見出し画像

「土に還る自然素材。」とか言うくせに、肝心な土に全然フォーカスが当たらないのこの世を恨んでますw(10数年ぶりに、土・どろんこ館に行ってみた)

愛知県は常滑市にあります、INAXライブミュージアムに
多拠点生活のアドレス仲間のこばちゃんとなっちゃんと、
どろだんごつくりを体験しに行ってきました。
私も、左官屋さんの作るピカピカに光る泥だんご(大津だんご)を考案した榎本さんに、いろいろ教わり(榎本さんは私のメンターです)

どろだんごイベントのサポートに行ったり
地元でどろだんごつくりイベント開催をしていますが、今一度

左官の技術でつくる「光るどろだんご」イベント


このどろだんごを上手につかって「土のものづくり」
「土の建築」「土の可能性」についてもっともっと
多くの人に知ってもらえる接点がつくれるのでは?
と思い、最近見直しております。
自分の思考の限界もあるのでアドレス会員の若者にも同行してもらって
違う切り口を見つけられないかな?そんな旅でもありました。


土・どろんこ館ってどんなとこ?


土・どろんこ館の内装

タイルメーカのINAXさんが17年前(2006年)に開設したのです。
タイルメーカなのに、これほどまで左官に対して愛情を注いでいただけるなんて!!という左官屋にとってはありがたすぎる施設でw 有名な左官屋さんが内外装を手掛け
すべて土で出来ている施設ですね。とてもやさしい空間になってますよ。

光るどろだんごつくり・土のパステルつくりが、常時開催されている
施設なんですね。

私のどろだんご感(なんのこっちゃ?w)


私のどろだんご活動はイベントでの開催でしかできていなくて、そこに歯がゆさを感じていて、もっと身近に土を感じてほしいなぁという状態にほど遠く、また榎本さん考案のどろだんごのクオリティが高すぎてwイベントとしては非常に人気もあるのですが、いまいち土っぽさに欠けているなぁぁと考えておりました。これ、どろだんごと言って土だって認知できる子どもは少ないよなぁぁぁぁl

どろだんご様方

私自身、2022年に今一度土の建築とか土のものづくりを広く認知してもらうためにはどんなことしたらいいかな?と考え、どろだんごを動画にして、TIKTOKで発信していたらそこそこバズって、テレビ出演もしましたw

凄い短期間で成果があがったもので、あっというまにモチベーションも下がりw今では発信していないんですけどね(^^;)
当時の記憶としまして、20代の若い子たちの支持が大きかったと思います。
「子どもの頃に作った!」とか、「懐かしい!」とか。小さい子ども達にバズったのではなかったんですよね、
若い子の支持が大きいと思います。
そんなことで、どろんこ館でやっている泥だんごイベントも、
以前は家族連れが多かったらしいのですが、最近は若いカップルが多くなったとのこと。
私の分析ですと、第一次泥だんごブームがちょうどこのどろんこ館が
開館するタイミングで、それから15年近くたっているのですね。
あの時子供だった世代が、今大人になっているんですよねw
時代を感じますし、世代が一回りしたこのタイミングって結構大事じゃない?

アドレス会員のこばちゃんとなっちゃんと一緒に行ってみた。

常々、最近は動画を駆使して職人の動きが一般の方の目にも触れるようになった訳ですし、全然メジャーじゃない土のモノヅクリも発信次第では、
子ども達にはマジックを見ているかのように映るんじゃないかな?と考えているのですが、そこに変な若者登場。
多拠点生活のアドレスで知り合ったコバちゃん。
釣りがうまく、整体とかもやってる人。くらいに思っていたのですがw
ある日突然「親方、おれ左菊で働いたいかも」と相談されて、
でも職人を目指している雰囲気はなくw
詳しく話を聞くと、「子どもたちと自然の中で学びを共有するプログラムを実施していたりしている」とのことで、体験として土で登り窯をつくったり
その土で滑り台をつくったりと、面白い活動をしている若者。
なもので、一か八か「どろだんごつくりに行くけど行く?名古屋?」と
誘ったら「行く!」の一発回答でしたw
もう一人のなっちゃんも同じくアドレス仲間。
一緒にカンボジアに行ったのですがその旅の直前にお初にお目にかかり、
その時に「左官に興味あるんですよ」って言ってたな・・・・と思いだし
こちらも「行きますか?」と尋ねたら「良いですか?」と一発回答。
彼女もエコビレッジ的な活動によく参加しているようで、なおかつ自身も創作活動をしてるそうです。左官の土壁に絵をかいたりとか。
なので、親和性の高い二人がどんな感想なのか?どんな感覚で感じるか?を
共有したくてお誘いしました。ありがとう!


