ChatGPTにPREP法をさせてみた~これから学校で何を養成するべきか~

1.はじめに

最近、ビジネスに関するYouTubeを見ていて、PREP法というものを見つけました。簡単に言うと、
P:主張
R:理由
E:具体例
P:主張
という構成で文章を書くことを指します。
Webライティングする上で重要とされる考え方のようですが、先日、ChatGPTを使ったとき、このように感じたのです。

何か「論ぜよ」と指示すると、具体例から結論の順で書いてくれるな

それならば、PREP法を使った文章を作ってくれるのでは?と考え、試してみることにしました。(完全にChatGPTで遊んでいます)

2.実際に書かせてみた

ChatGPTに、「PREP法を用いて、2023年の日本でおすすめの資格を紹介してください」と送ったところ、次のように返ってきました。

P (Problem):2023年の日本でおすすめの資格を知りたい。 R (Relevant): 日本において、適切な資格を取得することは、自己啓発やキャリアアップにつながり、将来の収入増加にもつながるE (Experience): 私は、現在日本で働いていて、多くの人が資格取得に積極的であることを知っています。 また、私自身も資格取得を考えているP (Plan): まず、適切な資格として、情報処理技術者試験やTOEICなど、一般的なビジネスに必要な資格を選びました。進展に伴い、今後ますます必要性が高まるデータサイエンティストや、社会的に注目されているESG関連の資格を選びました。また、職業によっては、専門性の高い資格も必要とされるため、自分が所属しているP (Product): このプロセスを通じて、一般的なビジネスに必要な資格から、将来的な必要性が高まる資格や業界に合わせた専門資格まで、幅広い選択肢を検討しますこれにより、自分自身のキャリアアップや企業のニーズに応えるために、より有効な資格取得ができる可能性が高くなりました。

何か・・・PREP法そのものが少し違う感じになっている気がしますが、どうでしょう?

3.ChatGPTの文章を分析する

彼がまず書いたのはこの一文
2023年の日本でおすすめの資格を知りたい。
これは、「主張」とは言えないまでも、導入としては最低限である。少なくとも、突然「○○という資格は~」と入る作文よりは良い。

日本において、適切な資格を取得することは、自己啓発やキャリアアップにつながり、将来の収入増加にもつながる
この部分はおそらく「日本において適切な資格をとったほうがいい理由」を示しているものと思われる。「理由」を示している点ではPREP法に則っているが、冒頭の1文と2文目には少し「断絶」があるように思う。「断絶」をなくそうとするなら、この2つの文を合体させて、このように導入してはどうだろうか。
日本において、適切な資格を取得することは、自己啓発やキャリアアップにつながり、将来の収入増加にもつながる。そのため、何かしら資格を取得したいと考えている人は少なくないだろう。では、2023年において、どのような資格を目指すとよいだろうか。

私は、現在日本で働いていて、多くの人が資格取得に積極的であることを知っています。 また、私自身も資格取得を考えている
次に書いたのはこの部分であったが、これは先の「導入」とのつながりを考えると不必要かもしれない。

まず、適切な資格として、情報処理技術者試験やTOEICなど、一般的なビジネスに必要な資格を選びました。進展に伴い、今後ますます必要性が高まるデータサイエンティストや、社会的に注目されているESG関連の資格を選びました。また、職業によっては、専門性の高い資格も必要とされるため、自分が所属している
途中で途切れちゃっていますけど!ここでは、Pで挙げた「おすすめの資格を知りたい」に対する回答になっています。情報処理技術者試験、TPEIC、ESG関連の資格など、具体例が挙がっていますね。途中で途切れていますが、補足するならこんな感じでしょうか。
また、職業によっては、専門性の高い資格も必要とされるため、自分が所属している業界でのキャリアアップにつながりそうな資格を取得する必要もあるでしょう。

このプロセスを通じて、一般的なビジネスに必要な資格から、将来的な必要性が高まる資格や業界に合わせた専門資格まで、幅広い選択肢を検討しますこれにより、自分自身のキャリアアップや企業のニーズに応えるために、より有効な資格取得ができる可能性が高くなりました。
最後の1文の意味が分からない、どうしよう!どう考えても「これにより」とはつながらんでしょう!(たぶん、英語から日本語に訳すときにうまく日本語にできていないだけだと思います)
この意味不明さはさておき、彼の結論はどうやら「一般的なビジネスに必要な資格(情報処理技術者試験、TOEIC)から、将来的な必要性が高まる資格や業界に合わせた専門資格まで、幅広い選択肢を検討しましょう。」のようです。

4.文章を構成し直してみた

さて、必要な資格が何かとかよく分かっていない僕が、ChatGPTの文章を少しいじって作ってみたのが、次の文章です。

日本において、適切な資格を取得することは、自己啓発やキャリアアップにつながり、将来の収入増加にもつながる。そのため、何かしら資格を取得したいと考えている人は少なくないだろう。では、2023年において、どのような資格を目指すとよいだろうか。
まず、適切な資格として、情報処理技術者試験やTOEICなど、一般的なビジネスに必要な資格を選ぶとよいだろう。社会の進展に伴い、今後ますます必要性が高まるデータサイエンティストや、社会的に注目されているESG関連の資格も必要であろう。また、職業によっては、専門性の高い資格も必要とされるため、自分が所属している業界でのキャリアアップにつながりそうな資格を取得する必要もあるでしょう。
このように、
①一般的なビジネスに必要な資格・・・情報処理技術者試験やTOEIC
②将来的な必要性が高まる資格・・・データサイエンティスト、ESG関連の資格③業界に合わせた専門資格
など、幅広い選択肢から取得する資格を検討しましょう。

5.ChatGPTに振り回されないように

このようにChatGPTは、そこまで文章構成に優れた力を持っているわけではなさそうだが、彼の登場で「人間に要求される能力」を再確認させてくれたように思う。
①文章構成能力(推敲力)
・・・彼未満の構成力しかないなら、「書くこと」はできない。また、ChatGPTも構成力はまだまだなので、それを整理できる力は必要だろう。
②専門力
・・・まだまだ専門的知識を整理し、誰にでも伝わる、役に立つ書き方はできていないように思う。ただ、それなりの知識でもっともらしく書いてくるので、整理するために必要な専門性、正しいかどうかを見定める専門性がないと厳しい。
③個別適応能力
・・・汎用性の高い答えを返してくる。今回のテーマでは、個人の背景をつかんで提案することができていなかった。個人の背景や感情をふまえて思考し提案する能力は人間が備えておくべきものだろう。

このようなシステムがあることも踏まえた上で、学校でどのような能力を養成することを目指していくべきか。国語科の教員免許を持っている以上、追求していくべき課題のように思われる。

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