見出し画像

展覧会『連載30周年記念 名探偵コナン展』 6つの軸で読むコナン

1月から池袋・サンシャインシティで始まった名探偵コナン展に行ってきました。
漫画をほとんど読まない私が唯一、1巻から読み続けているコミック。アニメも子どもの頃はリアルタイムで視聴し、大人になってしばらく離れていましたが配信サービスが始まり、重要回を調べて視聴するなどしていました。このようなイベントへの参加は初めてでしたが想像以上に展示、グッズとも充実していて(混雑と売り切れも想像以上。笑)終始ワクワクしながら気づけば2時間ほど滞在してしまいました。

※以下、展示風景などネタバレしていますのでこれから行く予定の方はご注意ください。

展覧会は6章の構成です。
各章のテーマに沿ってコミックのコマと解説、原画、青山先生のインタビューなどから構成されています。中には、作品に登場するアイテムを現物として再現したものやフォトスポットなどバラエティに富んだ展示もあります。

第1章 CONAN’s Word

ここではキャラクターごとに名セリフを振り返ります。
そのキャラクターの個性だけでなくキャラクターが抱える過去や作中のエピソードと絡んで生まれたセリフがたくさんあり、連載30年の歴史があるからこそと感じます。
例えば、コナンの「犯人を推理で追い詰めて、みすみす自殺させちまう探偵は…殺人者とかわんねーよ」は、そのセリフの後、たった一人自殺をさせてしまった《ピアノソナタ》の事件を思い出して悲しい顔をするコナンのコマがある。クールビューティな灰原さんのセリフは「方言は言葉に付けたアクセサリー」など美しいものが多くて印象的。

転校生の東尾マリアちゃんに向けて言った言葉
クールビューティー哀ちゃんとってもかわいい

第2章 CONAN’s Love

コナンの世界、改めてカップルが多いなぁと。カップルを通じて、普通なら交わることのない世界と世界が繋がっているのも面白い。新一&蘭、平次&和葉はもちろんのこと、京極&園子、少年探偵団、警視庁などあらゆるカップルの歩みを振り返ることができます。
ネタバレになりますが、劇場版『黒鉄の魚影』の円盤特典の冊子で、コナンくんが哀ちゃんにメガネをかけてあげるシーンについて。そのメイキング過程で青山先生が「灰原がコナンのことを好きとわかるシーン」とコメントしているんですね。(love ?like??)
それを年始に見たばかりだったので、コナンくんと哀ちゃんのエピソードを紹介するパネルに「友情?信頼?それとも…?」とあることにきゅんとしてしまいました。

こちらのメガネのシーンもときめきしかない距離感
新一&蘭ちゃんだったら学園祭のコマがほんとに綺麗で好き
推し活のパネルはこの他に沖野ヨーコちゃん、怪盗キッド、ホームズなども

第3章 CONAN’s Mystery

ここでは暗号、ダイイングメッセージなどを振り返ります。そして、この章の見どころはなんと言っても「黒ずくめの組織プロファイリング」と題された巨大パネル。組織の人物と彼らにまつわる重要エピソードなどが時系列で記されています。何度読んでも「あれ?これってどうなったっけ?」と頭が混乱してしまう複雑さと長い歴史なので(コナンの世界では1年も経ってないけど)丸ごと欲しい…!

暗号をわかりやすくパネルで解説
めくるとダイイングメッセージが示す意味を読むことができる
黒ずくめの組織プロファイリングの一部

第4章 CONAN’s HANNIN

単行本104巻まで、これまでに登場した犯人たちが一覧でパネル化されています。コナンならではの展示で、圧巻。2/4に放送されたシューイチの青山先生のインタビューでは、容疑者の顔が被らないように苦労したお話もされていました。理由もなくムシャクシャしたから、という動機もひとつもないのだとか。
向かいには印象的な犯人とそのエピソードがピックアップされていて、この辺りは読み返してみたくなりました。

第5章 CONAN’s Justice

警察、FBI、CIAと様々な組織が登場するコナン。黒ずくめの組織の潜入捜査官となった人物やその関係者らが自らの正義を貫く姿を、名シーンのコマで振り返ります。まだ明かされていない謎、回収されていない伏線もあり、どれも定期的に読み返して復習したいエピソードです。

第6章 CONAN's Magic

コナンの最強ライバル・怪盗キッドの特集コーナー。登場回のエピソードや変装図鑑がパネルで紹介されています。今年の劇場版のメインキャラクターということもあってか本展のクライマックスに位置付けられ、オブジェもあり、特別感がありました。

このキッド様かっこいい

最終章 青山剛昌先生特別展示室

エンディングシアターを見て最後の青山先生特別展示室へ。
ここではコナン展のキービジュアルの原画が壁に展示されています。また、ショーケースの中にはキャラクター制作時のラフ画など貴重な資料も。反対側の壁には青山先生のインタビューと書斎を撮影した写真など。
ここを抜けるとグッズショップです。

キービジュアルのラフスケッチ

連載30年の歴史を6つの軸で振り返るというキュレーションの仕方が面白く、私のようなライトファンにとっては新鮮でした。運命、宿命、過去、恋愛や推し活、友情…さまざまなピースと歯車の中でストーリーが動き、キャラクターが成長しているんだなと、『名探偵コナン』の魅力に改めて気づかされた展覧会でもありました。
グッズショップでは公式ガイドブックを購入。(ページ数に対して高い、しかも誤植ありますが。笑)展示の内容が要約されていて、各章でピックアップされていたコマの巻数、話数が書かれているので、これをもとにコミックを読み返してみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?