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冬薔薇(ふゆそうび)

冬のバラは薔薇(そうび)と呼ぶのがよく似合います。「そうび」とは、平安頃に着ていた衣服の色合わせのひとつでもあり、その色目は表は紅、裏は紫だったそう。ときいて尚のこと、寒さで焼かれた紅色と紫色の葉を付けた、冬のバラを思い浮かべました。

木々が葉を落とし枝ばかりになる向寒の頃、霜にも耐えて咲く冬のバラには、他の花たち以上に、頑なな意思のようなものを感じます。このバラを見ても、このくっきりとした輪郭といい見ざめのしない色といい、単なる風情ではない普遍の価値観があるように私には映ります。

ほかが咲いているから一緒に咲いたでもなく、みなが枯れるから枯れるでももない。自らを称えることもしなければ、ほかを見下すこともない、比べることもない。という潔癖さこそ花の意思であり、らしさとも。

またそれを美しいと感じさせるところに、この花の「品性」があるんでしょう。冬のバラもいいですね。今日もいちりんあなたにどうぞ。

冬バラ 花言葉「輝かしく」

今朝の便り


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