NHKの特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」を観た
生理初日と月曜日が重なった上、天気も体調も気分も悪く最悪な夜、録画していたNHKの特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」を観た。
土曜日の朝、NHKのニュースで、精神科医が考証に入っているドラマが放送されることを知って、思わず録画したものだった。
“パパゲーノ”とは
あらすじ
感想
感情移入したし、自分と同じように希死念慮に悩まされている人はたくさんいるんだ、ということが分かった反面、この先の居心地の悪さを感じた。
私は長年「うっすらとした」希死念慮に悩まされている。肩こりとか腰痛レベルというか、持病として自己申告するほどではないけれど、これがなければかなり良い人生になるのに、というレベルの希死念慮。こうやって書くと大したことない感じがする(自分でもする)けれど、希死念慮が全く発生しない日がないので、かなりしんどい。
人に相談したことはほとんどない。ご飯がのどを通らないことも、眠れないこともほとんどないし、ドラマの主人公がしていたように、自傷行為をしてしまったこともないから。ドラマの中でも出てきていたように、「本当に辛い人と比べたら全然大したことないであろう辛さ」であることもわかっているから、わざわざ口には出さないし、病院にも行かない。
それでも今まで2回、あまりにしんどくて、軽い難聴になったことがある。自分としてはとても辛かったけれど、2回とも軽い難聴で済んでいる。大変丈夫な体なんだと思う。難聴の期間は具合が悪かったけれど、周りの人には事情をほとんど話さなかったし、学校も仕事も休まずに済んだ。(休んだら、休むことが気持ちよくて戻ってこられなくなりそうな気がしている。)
このドラマを見て、「パパゲーノ」という言葉を初めて知った。でも、いつか必要な時に誰かに相談したとき、「あなたみたいな人のことを、「パパゲーノ」と言うのですよ!」と、意気揚々と言われそうな気がして、なんだか気持ち悪さを感じた。
この言葉が世の中にもっと浸透したら、今まで「うつ病患者」未満で、特に名前のなかった私は「パパゲーノ」ということになるのだと思う。私の症状に名前がついてしまったことで、今後より人に相談しにくくなる気がする。LGBTQ等の問題と一緒で、「今流行ってるよね、それ」的な扱いをされる可能性が高いとわかっているから。ドラマの中でも序盤で出てきていた、「ファッション」として扱われてしまいそうだな、と思った。
どうせなら「パパゲーノ」なんて快活な雰囲気の名前にしてほしくなかった。もっともっと難しい漢字が並んでいて、深刻な雰囲気の名前を付けてほしかった。
でも、「こうした経験を持つ人のライフストーリーには、つらい状況にある人を思いとどまらせる抑止力“パパゲーノ効果”があるとされている。」という説には納得している。実際、ドラマ内で印象的な言葉がいくつかあった。
ホームレスの登場人物が言っていた「僕は(社会に対して)出入り自由なんだよ」という言葉は、どこまで現実味があるかということは置いておいて、大変心強かった。
一方、仕事を辞めた主人公達に対し、「辛い時、いかに踏ん張れるかが、結局は楽しさにつながるんじゃないか」的な話をしていた、仕事ができない妻子持ちのサラリーマンの話にも一理あるなと思えた。一時の辛さを、逃げることで回避した先に何か良いことや解決策が見つかるとは限らないから。
しぶとく生きるぞ
このドラマを観て、何か考えが変わったか、元気が出たかと問われたら、はい、とは言えない。けれど、自分のこれからの生き延び方を考えるきっかけにはなった。
好きな芸人さんが、今年M-1ラストイヤーを迎える。
ドラマを見終わった後、なんとなく開いたTwitterで、ランジャタイがエントリー報告の投稿をしていた。
少なくとも今の私は、ランジャタイのM-1ラストイヤーを見届けなければならない!
ドラマに出てきた競輪のお姉さんのように、ちょっと先の楽しみを持ち続けながら、ぬるりぬるりとしぶとく生活を続けようと思う。
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