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好奇心のままに生きる日々。 好き嫌いはハッキリしてる方だけど圧倒的に好きなものの方が多…

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好奇心のままに生きる日々。 好き嫌いはハッキリしてる方だけど圧倒的に好きなものの方が多い人生。

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    映画にまつわる"好き"を語る場

  • 喫茶店載録

    訪れた喫茶店について綴ってます。

最近の記事

慣れない春

もう何十回も経験しているのに 毎年この季節を迎える度に なんとも形容しがたい感情が漂う。 ほかで味わう“それ”とは少し異なる この季節ならではの感情。 自分を隔てた外側すべてが "今"じゃないところを目指しているように見えてくる。 ただここにずっと浸かっていたいだけなのに。 置いていかれるような感覚が押し寄せてくる。 それだけじゃない。 暖かい気温 豊かな自然の彩り 新鮮な活気 どことなくポジティブな空気を持つこれらを 目の当たりにしてしまい 大人しくしていた虚無感

    • これぞジム・ジャームッシュのなせる技

      "映画"に求めるものは人それぞれだろう。 劇的な展開やドラマティックな出会い、ダイナミックなアクションや大どんでん返しのミステリーなど。 そして誰もが祝福するようなハッピーエンドや、あたたかな結末が待ち受けている。たまに観る側に問いかけるような含みを持たせたラストシーンがあったりなんかして。 大抵の作品が物語という形式をとっている以上そうなることが多いし、観る立場の我々も心のどこかでそれを期待してしまっている。 しかし、私が敬愛するジム・ジャームッシュ監督の映画の中では

      • ウェス・アンダーソン流 家族の在り方

        前回に宣言してしまったので、私が愛してやまない映画監督のひとり、ウェス・アンダーソン監督の作品について語ろうと思う。 彼自身や彼が生み出す作品の魅力は挙げ出したらキリがないのだけれど、今日はその中でも家族の在り方について取り上げたい。 と、ここまで書いておきながら筆が進まないこと数ヶ月。そして2023年から2024年へと年を跨ぎ、すでに飽き性の性格が浮上してきている。 軽い気持ちで書くつもりだったのに、現代社会において"発言する"という事の怖さを考えてしまったり、他にも色ん

        • ブラックドーナツシネマクラブ

          私が自宅で映画を観るときに手元に置いておきたいものがブラックコーヒーとドーナツ。 あとは時々、紙とペン。(観てるときに覚えておきたい言葉や後で調べたい単語とか出てきたときにメモする為) 余談だが、私は基本的に映画は映画館で観たい派。 そして何かを始めるときは形から入るタイプ。 ということで、映画にまつわる"好き"を勝手に語るだけの場所として、ひとまず名前をつけてみた。 形から入るタイプなので! それがブラックドーナツシネマクラブ。 作品や監督、俳優について語るのはもちろんの

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        記事

          喫茶店載録 vol.1/喫茶アゾレス

          その店は工場地帯に突然現れた。 トラックが多く出入りすることが予想される開けた駐車場。その奥に佇む定食屋と喫茶店が合体した横長の建物。 開店直後の入店。 恐らく普段の客層に当てはまらない私に、入るやいなや店員さんから「Instagram見て来られたんですか?」と声をかけられる。 私は「はい。地元の者なんですけど、ここに喫茶店があるの知らなくて。」と答えた。 そこから店員さんは優しい声のトーンで、家族経営されていること、近頃の喫茶ブームでちらほら若年層や遠方からの来店が多い

          喫茶店載録 vol.1/喫茶アゾレス

          ティム・バートンに招かれた世界

          「これ好き!」と衝撃が走り、理屈抜きでその映画の虜になった幼い頃の私。 ちゃんと観たと言える映画はジブリ作品かディズニー映画、アニメの劇場版ぐらいだった当時。 そんな中、世間ではハリーポッターやロード・オブ・ザ・リングといったファンタジー大作映画が盛り上がっていて私の母も映画雑誌を買い込むぐらいにはハマっていたようだった。 その影響かは分からないがアニメーション映画以外の作品を知り、観たいと思うようになった。 まずは自宅にあるDVDから手をつけようと思い選んだのがティム・

          ティム・バートンに招かれた世界

          喫茶店載録 vol.0/翡翠

          私が喫茶店に通うようになったのは たぶんここからだったと思う。 数年前の誕生日に1人旅で京都へ。 気になっていた喫茶店を目掛けてバスを乗り継ぐ。 スマホで地図を見るため 12月の夕方前の冷たい空気に 素手を晒しながら歩くと 道の角に大きな白い外壁に青の3本線。 入口から歴史を感じる趣きで、 中に入ればさらにその味が増す。 初めて来たにもかかわらず 昔の思い出があるかのような懐かしい気持ち。 メニュー表にすら伝統を感じる。 数分後、テーブルにはオムライスとコーヒー。 喫茶

          喫茶店載録 vol.0/翡翠

          わかっているのに、夏

          梅雨の湿気との戦いが冷戦に入ったと思えば 間髪入れずに 突き刺さるような攻撃をしてくる太陽。 明らかにそれは夏のもので その季節が来たことを文字通り肌で感じ取る。 容赦なく刺さる陽射しは 私から色んな養分を奪っていく。 毎年少しずつ上がっていく気温や 息をするのも億劫になる熱気にも辟易する。 それなのに それをも超える根拠のない期待が "夏"という言葉の背景には存在する。 今回もきっと これまでと差して変わらない 2ヶ月余りを過ごすのだろう。 わかっているのに わかっ

          わかっているのに、夏