ChatGPTに評論を書かせてみた~「人間関係の摩擦」

1.はじめに

最近流行しているChatGPT。使ってみた感想としては、「彼の精度には不完全性な点もあるようですが、たしかにすごいツールだな」と思いました。
試しに、「自分の強みの見つけ方を教えてください」と尋ねると、このように返してきました。

自分の強みを見つけるには、まず自分自身をよく知ることが必要です。 以下は、自分の強みを見つけるためにいくつか役立つ方法です。

  1. 過去の成功体験を振り返る:過去にどのようなことで成功したか、何を詳しく振り返ってみましょう。 その成功の背景にはどのような能力や特徴があったのかを考えることができますます。

  2. 周りの人の意見を聞く:自分の周りにいる友人や家族、同僚に自分の強みを聞いてみるのも一つの方法です。を知ることができます。

  3. 質問に答える:あなたがどのようなことが得意で、どのようなことが苦手なのかを自問自答してみましょう。

いや、過去を振り返ってもよく分からんし、自問自答しても返答がないから聞いたんだが!? という気持ちになりましたが、たしかにある程度のやりとりは成り立っています。これ以下のコミュニケーションしかできないなら、この先の世界を生きていくのは難しいのか・・・。なおさら、「人の気持ちを考慮した発言」「論理立てて話すこと」が重要になってきたように思います。
さて、暗い話になってしまいましたが、ここで思い立ったことがありました。
「ChatGPTに評論を作らせてみてはどうか」
という考えです。実際に、「人間関係の摩擦について、評論を書いてください」と指示を出してみました。すると、ある程度の文章は作ってきましたが、やはり少しかみ合わない部分もありました。
今回は、ChatGPTが作ったその文章に、僕が少し手を加えたものを出してみようと思います。

2.文章「人間関係の摩擦について」

 人間関係における「摩擦」は、コミュニケーションの断絶、価値観や信念の違い、権力闘争など、さまざまな要因によって発生する可能性がある。これらが人間関係の「摩擦」に寄与するのだが、人間関係は複雑で多面的であり、「摩擦」の原因は関係する個人によって異なる可能性があることを認識することが重要である。
 この「摩擦」の概念に関する潜在的な問題の一つに、関係の複雑さを単純化しすぎる危険性をはらんでいることがある。人間関係は、単に二人の個人が相互に作用するだけの問題ではなく、文化的および社会的規範、過去の経験、個人の歴史など、さまざまな要因が含まれている。こうした関係の複雑さを「摩擦」のような単一の概念にすると、関係の理解が制限される可能性がある。
 このように複雑に絡み合う要因を内包する人間関係の「摩擦」を解消するための、万能なアプローチはないと言ってよい。アプローチは、関係する個人、関係の性質、摩擦の具体的な原因によって異なるからである。この問題に対処するのに役立つ一般的な戦略には、オープンで正直なコミュニケーション、妥協する意思、必要に応じてセラピストやカウンセラーのサポートを求めることが挙げられる。
 ただし、それぞれが万能な解決策にはなりえない。例えば、オープンで正直なコミュニケーションに潜在する問題の一つに、一部の個人が自分の考えや感情を表現するのが容易ではないという事実が挙げられる。多くの人は、デリケートな話題について話し合うときに不快感や無防備さを感じることがある。すなわち、「オープンで」「正直な」コミュニケーションというものが、そもそも難易度の高い話なのである。
 さらに、進んで妥協することも、必ずしも実行可能または望ましいとは限らない。状況によっては、妥協することで一方または両方の当事者がニーズや価値観を犠牲にする必要が生じる場合があり、それが恨みや不満につながる可能性がある。さらに、虐待や強制されている状況など、妥協が不可能または適切でない場合もある。
 セラピストやカウンセラーのサポートを求めることは人間関係の対立に対処するのに役立ちますが、この解決策はすべての人にとってアクセス可能または手頃な価格ではない場合がある。メンタルヘルスケアへのアクセスは、費用、場所など、物理的な難易度によって制限される場合がある。
 このように、人間関係の軋轢を解消しようとした際、万能な方法はないに等しいと言える。ただ、有効であろう手段はある。その鍵を握るのが「第三者」の存在である。本来は、カウンセラーなどがその役割を担うこともあるが、必ずしもアクセス可能な状況にいるわけではない。この「第三者」とは当事者の友人であったり、家族であったり、人によって様々であろう。
 そのような「第三者」に求められるのは、積極的に耳を傾け、共感を提供する姿勢である。「第三者」は、対立に関与している個人に耳を傾け、共感と理解を示すほかない。「第三者」は、各人の感情と視点を認識することで、対立を解決するための安全で協力的な環境を作り出す役割を担うのである。
 なぜそのような役割を担う「第三者」が重要なのか。それは、人間関係には一義的に定義できない、複雑な構造をもっているからである。人間関係は不可視的な要因も含め、さまざまな要因をはらんでいるため、当事者が状況を把握できていないことが多い。ましてや、感情的になっていればなおさら、背景や現状を客観視することはできないだろう。そのようなとき、各人の状況を把握し、状況を整理してくれる存在がいることは、「摩擦」の整理に後見するのではないだろうか。
 ただし、「第三者」が期待される役割を果たすには、中立かつ公正な立場を保つことが重要である。そうしないと、「第三者」の偏見が「摩擦」をより複雑なものに仕立てるだろうし、両者からの信頼も失われるだろう。
 このように、率直なコミュニケーション、妥協、および専門家のサポートを求めることは、関係の対立への効果的な解決策としてしばしば提案されるが、すべての状況で適切なわけではないことを認識することが重要である。人間関係の問題に対処するために微妙なバランスを保ちながら個別化されたアプローチを取り、関係する個人の特定のニーズと状況を考慮することが「第三者」には求められるのである。

