ショート×2(その13)警備員おひるね
警備員も眠くなる時はある。夏のある日、ミケは詰所で横になっていた。最初倒れていたかと心配したが、心配するまでもなく近寄ると目を覚ましたようだ。
あー起こしてしまった。雇用主としてはミケを雇用している以上、警備の仕事をしてほしいのだがミケも退屈だと眠くなるだろう。
何もないのを確認して、また寝てしまった。「おい、仕事は?」と思いたいが、ミケは気にせず再度横になってしまった。
眠気には勝てないようだ。仕方ない。休暇取得を許そう。ネコも働き方改革が必要らしい。法律では年に5日年次休暇を与えないと違反になってしまうようだ。ニャルソック警備保障は福利厚生が手厚い企業だ。ミケにストライキを起こされないように気を付けないと。
日陰の涼しい詰所の中で、さぞ気持ちよく寝ていることだろう。ニャルソック警備保障で勤務する前は雨風をしのげるところはなかったに違いない。今日のところはヌシが門番として玄関の階段でミケを眺め続けよう。
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