若い時の苦労は、ならぬ失敗は
できるだけ早いうちにすればいい。それは失敗じゃなくて、後に、自分の仕事観を形成する、ひとつ要素になるんじゃないかと思っている。
私の失敗は
ズバリ遅刻でしょう。
入社2カ月で寝坊して遅刻したことが、最初の失敗。
でも後に自分の「時間管理」において、大きな影響を与えたことも確か。
私の社会人のスタートは、香港でした。
仕事を覚えるというものはもちろん、英語の環境にも苦労し、ド緊張で始まったフレッシュマンライフ。
入社2カ月くらいが経とうとしていたところ、もうヘトヘトで帰宅するなりそのまま倒れるように寝る。もちろん目覚ましも掛けてないので、翌日起きたら10時半(確か始業は9時だったぞ)。
頭真っ白ってこういうこと言うんだっていうくらい、頭純白。
そこからどうした?
事態のマズさに気が遠くなるが、一刻も早くなんとかせにゃいかんワケで。ナイ頭でギュイーンと考え(といっても多分3秒)先ず日本人の上司に電話。
今から向かいます!と平謝りして、そこからドラマみたいなバタバタの身支で出発。どうやって向かったのかは、今でも全く思い出せないくらい、慌てに慌ててていた。
そして、カンカンに怒られる覚悟で上司の部屋に直行。が、意外にも雷は落ちなかった。その時の言葉は、なぜかよく覚えている。
「もちろん遅刻は良くないけれど、最初に一報を入れたことだけは良かったよね」と。
ド派手な落雷が来るぞと腹くくった身としては拍子抜けしたけど、二度と遅刻するまいと誓ったのも確か。
ちなみにこの遅刻しますの一報が言えなくてそのまま来なくなる新人がいるらしいと聞いたけど、昭和生まれ、そこまで真綿なメンタルじゃあない。
遅刻はあの一度だけ
あれからもう何十年も仕事をしているけれど、遅刻はあの一回きり。
帰国後の放送局勤務時代も、しょっちゅう明け方まで飲み会が開催されていたけど、翌日、というか当日、というか数時間後の定時には着席。ガラガラ声のまま電話に出ていたっけ。
時が経って講師業を生業としている現在も、「1時間前到着」が定番スタイルとなった。
1時間前には現地に到着し待ち合わせ場所やエレベーター乗り場を指差し確認して、そこからゆっくりお茶しながら最終確認をする、というルーティーン。逆算すると、都心から離れている自宅を出るのは「この時間の仕事でこんな時間に出るの?」レベルに早い。
もちろん、1時間前行動なんてフツーにできる講師の方も山ほどいるけれど、私の場合、フレッシュマン時代に感じたヒヤッを通り越して頭純白からの心臓バクバクを知っているなだけに、1時間前行動の大事さは、宝石もの。
もちろん、そう思えるのも、頭ごなしに怒られなかった、ということも大いにある。あの時に大きな雷を落とされていたら「怒られたくないから遅刻しない」と、違う時間の捉え方をしていたかと。そういう意味で当時淡々と諭してくれた上司には感謝している。
4月は新入社員研修の季節。私は講師という立場でフレッシュマンたちと関わらせて頂いているけれど、毎回彼らには言うのは「早いうちに失敗はしておきな」と。その失敗から得た気づきを、自分の仕事のスタイルとして築いていけばいいじゃん、と。
私の失敗は、後に30年以上続いて守り続けている鉄板の習慣となって生きています。
これが、私の失敗談。でも早い時期に失敗して良かったこと。
3月28日 サカシタカオリ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?