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Sake Diploma 学習ノート

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2023年度のSake Diploma受験勉強のため、二次試験の論述対策の学習ノートを投稿します。 編集方針は以下3点です。 1. 先人たちの回答を最大限に活用する。 2. 最…
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2023年3月の記事一覧

#08 貴醸酒の今後の展望について

今回の問題貴醸酒の今後の展望について述べよ。(2021年) 自分の回答200字回答 貴醸酒は、留添の際に汲水の代わりに日本酒を添加して造られる日本酒で、日本酒の付加価値を高めるために1973年に開発された。日本酒度が-40ほどと非常に甘味が強く、またリンゴ酸を主体とした爽やかな酸味があるため、フォアグラのテリーヌや金華ハムの蜜煮など和食以外とも相性が良い。またデザートワインのような食後酒としても適するため、日本だけでなく海外でも幅広く受け入れられる可能性がある。(191字

#07 扁平精米について

今回の問題扁平精米について述べよ。(2021年) 自分の回答200字回答 扁平精米とは、削った後の米の形が扁平になるような精米方法である。どの部分も米の表面から等しい厚さだけ削り取る等厚精米も扁平精米に含まれる。一般的な球形精米や原形精米と比べて、タンパク質など不要成分の除去効率が高い。さらに扁平度合を高めた超扁平精米もある。他の精米方法より精米時間が長くかかるが、近年の技術の進歩によって大幅に改善されてきている。砕米の発生率や胚芽の残存率が高いという課題がある。(197

#06 球磨焼酎と相性が良い料理について

今回の問題球磨焼酎と相性が良い料理を地理的特性を踏まえて述べよ。(2020年) 自分の回答200字回答 球磨焼酎は、球磨川の伏流水を用い、球磨郡または人吉市で造られた単式蒸留の米焼酎である。1995年に「GI球磨」が指定されている。香味豊かな常圧蒸留の球磨焼酎は、米由来の香りやフーゼル油の香りがあるため、赤身の馬刺しや猪肉の炭火焼が合う。減圧蒸留によるライトタイプの球磨焼酎は、上品な米由来の香りが、天草地方でとれたコハダの握り寿司の爽やかな酸味や香りに合う。(179字)

#05 奈良県について

今回の問題生産地・奈良県について述べよ。(2020年) 自分の回答200字回答 奈良県は清酒発祥の地とされている。日本最古の神社・大神神社は酒造りの神で、杉玉発祥の地でもある。奈良時代には造酒司が設けられ、酒造りの中心地となった。室町時代には現在の酒母の原型とされる菩提酛が菩提山正暦寺で生み出された。菩提酛はそやし水と呼ばれる乳酸酸性水を使用して酒母を作る製法で、近年奈良県内の蔵元が再現している。酒米は他県からの移入が多い。酒米・露葉風の生産量は日本一である。(192字)

#04 美山錦について

今回の問題美山錦について200字以内で述べよ。(2019年) 自分の回答200字回答 美山錦は、1978年に長野県でたかね錦の種籾にγ線を照射して生み出された早生の酒米である。酒米の中では、山田錦、五百万石に次ぎ全国第3位の生産量を誇る。大粒で心白発現率が良いため、高精白が可能である。また耐冷性があるため、長野のほか東北地方が主な産地となっている。亀ノ尾など、歴史ある品種を先祖にもち、出羽燦々、越の雫など他県が開発した品種の親株にもなっている。(181字) 回答の要素

#03 村米制度について

今回の問題村米制度について200字以内で述べよ。(2019年) 自分の回答200字回答 村米制度は、酒造家と農家が直接契約して酒米を栽培する制度であり、「山田錦」の故郷である兵庫県では明治20年代から行われていた。農家は酒造家が好む酒米を生産するために品質向上を図る。テロワールによる集落ごとの格付けも行われ、集落内外での競争が活発化した。現在は「特A-a地区」と「特A-b地区」に分けられ、「特A-a地区」は吉川町、口吉川町、東条、社の91集落で構成されている。(188字)

#01 山廃・生酛の現状と将来の展望について

今回の問題山廃・生酛の現状と将来の展望について述べよ。(2017年) 自分の回答200字回答 山廃・生酛は、醸造用乳酸を添加せずに乳酸菌を増殖させる伝統的な醸造方法である。1910年に速醸酛が開発されたことで、手間のかかる生酛や山廃は少数派になり、現状のシェアは速醸90%、山廃9%、生酛1%である。しかし、豊かで複雑みのある香味を求めて、生酛系酒母に取り組む蔵が目立ってきている。和食だけでなく、中華や洋食との相性も良いため、幅広いペアリングの対象として好まれる可能性がある

#02 セルレニン耐性酵母について

今回の問題セルレニン耐性酵母について説明し、あなたの意見を述べよ。(2018年) 自分の回答200字回答 セルレニン耐性酵母は、リンゴ様の香り・カプロン酸エチルを多く生成する酵母で、「香り酵母」とも呼ばれる。1990年代中期に全国に広まった。代表的な酵母として、アルプス酵母やきょうかい1801号、CEL酵母が挙げられる。香り酵母は全国各地で開発されており、地域色を打ち出したものも増えている。フルーティーで飲みやすいため、新たな消費者が日本酒を飲むきっかけとなる可能性がある