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イギリス大学院:初テストの結果が返ってきたので紹介と反省

大学院のReading weekはあっという間に終了し、いつも通りの授業スケジュールに戻ってきました。

そして、初めて提出した課題のフィードバックが返ってきました。そこで本日はイギリスの大学院のテスト形式と、自分が受け取った結果とフィードバックを基に反省と今後の対策を考えていきます。

1.五月病モードから目覚める、、神の声

10月末~11月上旬Reading weekの時期は、4月に新学期が始まる日本で例えるならば、ゴールデンウィークに相当する時期です。そして、所謂五月病の時期でもあります。ちょうど、学校生活にも慣れてきて一息ついたと思ったら、無意識にため込んでいた疲れで体調を崩したり。そんな仲間が何人かいるようで、Reading week明けのセミナーは心なしか出席者も少なく、いつもよりやや静かな雰囲気です。

加えてロンドンは10月末にサマータイムが終了。どんどん日照時間が短くなる季節に突入していきます。夕方5時にはもう真っ暗。なんだか少しずつ引きこもり気味になって、家にいても勉強が捗らず、家で缶ビールを開けて現実逃避したくなってくる。「ああ、きっと私にも5月病の影が忍び寄っているから、自分を労わろう」。。なーんて言い訳づくりをしていた矢先、教授からメールが届きました。

「この前のMock Examの採点終わったよ。確認すべし。」

お昼寝モードに入ろうとした私をがっつり現実に引き戻してくれました。。


2.課題(Mock exam)について

私がReading week前に取り組んでいた課題はMock examと呼ばれるもので、本番の形式、設問に限りなく近いテストです。要は模試です。

このMock examが出されたコースは100%テストの成績による評価がなされます。日々の授業への出席や発言などは一切成績に反映されないため、テストの出来がまさに生死を分けます。。

Mock Examの提出は任意で最終的な成績にも加味されませんが、イギリスのアカデミック経験が皆無である学生(私)にとっては、自分が今どこまで着いていけているのかを可視化する意味で有益な機会です。ということで参加してみることにしました。

■本番の試験概要

・1000 words のエッセイ2問(計2000 words)。 設問は6問提示され、うち2問を自分で選択する

・Open book examと呼ばれるもので、資料の参照は自由

・試験問題はオンラインで予め指定された時間に公開される。問題が開示されてから24時間以内(※)にエッセイを完成させてオンラインシステム経由で提出

(※)24時間使って練り上げなさいという意味ではなく、24時間のうちどこか2時間位使ってで終わらせてねー、という趣旨のものらしい。コロナ前はキャンパスで机に座って手書きしていたテストがコロナを経てこうなったものと推測。

・評価は100点満点で行われる。評価要素は大きく3つで①理論の理解度、②理論のプラクティカルな応用、③コンテクストを踏まえた展開。 

点数はこんな感じです。

0-49:不合格 (Meets expectations insufficiently)

50-59:まあ一応合格 (Meets expectations on a basic level)

60-69:しっかり合格 (Meets expectations coherently level)

70-100:突出したレベルでの合格(Meets expectations exceptionally well)


個人的な感覚としては、今の実力では2000 wordsなんて24時間フルフルに使っても書けるか、書けないか。。というところ。勿論設問は授業で習っている内容なので大まかな道筋は頭に浮かぶものの、説得性を持った理論と証拠を組み込んで言語化できるのだろうか。。と焦りが募ります。

まあ、不安がってても仕方ないので、目指すレベルと、現実の自分のギャップを身を以て体感すべくMock examに参加することにしました。

■今回のMock Exam

・1000 words のエッセイ1問。昨年実際に使用された設問のうちの1つ。

・本番と同じく Open book exam

・試験問題はオンラインで予め指定された時間に公開される。本番は24時間の制約があるが、今回は練習なので公開日の1週間後が納期。

・とはいえ、本番の時間制約も加味して、1時間を目安にやってみてね~、との助言

・配点は本番と同じ。

3.七転八倒しながら書いてみた

設問を見てから私が課題を書き上げるまでにやった事は以下でした。事前準備は特にしていません。もちろん授業や課題はやっていますが、試験対策という意味では、丸腰状態からのスタートです。

①エッセイの流れのアイディアをメモ(15分)

