行列を見ると、なんとなく並んでしまいます
今回のテーマはペンギンの「行列」についてです。他の鳥たちはまずしません。(みんな飛べますしね…。)
何の訓練もしないのに整然と何kmも歩き続けます。野生、飼育に関係なくこの能力があります。そんなペンギン達の不思議な習性にへぇ〜とか、ほぅなどと言って頂ければ幸いです。
この行列、特定のリーダーにつづいているように見えますが、実はペンギン達の群れに決まったリーダーはいません。つまり、あの行列は誰かの号令で作られる訳ではないのです。どうやって作られているのでしょうか? 本当の事はペンギンのみぞ知るところですが、現在の研究では「なんとなく」だと言われています。
たとえば、オオサマペンギンの群れが天敵のトドに遭遇したとします。すると群れの中で最初に異変に気づいた数羽が逃げ出します。つられてまた数羽が逃げ出し、さらに数羽と続いて、後ろの方は理由もわからず“なんとなく” という具合です。
また、ペンギンは多くの鳥類同様太陽の向きと地形で方角を決めて歩いているので、トドに襲われるだけではなく、ときには雪で見えない落とし穴にハマってしまう事もあります。飛べないので死活問題です!慎重な誰かが無事に通れた後につづくのが安全というわけですね。
このように、ペンギンというのは一番臆病なヤツが中心になって群れの方針が決まる生き物なんです。なんだか情けないようですが、逆に腕っ節が強いヤツだけが中心の社会というのも少し怖い気がします。
ペンギン達はこの“なんとなく”逃げる性格のせいで、極寒の大地や絶海の孤島のような地の果てまで棲家を追いやられてしまいましたが、それでも今現在この地球上でしっかり生存競争を生き抜いています。
ですから、こんな生き方もそれはそれでアリなのです。
<防人歌>
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