短歌 白波と鈍色/少年の眼

過去に別の名前でSNSでやっていた短歌を残しておきます。僕が短歌をしていたという記録のために。
僕には上手いとされている短歌がよく分からなくて、そこを理解するまでもう作らないと思うのです。

①白波と鈍色

君の目は幽霊船で潮騒をただ受け入れることを選んだ

永遠を生きるクラゲがいるらしい浜辺で溶けるクラゲの死体

沈黙を何とかしようと何とか縦歩きするカニ ありがとう

爪先も見えない夜に双子座もかつては海の一部だと知る

貝殻を拾えばあなたの声がして 水平線は何度消えても

②少年の眼

禁足地みたいな身体少年は伸びる手足を折る勢いで

蝶の胸美しいまま死ねたなら 遺せるものが痛みとしても

戦場に命 炎は燃えていて蜉蝣は死にながら生まれる

手の平の上で冴えないサーカスを 予言めいては打ち消した嘘

車輪の下運命が人を殺すから明けない夜は日常と化す

永遠も刹那も夢も諦めも少年の眼と僕は訳した

③無題

肉球が僕にもあれば許したり許されたりができる気がする

ラブ・ソングに意味はいらないララララララララ身体を通り過ぐ雨

狩りをして生きていけるし革命家は全員殺す君を残して


ここに残した短歌は以前つくった連作の中で気にいっていたものと、最後につくろうとしてやめた連作未満のものです。振り返れば連作を作るのはカッコつけているのを自覚していて少し恥ずかしかったですが、創作をしている、何かを生み出せているという世の中に関与できている感じがあって楽しかったのだな、と思います。
さようなら。

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