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実家解体

2022年はトピックスがあふれる濃厚な1年だったのですが
そのうちのひとつが、実家の解体です。

私の実家は少々ワケありで、母方の祖母が所有するアパートでした。当初は1階に家族全員で住んでいましたが、途中で2階の1世帯分が空いたのでそこに私と弟が住み、これまで全員で住んでいた1階に母と妹が住むことに。

それももう10数年も前のことです。
当時は1人暮らししたような感覚だったので、友達を呼んでお泊り会をしたり宅飲みしたりもしました。

そんな実家ですが、母方の祖母が急逝したため解体することに。
捨てずにしまってある品々を何とかしなければなりません。

これを機に母と妹は市内に新しく入居先を探すことになりましたが、すでに実家を出ている私と弟の荷物を一緒に持っていくわけにはいかないのです。ほとんど帰らないですもんね。

私が今住んでいる部屋は手狭なので、すべての荷物を運びこむことができません。しかしこれは断捨離のチャンス。GWあたりの休日は、大半が部屋の片付けに費やされることとなったのです。

片付けはじめて気がつきましたが、私は心配性ゆえかモノを大切にしたい気持ちゆえか、不要なものまでかなりため込んでおくタイプでした。

昔の携帯電話やゲーム機の外箱や取扱説明書はすべてとってありましたし、どこかで使えるかも、とショッパーも山のように残っていました。昔プレゼントでもらったキーホルダーや友達からの手紙なども、キレイに保管されていました。

特にゲーム機やマンガ本はすごくきれいな状態で残っていたので、我ながらモノを大切にするタイプだったんだなあ、と気づかされました。

そうやってすべてとっておいた私でもきっぱりと断捨離することができたのには、祖母の死が影響しています。

祖母は2022年の2月に急逝しました。ひと月前の正月には普通に会話していたのであまりにも急で驚きました。90歳を超えていたので大往生、ですがほとんどボケもなく、年々体は弱っているけれどまだまだ元気に歩き回っていたのです。

前年はコロナを理由に帰省していなかったし、2月に入院しているときはコロナの影響でお見舞いにも行けなかったので、正月だけでも会えたのは不幸中の幸いだったと思います。

祖母の住んでいた家は祖母が生まれる前からある古い民家です。大工だった祖母の父(つまり私の曽祖父)が建てたというから驚きです。

祖母が生まれて過ごした90年超の思い出がその家には詰まっているといい、これがなかなか大変なようです。何せ祖母もいろんなモノをとっておくタチだったので、母曰く母が結婚する前の品なども残っていたとか。なかなか片付かなくて困っていました。

私も祖母が亡くなった際、遺影にちょうどいい写真を探すのを手伝いました。見たことのない古い写真がたくさん出てきて、物持ちのいい一面があったんだな、と初めて知りました。

そしてこの経験のおかげで、私は自分の部屋にあった思い出の品々を処分することに踏み切れました。

なんとなく思い出が詰まっているから捨てられない、というモノの大半は、じゃあ今使うのかと問われれば全く用途のないモノばかりです。ゲーム機だってとてもきれいだけど、今は遊ぶ余裕もないし古いので売っても買われないでしょう。

物持ちのいい私は学生時代のクラスだよりらしきものや、部活の活動報告を記した月報、映画のチラシやライブの半券、海外旅行で購入したお菓子のパッケージなど、様々な思い出の品を残していました。祖母の遺伝なのかもしれません。

振り返ってみると、私がこういうモノを大事にとっておくのは、その時感じた想いを大事にしたいからだったと思います。新鮮に感じたことや、お金をかけていって得た価値のことを思い出すきっかけになるからです。

ただ現実には用途もなく、思い出にふける余裕もなく、今を生きる私は新しい思い出を積み上げている真っ最中なわけです。そのままとっておいてもいいけれど、おそらくこのままだと自分が墓に入るまで保管され続け、自分が死んだあとになって遺族に見つかって結局捨てられることになるでしょう。

祖母の家がまさにそんな状態です。
そこまで想像できたことで、私は多くの思い出の品を処分することができました。身軽になるのも悪くないですね。

ただ、中には友達とおそろいで買ったアクセサリーや、お互いに交換しあった手作りのマスコットなどもあり、そういう友達に限って今はほとんど付き合いがないので少しおセンチな気持ちになってしまいました。

私は大事にとってあるけど、友達はどうかな。とっくに捨ててしまっているかもしれません。
世間一般的にこういうモノってどのタイミングで処分するんですかね。

もう年の瀬ですが、大掃除がこれからだという方は、このタイミングで一度家にあるものを見直してみるといいかもしれません。


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