化物
3棟までが遠い。病院独特の匂いを感じながら、いつも早歩きで向かう。内心はいつだってやはりドキドキする。
今日はなんだか落ち着いているようで、目もうっすら開くし、お話もできた。うれしい!
まだまだずっと寝ていて、恥じらいのない全力おっきなあくびをするので、看護師さんと笑ってしまう。元々そういうの気にするタイプなので、こんなに全力でされると笑ってしまうと同時にちょっぴり悲しくなる。
ここにいると、時間制限がなく一緒に居てあげられるので、こちらもつい長居してしまう。
一緒にいる方が安心する。
ひとりのあの家より、一人の時間を過ごすより
一昨日、おっきな吉祥寺の駅に父と2人、ぽつんと横断歩道を待っていたときの、どん底に落ちたようなあの瞬間を忘れない。いつも降り立っている駅が、ずいぶん大きく感じた。飲み込まれてしまいそうだった。
口は食べたくないのにお腹は空いたと言っている。全然食べたくないのにラーメンをすすった。味は普通なんだけど(失礼)それはそれは沁みた。
ラーメン好きな父は、食べた気がしなかったと言っていた。
あなたが眠っている時。今日は星野源の蘇る変態を読み返す。なんておバカな本なんでしょう…(改めて)勇気と元気をもらいます
小さく寂しがり屋のあなたをひとり、ここへ残して帰る時の、張り裂けそうなこころにはまだまだ慣れない。
今日もよるが長い。
わたしたちみんなでお家に帰ります。
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