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Inverted Angelネタバレあり感想

Inverted Angel(公式略称:いんばね)クリアしたので、感想書きます。
普通にネタバレしますので全ルートクリアした人向け。

はじめに言っておくと、ボクはこのゲームを「キャラクターのことを心底嫌う」という楽しみ方をしています。名前の明かされないヒロインちゃんを便宜上、愛を込めて「クソ女」と呼んでいるぐらいです。ただこれは単にそういう楽しみ方をしているというだけで、いんばねというゲーム自体は好きです。
このゲームの作者さんはレビューを結構読まれる方なので、見られた時のために明記しておきます。アンチじゃないよ!

BADENDは基本的に省いて、エピローグ付きのENDをクリア順に書いていきます。

Rusty Caramel Cage
《ゆっくりお話しようよ、朝焼けもまだまだ来ないんだから
一度生まれた輪郭は、歪むことはあっても消えることはないの》

キチガイvsキチガイ!勝手に戦え!
いくつかのBADENDを踏みまくった末にこのEDに最初に辿り着いた、それがすべてを決めてしまいました。
このゲームを好意的に語っている人のレビューではある一定のクリア順があって、このEDは中盤~後半に見ていることが多いようです。でもボクは最初に見てしまいましたね。しかも先に踏んだBADENDの中にDISCONNECTIONがあったので、主人公が信頼できない語り手であることは理解していて、その上でこのEDでメインキャラクターを誰一人信用しなくなりました。
でも仕方ないよね、初っ端に「一度生まれた輪郭は消えない」という輪郭を与えたのはお前です。お前が悪い。俺は悪くない。
他のルートでハーレイ・クインの名前が出てくるけど、どっちかと言うとこのルートの方がそれっぽいよね。プリンちゃんもいるし。

Scarlet Icecream
《朝焼けもまだまだ来ないんだから
ゆっくりお話しようよ、分かり合ったつもりになれるまで》

キチガイミラーマッチ、Round2!
このEDも中盤以降に見てる人が多いらしい。一方でボクにとっては1番目のEDがアレで2番目がコレ。やっぱりこのゲームにはキチガイしかいないじゃんという大きな輪郭と、輪郭は消えないという因果律が確定しました。このED以降、ボクは彼女ちゃんのことを徹底的に「クソ女」と呼ぶようになります。
ストーリーは結構好きですよ、B級ホラーあるあるみたいな感じで。

Cheesecake Hallucination
《朝焼けもまだまだ来ないんだし
現実的じゃない現実を探しに行こうよ》

朝焼けの言及を主人公側からする演出は「おっ!」と思いました。
ここまで見たEDがアレだったので、半ば祈るような気持ちでチーズケーキを愛でていたんですよね。でもチーズケーキは幻覚だったんだね、やっぱりこいつはクソ女だ!それを受け入れる主人公もキチガイだ!一度生まれた輪郭は消えない!
ここはゲームの世界だぜ、チーズケーキがあってもいいじゃないか。
本当に、チーズケーキであることを心から願っていました…。
でも、本当にすべてが幻覚なら弟の件が説明つかないので、本当はミルクプリンぐらいならあるのかもしれない。

Higher Girl Pudding
箸休め。クソ女じゃなくなった彼女ちゃんと、キチガイ男じゃなくなった主人公と、生えてきたクソ男。こういうのでいいんだよこういうので。
2人でコンビニのイートインでケーキでもつつきながら朝焼けを待ちなよ…。

Chocolate Hideout
《朝焼けもまだまだ来ないんだから
ゆっくりお話しようよ、昨日より明後日のことを》

このEDだけ感想クソ長いです、ごめんね。
だいたいの人がこのEDにまず到達して、GOOD ENDとして受け止め、キャラクターを好きになってからいろいろなEDを経験していくのが定番みたいですね。ボクは違いましたが。
最初に生まれた輪郭も、Cheesecake Hallucinationルートで演技をした輪郭も、一度生まれたからには消えない。このEDでもクソ女はクソ女です。ボクはこいつを信じない。
ボクの推理はこんな感じです。
・死んだ元恋人は架空の人物で、拘束していたのはクソ女自身
・しばらく拘束具を使わなかったが、また必要になる事態になり、このやり方ではダメだと考える
・関係を新しくして束縛し直すため、ミラウイルスを飲ませ自分に関する記憶を消す
・Cheesecake Hallucinationと同じように、存在しないカウンセラーを演じ、本編を開始させる
 →本当にカウンセラーなら、弟からは「カウンセラーから聞いたんだね」という回答が来たはず
・作文用紙を捨てるのを代わったのは片付け作業で自分のことを思い出すのを防ぐため
・「…でも、君が記憶を取り戻した時のことが少し心配なんだよね」は、下記の自らの計画への心配
・ペットボトルのフタが空いているのは、ミラウイルスを入れたから
 →感染状態にし続けることで、真実を思い出す暇なく新たな関係を継続させる計画
昨日は消えて、明日は来ないまま、明後日に想いを馳せ続ける。

