YouTubeが伝統を取り戻す時代
ロンボク島のブウンスジャティ村で村ガイドをしているマデは20代。
彼は、村を訪れる人たちにロンボク島の自然や伝統の魅力を伝えたいと、頭を捻っていろんなアイディアを生み出し実践している。
実は私は彼の最初の宿泊客。張り切って素敵なプログラムをたくさん考えて待っていてくれました。
村について最初に作ったのはヤシの葉で作った帽子。
ヤシの葉を切るところから丁寧に教えてくれて40分くらいで完成。単純なようで複雑な作業です。
これが完成形。オリジナルの帽子お気に入りです。
教えてもらっている時に私は、彼に「帽子の作り方は誰に教えてもらったの?」と聞きました。
私は「子どもの時におじいちゃんが教えてくれた」という答えを期待して聞きました。
そしたら意外な答えが帰ってきました。
「僕は以前、「昔はヤシの葉で帽子を作っていた。」ということを聞いたことがあったんだ。それでその作り方を知っている人はいないかと村中を探した。でももう誰もその作り方を知らなくて、ひいひいおばあちゃんに聞いたらとからかわれたんだ。それでどうしたと思う?僕は自分の携帯を使ってYouTubeで調べたんだ。バリの人が作り方を動画で教えていてそれを見ながら学んだ。」
なるほど、彼に帽子の作り方を教えたのは村の人ではなくてYouTubeなんだ…。なんだか少しがっかりしたような気分になっていた時彼は、
「僕はこの帽子の作り方を村の人たちに教えた。自分よりも年上の人たちに村の伝統を教えるなんて面白いでしょ。作り方をマスターした彼らは今帽子を作って観光客向けに売って収入につなげている。」
伝統文化ってなんだろう。って考えた。
YouTubeが伝統文化を復興する手段になる時代。
若者が「伝統」を取り戻す時代。
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