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【来週絶対】鰆の卵【カラスミにしてやる】

スーパーで売っているマダラやシャケのナマ魚卵。数回買ったものの生臭かったりグロかったりで扱いが今ひとつわからない食品だった。配偶者に至っては怒張感みなぎるビジュアルを目にしただけでその場を立ち去る勢いだ。
家庭導入にはややハードルが高いか。

昨日行った吉池では珍しく「鰆の卵」なんてのが売っていた。む・・・鰆か・・・。毎月15日は報酬が振り込まれる日なので気が大きくなっていたのだろう。ちょうど粕漬け用に鰆の切り身をカートに入れていたので、ついでに卵のパックも入れてしまった。一緒に粕に漬ければまぁなんとかなるだろう。

怒張感

しかし煮付けにしたり酒を振って塩焼きにして味見してみたものの、正直あまり旨い種類の魚卵ではないと思った。同じ生魚卵ならカズノコ塩焼きなんかの方が随分美味しい。この卵、粒感があまり無いのでちょっと気持ち悪い感じがあるのだ。

見た目はやはり怖い

この、うまく乗りこなせないおてんばな食材を、皆はどうしているのだろうか・・と検索してみると正解があった。この鰆の卵はカラスミに向くらしいのだ。なんでも江戸時代はボラではなく鰆でカラスミを作っていたようで(『本朝食鑑』(1695年))、調べれば調べるほどどんどんカラスミ腹になってきた。

やはり本朝食鑑「鰆」の欄に「唐墨」の記載あり
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2557334?tocOpened=1

香川県の名産品らしくHPでは2軒ほどの店が製造販売を行なっているとあったが一軒は閉業、もう一軒では取扱無しになっていた。

悦凱陣 純米吟醸 興 うすにごり生(字面だけでまた飲みたくなっておちょこで飲んでいる始末)

先週、常連のお客さんから頂いた香川の酒「悦凱陣 純米吟醸 興 うすにごり生」。
香川県出身のこのお客さんは帰省するたびに香川の名産品をお土産に持って来てくれる。今回は自分が飲みたくて注文したついでに当店用に一本持ってきてくれたのだった。こんななんでもない時に一升持ってくるとは剛毅なお客さんだ。

都内飲食店でもなかなか見ないこのお酒。「漢」感満載の骨のある味わいだが、辛さの向こうに全ての風味の存在を感じる、飲んだ事のない類の酒だった。冷蔵庫に常備したい、すごく美味しい酒だ。こんなのリピート決定だろう。

しかしこんな良いものをくれるお客さんへのお返しというのは難しく色々考えあぐねていたが、ふと、今は幻となった香川の名物「鰆の唐墨」を作って、上出来のものを渡せれば何よりかと思った。

にわかに盛り上がるカラスミ熱。

こんなお客さんに滅多なものはあげられない、とふるさと納税力を駆使してお手本のボラ唐墨も購入。これで味わいを研究しつつ、近隣のB級スーパーの魚卵でリハーサルしてみよう。





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