3.実際に作らせてみて

正直、「まあまあまとまった文章を作ってきたな」という印象でした。もともとの文章はこんな感じでした。

人間関係の摩擦は、コミュニケーションの断絶、価値観や信念の違い、権力闘争など、さまざまな要因によって発生する可能性があります。これらの要因が人間関係の摩擦に寄与する可能性がありますが、人間関係は複雑で多面的であり、摩擦の原因は関係する個人によって異なる可能性があることを認識することが重要です.
関係摩擦の概念に関する潜在的な問題の 1 つは、関係の複雑さを単純化しすぎる可能性があることです。人間関係は、単に 2 人の個人が相互に作用するだけの問題ではなく、文化的および社会的規範、過去の経験、個人の歴史など、さまざまな要因によって形成されます。関係の複雑さを「摩擦」のような単一の概念に減らすと、関係の理解が制限される可能性があります。
さらに、人間関係の摩擦という考えは、人間関係は本質的に対立的であるという考えを永続させる可能性もあります。対立はどんな人間関係においても当然のことですが、人間関係は喜び、愛、サポートの源にもなり得ることを認識することが重要です。摩擦の概念に重きを置きすぎると、人間関係のポジティブな側面を見落とすリスクがあります。
人間関係の摩擦の解決策に関しては、万能のアプローチはありません。最善のアプローチは、関係する個人、関係の性質、摩擦の具体的な原因によって異なります。ただし、関係の問題に対処するのに役立つ一般的な戦略には、オープンで正直なコミュニケーション、妥協する意思、必要に応じてセラピストやカウンセラーのサポートを求めることが含まれます.
結論として、人間関係の摩擦の概念は、人間関係で発生する可能性のあるいくつかの課題を理解するのに役立つツールになる可能性がありますが、人間関係の複雑さを認識し、単純化しすぎないようにすることが重要です。人間関係のポジティブな側面を認識し、対立に対処するための微妙なアプローチを取ることで、私たちは人生の中で人々とより強く、より充実したつながりを築くことができます.

ここに、「対立を解決させる方法を教えてください」、「対立があったとき、第三者はどのような対応が求められますか」と質問を投げかけていくことで、ChatGPTの「評論」を出してもらい、それを組み合わせて、2.で示したような評論文(?)にしました。
ChatGPTの精度や扱う人間のレベルが高ければ、教材としての「評論」を作ることも可能かもしれません。そうすれば、現代文の教材の幅が広がるのではないかと思います。今回は、ChatGPTの現状への驚きと、扱う人間の言語レベルをより高めることを要求されていることを痛感させられた経験でした。

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