。

そんな負担やトラブルを回避しようと、販売開始時間を12時に設定してみたら…行列ができるからと入り口にテントを設置して、整理券を作って、ご案内係を設けて、個数制限を設けて…と、とにかくあの手この手です。お客様に間違ったご案内をしてしまって、店内に怒号が飛び交うなど。起きる起きるいろんなことが。負担軽減とトラブル回避のつもりが裏目に裏目に出ています。ももちゃん1アイテムになんでこんなに振り回されてるねん?って言うぐらいいろんなことが起こります。

私は、50年100年と続くような息の長い会社づくりを目指しているので、一過性のブームは作りたくないし、長く来店してくださるお客様を大切にしたいし、長く働いて会社を好きでいてくださる従業員さんを大切にしたいです。全部全部、サントアンに関わる皆さんの幸せの総量を増やすこと、お菓子作りを通して伝えたいメッセージ・哲学を発信すること、それを細く長く遠くへ途切れずに続けて届けることが目的です。

なので、今起きてることって本当に私たちのやりたい事なの?これって、本当に伝えたいメッセージなの?みんなの幸せの総量増やしてる?これは本当に細く長く途切れずに続くこと?って考え始めました。私たちサントアンの存在意義です。

そうこう考えてたら…自分達らしくないよね。本当にやりたいことかな?場当たり的な問題対処になってるんじゃない?みたいな疑問が沸々と湧きがってくるわけです。この夏の暑い最中にお客様を並ばせてしまうのはいかがなものかと思います。行列をわざと作って売る商法が世の中にはあって立派な戦略なんですけども、私のお店ではそれはやりたくないなぁ。お店の運営がメディアに大きく左右されるのもやりたくないです。(もちろんやりたい方はやってくださったらいいと思います!その戦略について批判してないです。これはあくまで私の意見です。)

もう全部やめちゃう!みたいな極論になりがちな私の思考癖があるので、そこはグッと堪えて、毎年楽しみにしてくださっているお客様にお届けできるように工夫をしたいです。

季節のケーキひとつに、こんなにもたくさんの出来事が起こって、考えざる得ない状況になりました。これは何かのメッセージ。今一度私たちの存在意義や目的、意味を考え直しなさい!ってことかな。と感じました。皆さんはどういうメッセージだと思いましたか?



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