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「日本美術をひも解く」東京藝術大学大学美術館

2022.09.21@東京藝術大学大学美術館

内容はまさしくタイトル通り、日本美術をひも解くものでした。
絵画、絵巻物、蒔絵など、多分野にわたる一級の名作を楽しむことができました。

▽best
岩佐又兵衛「をくり(小栗判官絵巻)巻一、二」


第一会場は作品保護のため照明が暗かったのですが、本当にかなり暗かったです。

一番人気は伊藤若冲の動植綵絵でしたが、そのスケールや表現力はやはり群を抜いており、暴力的なほどすばらしかったです。
中でも裏彩色という、絹地の裏から色を塗る技法が気になりました。デジタルイラストには裏という概念がないためか、意表をつかれたのでした。

岩佐又兵衛はこのたび初めて知ったのですが、ビビットな色彩感覚や線の引き方からデザイン的な美しさを感じ、興味を惹かれました。

また高橋由一の鮭の油絵があり、これがあの日本で一番有名(?)なシャケか!とまじまじ見てしまいました。
グッズになぜKIRIMIちゃんがいる?との疑問へのアンサーだったようです。(下調べをしない派)

ところで魚のリアルな絵というと、確か中学生の頃にボールペンで描いたこの一枚くらいです。

若年期の絵自慢は美大卒あるあるです

細かく描き込むのが昔から好きでした。

かつては日本美術を単なる古臭いジャンルだと思っており(実際昔の作品ではありますが)あまり興味を持てなかったのですが、今はむしろ新しさを感じるようになりました。
このデフォルメや構成、自分には絶対できない!と驚くものばかりだと気づいたからです。


近頃スマホやPC上でしか絵を見ないので、現物に触れたいと思い立ち、美術館へ足を運ぶようにしています。
普段デジタル作業しかしないこともあり、魂のこもった一点ものの作品を見るとその存在感に圧倒されます。
特に日本美術作品の精細さ、そこにかけられた労力を思うと、アナログ作業に億劫になる自分が恥ずかしくなります。

ここ一年ほど仕事を言い訳に自主制作から離れており、そのためか展覧会へ行く気力も削がれていました。何もできていない状態で人の作品を見る勇気がなかったのです。

やる気を出す一番の方法は、とにかくまず動くことです。
こちゃこちゃと頭の中だけを動かしては静かに自壊する日々だったので、あまり深く思考せずに身体を移動させるようにしています。

何はなくとも外へ出てみると、なんらかの新しい出会いがあるものです。
それが必然か偶然かに関わらず、その事実に対してどのように感じ、何を思ったか、主体性の部分を注視することで雑念を取り払いたいです。

絵だけでなく、文字を書くことも表現の一つと信じ、コツコツと続けていきたいと思います。

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