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麻雀を通して人間の極限を見る

いよいよ今シーズンのMリーグが今週で終了する。
残り3日、残り6戦となった。

私が麻雀にハマったのは半年前のことなので、リアルタイムでMリーグを観戦したのは今季が初めてだった。

Mリーグは世間にどれほど認知されているのだろうか。Abema TVの視聴者数は、毎週100万人ほどで、今年の年始にはアメトーークでも取り上げられた。しかし、実生活でMリーグが好きな人に会ったことは、正直あまりない。

札幌に行ったときに、Mリーグショップに行ってみた。どんなテナントかと思ったら、本屋の一角を間借りしてやっているという印象だった。私が行ったときはお客さんはゼロで、店員さんも常にいる訳ではなかった。商品を買いたいときはボタンを押せば本屋の店員さんが来てくれるシステムのようだ。

店の奥には選手全員のサイン色紙があって、それをじっくり眺めていたら、若い男の子一人と、20代後半くらいの女性が一人来店していたけれど、大賑わいという訳ではなさそうだった。

それでも確かにMリーグは人々を熱狂させ、夢中にさせる素晴らしいコンテンツだ。
数年後には身近な友達と、プロ野球の結果をあーだこーだいうくらいの感じで、Mリーグについて話せるようになったらいいなと心から思うし、そんな未来のためにも私は麻雀愛を発信していきたいと思う。
 
Mリーグは、8チームでスタートし、レギュラーシーズン終了時に2チームが敗退、そしてセミファイナルでさらに2チームが敗退する。そして最後は、ファイナルシーズンとして、4チームがバチバチにやり合って、優勝チームを決める。

Mリーグのファンには、特定のチームを熱烈に応援するサポーターも多いようだ。
私はというと、どのチームも、どの選手もそれなりに好きで、そのときに負けているチームをその都度応援したくなるタイプの、いわゆる「箱推し」という部類に入るファンだと思う。
(と言いつつ、近藤誠一さんは特別に好きです。)


敗退チームが決まるときは、いつも各選手の極限状態の対局を目撃することになる。
麻雀プロは、その名の通り麻雀でご飯を食べている人たちだ。
運が重要な要素となる麻雀という競技で、彼らにとっては、結果が全てなのだ。
人生を賭けて、麻雀という、"半分運ゲー"を戦うのだ。
 
 
昨日(5月15日)は、ファイナル残り8戦という状況の中、「渋谷Abemas」が頭一つ飛び抜けていて、「雷電」と「コナミ」がそれを追い、「風林火山」がダントツで引き離されているという状況だった。

そんな昨日の試合、風林火山は痛恨の2ラス。さらに引き離される展開となった。キツすぎて涙が出た。いつも冷静な"軍師"と呼ばれる勝又健二プロが、勝負のリーチをかけたものの、滝沢プロに上がられてしまったとき見せてくれた表情は目を引いた。

とにかく昨日は、みんなの顔が良かった。
途中まではスマホでネット麻雀をしながらMリーグを聞いているような状態だったけれど、「これは、見逃してはいけないやつだ」と思ったので、集中してちゃんと見ることにした。

一挙手一投足。その一牌に、その一選択にかかっている重圧。チームを背負ったその男たちの顔は、ひどく魅力的だった。

麻雀は、どんなに技術があっても、最後は運という不確定なものに左右されるゲームだ。それでも、自分たちの勝率を0.1パーセントでも高めるべく、彼らは鍛錬を怠らない。
 
時に奇跡を、時に残酷さを見せてくれる、世界一面白いゲームだ。
 
あと3日、あと6ゲーム。
もう、「ながら見」なんてしない。
Mリーグの面白さは、展開や結果だけじゃない。
極限状態の彼らの見せる表情、仕草、その一つ一つの選択を、見逃しちゃいけないんだ。
 
私はPCに齧り付いて、彼らの勇姿を見届けようと思う。

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