どろだんごをつくるなっちゃんの手

若い二人がどろだんごを作ってみて

まず第一声が「どろだんご出来てた!」というなっちゃんw
どろんこ館のイベントは、ある程度球体になっただんごを真球に削り、
それを瓶で磨いて、色付けして手で磨いて完成。という流れなのですが、
なっちゃんが「もう、出来てた」と言うw
手でコロコロして球体を作るのが泥だんごなのに。。。。という
先制のストレートを頂きましたw

ここからスタート まんまるに削ります

土っぽさを求める若い世代と、土が土っぽくない美しさと艶を出すことに価値を置く、私(の世代もそうだし、左官屋としての醍醐味もそこだったりしますw)いきなりのギャップに爆笑ですwwww
確かに。今の都心部に住む子供は土と触れることの方が難しいかもしれないな。土=汚れている。という感覚もあるだろうし。
そこをあえて、「土まみれになる。」という体験が非常に貴重になっているかもしれませんね。
二人の話を聞いていると、どうも他人をコントロールしたいが出来ない大人の醜態と、自由に生きては生きたいものの、自由すぎて不安になる若い世代。みたいな図式がちょっと見えて来たり。
なので、教えてくれる大人の存在。教育ではなくて、技術をシェアしてくれる大人の存在がありがたいような気がしますね。
職人のような圧倒的な師弟関係のなかで技術を繋ぐとは程遠い、
技術を共有する存在が喜ばれると感じました。良い悪いは別として。
なるほど、youtubeに先生もたくさんいる時代ですからね。
そんなこんな、そうそうどろんこ館のスタッフの方の教え方、素晴らしかったですね。
ちゃんと土がなぜ艶になるか?のメカニズムなども説明してましたし、非常に洗練された教え方。大人から子どもまでわかりやすい感じでした。
ここ、私全然ダメなところでw自分が出来ている事こそ盲目で、
伝えようとしない部分こそ、聞きたい事があったりするのでね、
勉強になりました(この時点でどろだんご偵察隊w)
そんなご指導の甲斐もありまして、三人綺麗にできました。

三者三様ですね

壁土を製造している所に足を延ばして

どろんこ館で、いろいろ体験した後、小牧市の製土所にも足を運んでみました。
製土所のおっちゃんと二人の会話がかみ合っているのかいないのか?
凄い弾んでいて、それを遠巻きに私は微笑ましく見ておりましたw

丸林製土所さんありがとうございました。
現物の色土をみながらお話を伺う
赤土で手が赤くなっちゃったよ
黄土の現土も触らせてもらう。

ここは、「まさか土がこんなにカラフルなの?」という驚きがあったっぽく、二人ともいろいろお話に夢中になってました。
私も市場の動向なども聞いたのですが、土壁の市場はやはり縮小方向なんですね。
これだけ、SDGsだのなんだの言われている割に
全然土にはフォーカス当たんねぇじゃん。と憤りを覚えましたw
とはいうものの、左官としての努力が足りないなぁと
痛感するのですね。

エコノミー左官の使命だよ


文化財などでは日本の文化を伝承する役割もあると思いますので
土壁を使うこともたくさんあると思いますが、それでも縮小傾向。
このままだと素材が手に入らなくなることも想定され(実際にそうなりつつある)そうなると、技術の伝承どころではなくなっちゃうんですよね。
これ、我々のようなエコノミー左官w(今思いついた言葉です)も
ちょっと頑張って土を使ったお仕事の提案も頑張らねばと思いますし、
もっともっと引いた目線で考えると・・・なぜ、水で柔らかくなって、乾燥してカタマル。また水で戻って柔らかくなるこの、不思議な素材をもっと不思議がらないの?と言うのが私の不思議。
このことを多くの子ども達に知ってもらえれば、将来別角度のテクノロジーも生まれるんじゃないの?と私は思っておる次第です。
ちょっと今の世の中、振れ幅大きすぎてバランス悪いですよね?
なので、このテクノロジーがバリバリ発達した今だからこそ、
若い世代はこうやって、土に関することも興味あったり
エコビレッジだったり、農業であったり人と自然の繋がりと言う根本のところを自ら学んでいる時代なのではないかな?とそんな風にも思うのです。

Z世代と考える土のものづくり

そうなんですよね、この世代の考えていることを深堀していくと
この先(未来)のニーズというか、「意味」が見えてくる気がします。
社会に必要なことが。
なので、左官という職種ではありますがもっとフラットな
「土を扱う人」として出来ることを広げたいなと思うのです。
その一つにどろだんごイベントをやる人。でも良いですし、
土の壁を塗る人。とかね。

土をせっせ積む私


そんな活動をしていますとね、ちょっと怪しい言葉で形容すると
自然とのつながり。う、う、う、宇宙との繋がり(言っちゃったw)
みたいなことを感じられるので面白いのですけどね。
もっと身近な現象でwお話しますと
例えば、土壁はお日様の日差し(温度)によって乾燥のスピードが速くなったり遅くなったり、そんなことも計算して生活のリズムを考えるようになったり、社会都合ではなくて、自然現象に素直に生きる。ということが
大切になってくると、おのずと心も整いやすいと言いますか。
こばちゃんが、子どもと一緒に自然の中で学ぶのも、子どもたちが一枚一枚社会に身にまとわされた鎧を丁寧にはぎ取っていくそうです。
そうやって、子どもは社会の制限ではなく、自分は本当は何がしたいのか?
が見つかり、自己が固まっていく。そうです。
そんな、自己実現を強くするのも土のモノヅクリの役割だったりするのではないかな?かように思うのです。

そんなことをいろいろ妄想しております。
そんなことを一片でも感じられる、住空間だったり
イベントであったり。ものづくりをなるべくたくさんの方に
ちょっとづつでも体験できるような仕掛けを画策しております🥰


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?