日本の「ダサい」普通の家が、普通になるまでのこと #25
こんにちは、早[SAKI]です。
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さて本日は、いつものノウハウ成分は控えめで、最近ずっと調べ物をしていた日本の住宅の成り立ちに関する歴史がテーマ。
これについては、もうちょっといろんなことを調べてから書こうかなーとも思ったのですが、そんなことを言っていると永遠に形にならなそうだったので、現時点での私のまとめということで文章にしてみます。
調べきれていない部分や拙い部分は多々あるかと思いますが、そういう考え中の内容も出していく場をつくることはこのニュースレターを始めた理由のひとつだったので、ひとまず書いてみたいと思います。
日本でよいインテリアについて考えれば考えれるほど、日本の「普通の家の内装」が邪魔をしてくる。そんなふうに思うことはないでしょうか? おそらく、これは私だけの感覚ではないはずです。
無機質なアルミサッシの窓、変な色で人工的なフローリングや悪目立ちする柱や廻り縁、お世辞にもいいデザインとは言えないドアや水回りの設備……。
こういったインテリアの邪魔になる既存のものをいかに避けて、あるいはうまく誤魔化して、情緒的に豊かな空間をつくるか? ということにずっと頭を悩ませているわけですが、よく考えるとこれっておかしなことです。
どうして、わざわざ当たり前の部屋「ではない」ものを選ばないと、素敵な住空間をつくることができないのでしょうか? なぜ、インテリアや家が好きな人にとって、日本の標準的な家はこんなにも……誤解を恐れずに言えば、「ダサい」ものになってしまっているのでしょう?
そう言うと、それは「日本の古い家は和室だったからしょうがないんだよ」とか「一般的な住宅にはコストや技術的な問題があるから仕方ないんだよ」という声が返ってくることも多いです。それもひとつの理由ではあるのだと思います。
しかし、それでは単なる思考停止です。日本の一般的な住空間が豊かとは言えないのは、部屋そのものの築年数や、和室かどうかや、お金がかかっているかどうかとは別の問題です。
その証拠に、昔ながらの和室のある日本の住宅で、素朴で趣のある素晴らしい空間は数えきれないほどありますし、和の雰囲気を生かしたミニマルなデザインは世界中のトレンドになっています。
その一方で、新しく綺麗で、もちろん「洋室」で、 ある程度のコストがかかっているはずの新築住宅にも関わらず、わざわざ内装を全て壊してリノベーションしなおすようなケースが散見される。また、既存の内装を上書きするようにDIYして自分好みの空間を作ろうと試行錯誤している人たちが SNSでかなりの人気を誇っていたりする。
そういうのを見るたびに、「どうして最初から、そうなっていないんだ?」とずっと疑問に思っているわけです。せっかくきれいにつくったものを後からまた壊したり、上から改造したりするほうが、 経済的にも手間的にもよっぽど無駄ですよね。そもそももったいないし、ゴミも出るし、近年の環境保護の考え方の逆を行っています。
そんなふうにするくらいなら、最初から「良い」デザインで流通させればよいのでは?
もちろん、全ての家が私のようなインテリアオタクが気に入るものにはならないにしても、もう少しくらい選択肢があってもよかろうと。いったい誰が、どういった力が、こんなにたくさんの「日本のダサい普通の家」をつくり出させてきたんだろう……。
日本の家の歴史
その答えのヒントは、歴史にあります。
先日読んだ本『欧米の建築家 日本の建築士』(戸谷英世 著)の中で、詳しく解説されていた内容を、私なりに要約してお伝えしたいと思います。
著者の戸谷氏は、日本の住宅産業と欧米の住宅産業を比較してその違いを明らかにし、それを元に国内産業の課題をいかに解決するべきか、というテーマで多数の著作を出版しています。実務の現場で、日本の洋風住宅にいかに本物の欧米の思想や技術を取り入れるか? を何十年も試行錯誤してきた方のようです。
その方の一番新しい本がこの『欧米の建築家 日本の建築士』( 2018年7月出版)なのですが、その冒頭に書いてある衝撃の内容がこれです。
(正確な文章うろ覚えですが、読書メモによるとこういった趣旨の文)
まじですかい。
日本の住宅をよくすることにずっと取り組んでいる人が、明確に「できなかった」と言っているわけです。えーーそんなーーーー。
いきなり先行きが怪しいのですか、全体を読んでのまとめとして、今の日本の洋風住宅がなぜ、こういうものになっているのかというと、大きく分けて以下の3つの理由があるようです。
①建築教育の根本的な考え方の違い
②住宅政策・都市政策の違い
③住宅の価値を評価する能力の違い
ひとつずつ解説していきます。
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