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アラサーで癌になった話をつらつらと02

癌宣告までの期間

前回では、捻転の原因となった腫瘍を緊急手術によって取り出し退院したまでをお話ししました。
摘出した腫瘍の検査結果が出るまでとりあえず、実家にて過ごしていました。
術後の経過は問題なく、お腹の傷は少々痛むものの、気にならない程度でした。

問題はお風呂です…
先生から傷口が完全に塞がるまで湯船は控えた方が良いと言われたためシャワーでということでしが…
実家のお風呂が寒い事この上ない!
築50年の良く言えば古民家チックな我が家…お風呂は今どきにしては珍しい、床は黒いタイル、壁も何か水色のタイル、湯船はやけに深く銀色スタイル…換気扇がないため大きな窓が付いているという。

3月初旬でしたが寒い!寒すぎる!
シャワーだけでは風邪をひいてしまうということで、徒歩3分の場所に住んでいる姉夫婦の家までお風呂に入りに通っていました。

さてさて、この腫瘍の検査結果が出るまで何をしていたかと言いますと…ネット検索ですよね。

癌について。

調べるべきでないと分かってはいましたけど、やってしまいますよね…。

検索ワード 癌 卵巣

いやいや、まさかと
いや、もしかして?
と感情は行ったり来たり。最終的には、今考えても仕方がないしまあどうにかなるでしょと。

ついに検査結果
残念ながら悪性腫瘍でした…


今でも覚えています。
退院してだいたい1週間経ったぐらいに、病院から電話が入りました。その時は夕方で実家の台所で一人で過ごしていた時でした。

「残念ながら、良くない結果でしたので可能であればご両親と明日にでも今後の事も含め話をしたいので来て欲しい」と。「つまり、摘出した腫瘍は悪性でした」と。

生まれて初めて頭が真っ白になりました。

頭が真っ白のまま何とか冷静に受け答えし、明日朝イチで病院へ向かう事が決まりました。

え、どうしよう

頭が整理出来ず呆然としていたら丁度、母親が帰宅したので病院から電話が来た事とその内容と申し訳ないけど明日一緒に病院へ行って欲しいと伝えました。

「私はどうやら癌らしい」

言葉に出すのと一緒に現実を突き付けられたかの様に感じ、流石にショックでした。

悔しい、悔しい…何で私が???
その時ばかりは幼少期振りに母親の前で泣いてしまいました。

ショックでありましたし、それを母親に伝えるのが辛かったです。
病気になってしまった事が両親に対して何故か、ものすごく申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

元々、裕福ではなく兄弟が多い家庭で育ち、学生の時から早く自立しなくてはいけないと思いながら生きてきました。
そのため、両親に対して頼る事がひどく苦手で、自分の事は自分で決める習慣がついていたので、精神面でも金銭面でも親に相談したことはあまりなく過ごしていました。

しかし、今回の事はどうやらそうもいかない。
この歳で、親に迷惑をかけてしまう事が申し訳なくてやるせ無い気持ちでいっぱいでした。
一方で、自分の将来について不安で仕方がなくそうも言ってられない状況でもありました。

これから、いわゆる闘病生活が始まるの?
進行状態てどうなってるの?
仕事は?
卵巣に癌が見つかったてことは、子どもは望めないということ?
何で私が病気に???

もんもんと考えても仕方がないことをずっと考えていました。

パートナーへの報告
至って冷静なT氏


当時からお付き合いしていたT氏へこのことを報告すべきか悩みました。
将来的には結婚して子どもを授かったら良いなぐらいの気持ちでお付き合いして、当時はお付き合いして2年目ぐらいでした。
言うべきか、もしくはこれから迷惑をかけるなら別れるべきか…
悩んだ結果、自分一人ではこの現状を乗り越えることは無理だと判断しT氏へ病院から電話があったその日に報告しました。

T氏から「癌は今では治る病気だから、まずちゃんと病院の先生の話を聞いてから色々と考えたら?今悩んだってしょうがないよ。」と。

思ってた以上に冷静…。
もうちょっと、驚いたり悲しんだり…何というか取り乱したりドラマチックな展開があっても良いのでは???と内心思いつつ

T氏「いや、だって俺が悲観的になったって状況は何も変わらないでしょ。」

いや、まあそうなんですが…
もしかして命に関わるかも知れないんだよ?と悲観的な私に対していたって冷静なT氏。

T氏「考えてみ?日本の医療すごいから。どうせ5年後10年後生存率とか検索してるんだろうけど、それはもう5年10年も前の医療の話だから。5年もあれば医療技術全然違うから。まずはちゃんと病院で話を聞いてきなさい。」

ぐぬ
ぐうの音も出ない言葉をかけられ、すっかり悲観モードであった私も「確かに」と冷静さを取り戻しました。

どちらかと言うと、仕事でも私生活でもネガティブな私だったので、このT氏の冷静さに助けられたかもしれません。

ちゃんと病院で話を聞こう。
それに限る。後のことはそれから考えよう。

振り返って思うこと
冷静に物事を判断するには知識が必要

確かにいきなり病気だと言われると戸惑うし、悲観的になって当たり前だとは思います。
ただ、自分が癌だと言われた当時、あんなにも頭が真っ白になって落ち込み不安定になったのは何故だろうと考えてみました。

おそらく、ショックで落ち込んでいたのはしょうがないとして、この先の自分がどうなるのかが分からないから受け入れる事が出来なかったのでは?と思います。
つまり、今まで「何となくこうなるんだろうな〜」と感じていた未来が病気だとわかることで、ブツりと断絶され「どうなるの?」といった不安が1番大きかったのです。これまでの手持ちのカードでは立ち行き出来なくなってしまって、さあどうする?といった状態です。
前にもお話ししたように、私は今まで医療に関して無知でした。関心もありませんでした。
祖母は癌で亡くなっていますが、実家を出ていたこともありどんな状態でどんな治療をしていたかも恥ずかしながら知りもしませんでしたし、知ろうともしていませんでした。
言ってしまえば日本人の2人に1人が癌になる、という事さえ知りませんでした。
医療に関するニュースでさえ見ていませんでした。
水泳の池江選手の病気についてTVで取り上げているのを見て「あんなに若くて未来があるのに可哀想に」ぐらいの他人事でしかありませんでした。

何て無知で愚かだこと!と。

世の中で起きている事は殆どが他人事ですが、いざ自分の身に起きた時にどう対処出来るか、判断出来るか…それは、それまでに持っているカード(知識)がある事で受け入れたり、気持ちが楽になれたりするのではないかと、思いました。

実際はわかりませんけどね!

さてさて、長々とお話ししましたので次回から具体的な病状と治療方法についてお話ししたいと思います。
ここまで、ありがとうございました。

しゃけ

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