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向井酒造さんへ③上世屋の棚田

二日目に向井さんを後にして、昨年も訪れた上世屋地区を訪ねました。

上世屋は丹後半島の山間部の集落で、伊根からは車で20分くらいです。高齢化が進む一方で、その風景に魅せられて移住をする方が多くいて、今では村の三分の2くらいが外から来た人になるそうです。

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その移住者の一家族である小山さんを頼って行きました。小山さんはチャントセヤファームという農家を営み、向井さんの醸す「上世屋のひとやすみ」というお酒の原料となるコシヒカリを栽培しています。

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農薬と化学肥料は不使用で、収穫後には稲木に干して水分を飛ばし味わいを凝縮させます。田んぼは棚田にあり大きなトラクターは入れないので、小さな田植え機と手作業で収穫をします。沢から引き込む水は温度が低く稲の生育に影響をするので、「こなわ」と呼ばれる溝を切って田圃には直接に冷たい水が入らないようにしています。コシヒカリの他には亀ノ尾も栽培をしています。橋場さんとこと同じ系統なようで、銀色の芒が長く伸びてススキのような佇まいです。

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村は斜面にあり平地が少ないので、稲木は高いとこまで掛けれるように高く組みます。組まれる樹は栗の樹が良く固く腐食しにくくて長く使えますが、檜などは5年ほど経つと傷んでくるそうです。

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写真に映る小山さんはもと新聞記者で、取材で訪れた丹後のこの風景に魅せられて10年近く前に移住をしてきたとのことです。この田圃の仕事だけなく、ジビエの取り扱いをしています。村の外れに解体場を設けて生肉までし、ウェブサイトなどで販売をしています。

その後に訪れたのはクラフトビールを造る「KOHACHI beerworks」さんです。ベルギーから日本へやってきたジュリアンさんと奥様の展子さんで営みます。昨年に来た時にはまだ工房は工事中でした。現在も道具は揃ったのですが醸造免許を申請中で、後は税務署からの許可を待つばかりだそうです。ピカピカの設備が眩しいです。

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大阪市内から丹後半島は三時間ほどで着きます。一泊をすればそれなりに回れますが、伊根と上世屋だけでもまだまだ見たりません。農作業がが忙しくない時に小山さんのお話ももっと聞いてみたいです。

今年も充実した二日間になりました。

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