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日本酒の精米歩合の真実

一般的な意味

精米歩合とは、玄米が白米になる割合のことをいう。
灘酒用語集

法律による定義

精米歩合とは、白米(玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米をいい、米こうじの製造に使用する白米(以下「こうじ米」という。)を含む。以下同じ。)のその玄米に対する重量の割合をいうものとする。
清酒の製法品質表示基準を定める件

実際の、精米工場での作業に沿った説明
精米歩合 60% の米を準備する場合、
精米機に 100kg の玄米を投入して、米を削っていき、精米機中のお米が 60kg になったときに取り出す。
ということになります。

清酒のラベルにかかれている『精米歩合』は、上記の精米歩合を示します。『見掛けの精米歩合』とも呼ばれます。

見掛けの精米歩合
できあがりの白米重量 ÷ 投入玄米重量 × 100

実は・・・
精米後の白米一粒一粒の重量を測定し、精米前の玄米の一粒一粒の重量に対する割合を計算すると
見掛けの精米歩合よりも、数パーセント高い数字になります。
これを『真精米歩合』と呼びます。

真精米歩合
できあがりの白米 1000 粒の重量 ÷ 玄米 1000 粒重量 × 100

このような差が出てくる主な理由は
・精米中に、一部の米は割れて砕米となり精米機から排出されるため
・精米中は米の温度が上昇するため、それにより米中の水分が蒸発するため

酒造現場では、
『見掛けの精米歩合と真精米歩合の差』が、精米工程の巧拙を示す指標のひとつになっています。
これを『無効精米歩合』と呼んでいます。

無効精米歩合
真精米歩合 - 見掛けの精米歩合

さて、話は戻りますが、ラベルに記されている「精米歩合」は、
精米機に投入された玄米の重量に対する、白米の重量の割合です。
100kg の玄米を投入して 1kg の白米ができあがれば、精米歩合 1% の白米と呼ぶことができます。
真精米歩合が、何パーセントでも

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世の中には、精米歩合 1% の日本酒もあるようですが、真精米歩合は何パーセントなのでしょうか。
仮に米が球形だとすると
精米歩合 1% の米の直径よりも精米歩合 50% の米の直径は 3.68 倍(50 の 3 乗根)長いはずですが・・・

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