ざっくりとしたもので、自分のポジションとそれを支える根拠として必要そうな情報のイメージ、キーワードをメモ程度に書く。

② 講義と参考文献の復習(2時間)、補足文献の探索(1時間)

①のメモを念頭に置きながら、設問と関連するようなパートのレクチャービデオと参考文献を見直して、更に理論や根拠の補強になりそうな情報を書きだして、メモに補足する。(文献の引用は英語でメモを残しますが、自分の思考やアイディアは日本語で書いた方が早いので日本語で書いてます。)

③構成のデザイン(2時間)

②のメモを使いながら、どんな章立てにして、どんな主張にするか、その根拠は何で示すかを箇条書きで。(ここからは全部英語)

④エッセイ執筆(2時間)

③の構成をベースに、アカデミックな言い回しや文章のつなぎを意識して、一貫性と説得力がある文章になるように書きだす。

⑤推敲(1時間)

自分で読み直し、グラマリーで文法チェック、逆翻訳してみて違和感ないかチェックを繰り返す。

余裕で丸一日かかりました。。終わった頃にはボロボロで、これをもう1本こなせる自信は全くありません。。

1時間で終わらせるというのは夢のまた夢、ということに開始早々気が付いたため、今回は、自分が今できうる全力で臨んで、どんなレベルまでたどり着けるのかを知ることを目標に置くことにしました。

提出した時点での自己評価としては、

①問いに対する答えに焦点を合わせる、主張の一貫性は出来た

②クリティカルな視点になっているかはよく分からない(期待値がまだよくつかめない)

③グラマーミスは自分とグラマリーで特定できるものは潰した

どうにか平均レベルには至っていると良いなと思いつつ結果を待ちます。

4.結果が返ってきた

お待たせしました。結果です。ズバリ、私の初めてのテストのスコアは58でした!

正直、微妙。絶望する程ではないけれど、喜べない、至って微妙なスコアです。「納得の合格というレベル(60~)に達するには、今一歩だよね」といったところでしょうか。

全体コメントとしては、Goodな内容だけど、更に高いスコアを目指すには確実に修正すべきところがあるよ、という感じで改善点をかなり具体的に指摘してもらえました。具体的な内容は以下の4点です。

①視野の狭さ

焦点を絞りすぎているので、議論に広がりがない。もう少し多様な視点からの評価や根拠を盛り込むこと

②主張が冗長

主張の繰り返しが無駄に行われているところがある。①にある議論に及べるように、文字数をもっと有効に使うべし

③効果的な引用

参考文献で述べられている議論をもっと効果的に示すべし(主要な論文で報告された結果を掘り下げるなど)

④グラマーミス

グラマーミスが複数あり。意味は分かるけど誤解を招く可能性あり。要確認。

うう、言われてみると確かに、という事ばかりでした。大きな敗因としては、トピックが逸れないようにと論点を絞ったつもりでしたが、裏目に出てしまった印象です。

①にある通り、論点を絞りすぎた結果、視点が狭まりすぎてしまい、議論にも広がりがなくなってしまった、と認識しました。もう少し広範囲の視点、内容に触れた回答をすべきだったのでしょうね。そうすることで、②③が解決し、自分の知識や理論に対する理解を効果的に示すことができたのでしょう。納得。

④のグラマーについては、4か所、指摘が入りました。2つは言われてみると確かに、の指摘で、残りの2つは恥ずかしながらどう間違っているか分からずネイティブのクラスメイトに聞いて、教えてもらいました。少なくとも前者のミスについてはゼロを目指します。

5.本番に向けて、どんな試験対策ができるか

今回のMock Examを経て、どうにか全力を尽くせば合格ラインに辿り着けるという手ごたえを得られたことは大きな収穫でした。一方で1つのエッセイにこれだけの時間がかかってしまう現実を目の当たりにしたのも事実です。

さて、どうやって準備をして、時間短縮を図るか。

いくつか考えていることがありますが。。

だいぶ長くなってきてしまったので、ちょっと周りにも情報収集してから方向性をまとめようと思います。

かなり長文になりましたが、、ここまで読んでくださったあなた、ありがとうございました。

全く以て輝かしい要素のないレポートとなりましたが、こんな感じでイギリスの大学院で足掻いている30代もいるのだなーと何かしら皆さんの励みになると嬉しいです!!

勉強な得意な方がいましたら、ぜひアドバイスも頂けると泣いて喜びます。。

ではまた。






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