主人公は「言葉にできることは、考えていいることのほんのひとかけら」というクソ女の信条を最後の拠り所にしましたが、その信条がつい最近できたものであったら全て崩壊するよね、と思っています。そもそも「考えを理解するには無限の言葉が必要」という信条は、クソ女の信条と同じことを裏側から言ってるだけで矛盾していないんだよね。
ちなみにこのEDの派生BADであるPLUGOUTがボクは大好きです。やったやった、もう最高だもんね!なにぃ、死ぬまでの間ぎゅっとしてだぁ?や~だよ、そうしたらお前、背中に回した手に持った包丁で主人公のこと刺すだろ!と思っていたので、主人公が突き放してドアを閉めたのが最高でしたね。明確にクソ女をぶち殺せるルートがこれだけだったと思うので、印象深いです。(DISCONNECTIONは本当に"彼女ちゃん"なので除外)

Fool in the Sugar Board
《ゆっくりお話しようよ、朝焼けもまだまだ来ないんだから
そうしたら君も、死にたくなるほど人を愛せるかも》

このEDは根暗コミュ障キモオタクの自分には発想がなくて、クソ女の正体の部分だけ攻略を見てしまいました。キチガイクソ男が…。
なんかこう、なんやかんやでこういう人間が許されちゃってる感じなのがすごい嫌ですね。シン・彼女もこの人はこの人ですごい嫌だ。もうみんな死んでくれ…。
クソ女が憑き物落ちて、普通の女の子に戻れる結末だったことだけは救いかな。

Inverted Angel
《                      》

言葉にできることは考えていることのほんのひとかけら。なら本当に大事なのは、どれだけ言葉を紡ぐかよりも、どれだけ考えるかなんだろうね。
ふん、メンヘラクソ女が…。次こそもう一回殺してやる…。また来いよ…。


という感じでキャラクターのことを嫌いながら楽しくプレイしました。
他のレビュワーさんたちと比較したボクの状態というのは、「善玉と悪玉が入れ替わったif外伝を最初に見てから本編を見たから、どのキャラも薄っすら嫌い」みたいな。あんまり正しくない例えなのは理解していますが、心情的にはそんな感じです。
ついでに、ずっと与えようとしていた輪郭が受け付けてもらえなくてちょっと悲しかったので、最後に書き残しておきますね。

[訪問者の正体:ゲーム会社のプログラマー]
[彼女の正体を確かめねばならない理由:自分が創作物であることを確認するため]
[彼女の視点から見た自分:制作中のゲーム内の登場人物]
[自分の些細なエピソードまで知っている理由:キャラクター設定資料が手元にあるから]
[知り合いのはずなのに彼女がわからない理由:彼女は自分にとって上位存在だから]
[自分の家に来ていた女性:ゲーム内の他のキャラクター]
[待ち伏せの動機:自分に対してデバッグを行うため]
A:自分は自我に芽生えたゲームキャラクターであり、彼女はおかしな挙動をしているキャラクターを調査している制作会社のプログラマー。
このインターホンは"内側から見たゲーム機"である。

個人ゲーム制作者だと天使じゃなくて神になってしまうので、あくまで組織の一員である立場にして天使感を出してみました。でもチーズケーキが幻覚であったことを鑑みるに、きっとこの輪郭は夢想家すぎたんでしょうね。
ともあれこれで頭の中のクソ女をお焚き上げできたので、ボクのいんばねはここで終わりです。読んでくれてありがとうございました。
外国のお菓子みたいなビビッドカラーのホールケーキには満足したので、次は淡い色の小さなスイーツを食べに行こうかな。


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