魔術師・錬金術師・カバリスト

魔術師とは?錬金術師とは?カバリストとは?
何者なのかという話。

先ずカバリストは、大は小を兼ねるように、魔術師でもあり、錬金術師でもある。しかしカバリストは、カバリストであると自覚せずになっていることが珍しくない。
カバリストは、魔術や神秘主義思想に精通しなくてもなれる。
そしてなろうとしてなるものではなく、なっているものだ。

逆に、錬金術の奥義を伝授されたり、魔術に熟達していたとしても、カバリストでなければ、そのような知識は水の泡になる。カバラは、ノウハウや知識ではない。

錬金術師は、卑金属を貴金属に変容させる。
筆者の「ツイン」思想で言い換えると、土星(鉛)を太陽(黄金)へと変容させる術に精通する者であり、放射の光を知覚するセンサーとしてのハートを活性化させる操作が錬金術である。

R・ベルヌーリ (著), 種村 季弘 (翻訳) 錬金術―タロットと愚者の旅 (1972年) からの錬金術についての記述を以下に引用する。

- p.38
要するに二種類の錬金術があるのだ。ひとつは世界をその諸関連の総体において認識し、これを追創造しようとする。これはある程度まで現代自然科学の先行者である。それはあらゆる領域における至高の完全、最高善として黄金を制作せんとする。もうひとつの錬金術はそれを超えて大いなる奇蹟、全奇蹟のうちなる究極の奇蹟、あの神秘力をもつ結晶、いわゆる賢者の石を索める。

変容のプロセスを熟知していても、それは実践されることでしか明らかにならない。それができるかできないかは、やってみないとわからないし、毎回同じ結果ではない。全て一度限りのこと。
錬金術師は生命のある限り、その都度新しく実践し続ける。

魔術師は、マインドに一撃を加え、ないものをあることにする。
カバラ生命の樹のケテルとビナーをつなぐ経路に相応する。
錬金術師が、土星を太陽に変容させるのに対し、魔術師は、土星のスフィア(ビナー)そのものをこじ開け、太陽の光を解放する。

魔術師は、先の引用の賢者の石によって、無限のエネルギーソースへとアクセスするプラットフォームとして土星を再構築する。

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