貯金する目的

貯金というか蓄財の目的について。

将来の不安に備えてとか、いざ仕事できなくなった時のためとかあるだろうが、自分の品性をどうにか保つためでもある。

「金持ち喧嘩せず」「ノブレス・オブリージュ」「貧すれば鈍する」「衣食足りて礼節を知る」といった具合に、金に余裕があれば精神的にも豊かになり、なくなれば品性下劣の畜生に成り果てる。「服はボロでも心は錦」というのは現在貧しい立場なだけで、近い将来として順調に金に余裕ができていくことが見えている時に使う言葉だ。

今ちょっと外に出ればわかる。現役時代に適当に散財したであろう金のない下流老人が、弱そうな相手を見つけては諍いを起こして騒いでいる。金がある、というよりも金にとりあえず困っていない人間は、一応の心配はしながら世相を眺めているが、喧噪に加わらず穏やかに生きている。貧して鈍した精神状態が常態化している人間などおよそ教養ある人間ではないし、絶対にそうなりたくない。

安いものを買い求め、日々の生活を切り詰める。行動が同じでも、貯金のために切り詰めるのと、そもそも金がないから切り詰めるのは全く違う。前者はこれからも善き人間であり続けようとする行為で、後者は生きるために前述の哀しい精神状態になることをも厭わない姿勢だ。と言うか、前者が正に「服はボロでも心は錦」スタンスなのではなかろうか。

追い詰められて名作を生んだ芸術家も多かろうが、凡人については学問芸術は精神的余暇に成り立つと勝手に思っているし、精神の余裕は懐の余裕からだろうさ。というわけで、今日も安かった食材で自炊をして蓄財に励んでいる。

ところで最近マジで現金を使う場面がないので、手で家計簿つける意味が完全になくなってきた。クレカの明細だけ見てればよくね?

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