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レベルアップしたいこと

#レベルアップしたいこと

 私の趣味は将棋です。なんて、恥ずかしげもなく言い切れるのは、文字に書いているから。実力はへなちょこもいいところで、万年初心者という感じです。
 そもそもは30代のころ、育児の片手間に詰将棋アプリを見つけたのが出会いでした。対局もやってみたくなって、そういえば祖父も囲碁が好きだったなあと思い出しつつ、初心者向けの本でルールを覚えていきました。今は毎日のようにAIと対局を楽しんでいます。
 ただし、実際の人間と対局したことはないし、指導者もいない。ちょっと探してみても、田舎には大人向けの将棋教室は見当たらないようです。webの指導対局に申し込むにはまだ早いかなあ。そんなふうに及び腰になりつつ、アプリで遊んでいるうちに、子供たちは成長しました。流星のように現れた藤井聡太先生は私の子供と同い年です。みるみる大物になっていきましたよね。
 将棋は近ごろ、スポーツ雑誌『Number』に特集されることがあります。最初見かけた時は素晴らしい記事! と感動しました。観るだけでなく、プレイする楽しさがある。ただし、上達にはセンスと努力が不可欠という点、スポーツと将棋はそっくりです。絵画や文筆もそう。紙とえんぴつがあれば絵は描けるし、文字を書く時間は楽しい。闇雲にデッサンや作文を続ければ形にはなるものの、センスがなく努力の方向が間違っていれば書き散らかしの落書きにしかなりません。
 楽しいけれど、厳しい世界。容易ではないぶんやりがいがある。私は文章の構成やデッサンと同様に、将棋のそういう「難しさ」がとても好きです。将棋は仕事ではないから投げ出したって構わないのですが、いつでもウェルカムしてもらえるどっしりとした安心感がそこにはあって。
 アプリで日々将棋をやっていると、自分が生きて動いている、前に進んでいるという実感が得られて、安心するのです。育児や家事で何もできないぐらい疲れている日々、私は将棋の存在に救われてきました。今後は少し上達すればうれしいな。いつか指導対局にトライしたいな。今はそんな段階です。50の手習い。これからもゆっくり、楽しんでいきたいと思います。

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