横浜市の中学校給食問題 。12月19日に記事を最新内容に更新。
現在横浜市の中学校では給食が実施されていない。
全国の給食が実施されている自治体の皆さんからするとなぜ?という疑問が湧くと思う。
この疑問点を横浜市健康教育課の担当職員に取材した。
○なぜ横浜市では学校給食を実施しないのか?
・横浜市全域の中学生に給食を供給出来る給食センターを設置するための土地が無い。
・横浜市は急激な人口増加で学校設置を優先させため、予算面からも給食センターまで手が回らなかった。
現在横浜市は中学生に3つの選択肢を用意している。
①ご自宅からのお弁当
②業者弁当
③ハマ弁
②の業者弁当は一部の学校で実施されている。
これはハマ弁が実施される前から行っていた中学校がそのままの流れで実施しているもの。
地元業者が焼き肉弁当などの複数のメニューを提供している。
値段はさまざまだ。
③ハマ弁
この制度に色々な意見が出ている。
基本生徒は一律300円で購入出来る。教員は390円。
メニューは1日1種類。これに牛乳をつけることも可能だ。
牛乳をつけると390円。
汁物だけの注文も出来る。
このハマ弁を利用している家庭は全体の約2%。
利用促進のために、こういった動画レシピも公開している。
そして不味いという評判がある。
市担当者によるとこれは塩分などを調整し健康に配慮していることもあり、こういった評価が出ているのではとの回答だった。
ハマ弁は必ず温かい汁物を出すというポリシーがある。
そして市は利用しやすいように色々な改定も行っている。
まず値段を470円から300円に下げた。
このことで全国の給食を実施している自治体の家庭が、月に負担している金額と同レベルになった。
そして一週間前に注文しなければならないのが不便だという意見に対して、現在市内の12校で試験的に当日注文が出来る食券制度を導入した。
自動販売機で当日生徒が食券を購入して注文出来る制度だ。
販売機の管理はもちろん業者が行っており、学校の負担は
電源のオンオフ程度。
教員の負担が増加しないよう考慮している。
そしてハマ弁を作っているのはJMCというJTBグループのジョイントベンチャー。つまり共同企業体だ。
わくわく広場やハーベストといった企業が役割分担してハマ弁を作っている。
地元企業では無いとの指摘があるが、市は入札を実施しこのジョイントベンチャー企業と契約を締結している。
給食を実施しないメリットもあると担当者。
・給食制度が無いことで給食指導や配膳などに時間を取られることが無い。
・父兄が給食の時の割烹着の洗濯負担が無いといったメリットを上げた。
横浜市の小学校給食は各小学校の調理場、調理スペースで作られている。
それでは中学校に同じようなスペースを設置出来ないのか?
この質問に担当者は各学校に設置しようとすると設置するスペースの確保が困難との回答があった。
他の自治体を取材した時に、調理室設置には、新しい建物が必要で校庭が広くないとなかなか難しいという声が出た。
この現状を父兄の皆さんはどうお考えか?
当日注文の見本会に参加された方からお話しをお伺いした。
○まず味が不味い。
○生徒が食べたがらないと思う。
○食券を管理しているのが副校長という話しを聞いている。
○ハマ弁が余ると先生方が購入している。
このインタビュー結果をそのまま担当者にぶつけた。
味は健康を考慮し塩分の関係でそう感じる方もいらっしゃるかもしれない。これは以前の回答と同じ。
食券の販売機の管理は業者が行っており教員には負担が掛からないように考慮しているとこれも同じ回答だった。
『永久的にこの制度でいくという訳ではなく、現時点では3つの選択肢を用意しそれを選んでもらうことがベストだと考えている。』と担当者が回答。
人口374万人の巨大都市横浜。広さ、面積的には縦にも横にも広い。
土地、予算、経費、配送、方式、味。
横浜市の中学校給食の問題は全てが集約してしまっている感がある。
そして、横浜市のハマ弁は、他の自治体(京都市、名古屋市など)が実施している、学校給食法に則った選択給食では無い。
ハマ弁という独自方式。
神奈川県の中学校給食の実施率は26%。
全国的には、90%を超えているが神奈川県だけ低い。
神奈川県は、そういう文化だったと他の自治体の給食担当者。
そんな中、給食未実施だった横須賀市、秦野市が給食センター方式の中学校給食導入を決めた。
川崎市でも多額の予算を要したが、給食センターを設置した。
人口の関係で、横浜市が中学校給食を実施しないと全体の数値が上がっていかないという意見もある。
市長が給食実施を公約に掲げる街も増えている。
そんな流れの中、横浜市の中学校での食育が疎かになってはいけないし、
今後父兄の負担が重く圧し掛かることも避けなければならない。
給食未実施の自治体への引っ越しを躊躇う父兄がいることも取材で分かった
横浜市では、まずは、父兄、生徒に向けての分かりやすい説明、そして多くの生徒が美味しいと感じるハマ弁になることを期待したい。
ハマ弁公式サイト