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【SCPコラム】なぜ日本支部にはモンスターがいないのか?【第一回】


 こんにちは、さかずきです。今回はSCP紹介ではなく自分がSCPについて考えていることなどをコラムとしてまとめていこうと思います。SCP歴わずか4,5年ほどの若輩者ではありますが、拙文を読んでいただければ幸いです。

 みなさんがSCPと言われて思い浮かぶオブジェクトは何でしょう?多くの人はSCP-682 不死身の爬虫類(クソトカゲ)であったりSCP-096 シャイガイを思い浮かべるのはたやすいでしょう。他にも有名SCPとしてSCP-939 数多の声でやSCP-966 眠りを殺すものたちなどを思い浮かべられるでしょう。

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 これらの共通点はモンスターであることです。まず、ここでのモンスターの定義をはっきりさせておきましょう。コトバンクの世界大百科事典によると

かいぶつ【怪物 monster】正体不明の生物や物体,とりわけ醜悪・不快・恐怖などの念を抱かせる存在の総称に用いられる語。

とあります。そこで今回のモンスターの定義として①既存の生物に合致しない生物であること ②人類に恐怖を与える存在であること、とします。上記のSCP達はこの条件に合致していると思います。

 また、これらのSCPを語る上で重要な点は、これらのSCPはその特異性に記事の焦点が当てられていることです。クソトカゲは狂暴で不死身、シャイガイは見た人を殺すと単純明快な能力を持っています。

 対して、日本支部について考えてみましょう。有名オブジェクトとしてモンスターといえるのはSCP-120-JP 世界で一番の宝石に出てくるカニぐらいでしょうか。しかもこの記事の焦点は少女と怪物の交友であってモンスターの特異性が主ではありません。日本支部は本部と比べてモンスターが少ないと思います。それはなぜでしょうか。

 まず本家にモンスターが多い理由としてSCP初期のシンプルさがあると考えられるでしょう。初期のSCPといえばSCP-500 万能薬やSCP-005 合い鍵などシンプルなSCPが数多くあります。これは初期ならではの何もない状態から始めるにあたって単純なものが許されたためだと思われます(もちろんDecomissionedされたのもあるでしょうが)。上記モンスターSCPもすべて1000番以下であり、いわゆるモンスター図鑑であることが許されたのでしょう。しかしSCPの数が増えるにあたって何かしらの差別化を図る必要があります。それは日本支部も同じです。日本支部の特徴としてストーリー重視や補遺でまくし立ててくる記事が多い印象があります。となると、批判しているわけではありませんが、SCPの特異性が薄くなっているように感じます。すなわち特異性だけで勝負できるSCPが少ないです。これがモンスターの少ない理由でしょうか?しかし、SCP-3199 誤れる人類やSCP-1471 MalO ver1.0.0など本家では1000番以降でもモンスターはいます。これは日本支部にモンスターが少ない理由たり得ないでしょう。

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 日本支部にモンスターが少ない理由、それは文化の違いにあると思います。例えば山に対する考え方を見てみましょう。日本と海外でも山岳信仰とは存在します。山を禁足地として扱い祀っていますが、その根本は異なっています。日本では山は神が住んでいるところだと考えられ、山に対して畏敬の念を抱いています。対して、海外では山には悪魔が住んでいるとされ、畏怖の念を抱いています。また、日本のモンスター(ここではこのように表現しますが厳密には異なります)である妖怪について考えます。妖怪は事物や自然が擬人化、擬物化したものであり、その多くが人間に対して甚大な危害を加えません。また、たとえ危害を加えるとしても何かに対しての罰であり、特に自然への侵害に対して危害を加えられることが多いです。このようにの日本では自然に対して一定の距離を保ちつつ、それを身近なものとして接してきました。対して、海外では自然は征服・克服するものであり、それができない未知の自然に対しては恐怖を抱いていました。

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 話をSCPの戻します。上記の理由から海外では恐怖のモンスターを生み出す土台があり、日本ではそのようなものが生まれないのでしょう。もちろん日本のSCPにもホラーを題材にしたものは多くあります。しかし、その多くは現象であり、人にまつわるもの、建物にまつわるものが多いです。その場所に立ち入った、何かしらの禁忌を犯したなど恐怖が起こることに対して因果があります。海外のような生物であったり、危害が無差別であったりというのはほとんどないです。

 以上がなぜ日本支部にモンスターが少ないかの考察になります。浅学の身でありますので、感想・批評などがありましたら、ぜひコメントよろしくお願いします。


 

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