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きょうだいは?

「きょうだいは?」
少し親しくなるとかならずといっていいほど交わされる、挨拶みたいな問答。古今東西、老若男女、他人を知るための入り口に使われている。

この質問に答えにくいと感じる人間は圧倒的に少数なんだろうが、ここでははっきり言う。私にとってはすごく答えに困るあるあるNo.1。

①「双子の姉です」と答えた場合。
「えっ?双子?妹さんはどこにいる?何してる?」
「もう亡くなっていて」
…沈黙。聞いてはいけないことを聞いてしまったという重たい空気が流れる。

②「双子の妹がいたけれど、子どもの頃に亡くなりました」と答えた場合。
「あっそうなんだ、何かごめん」
…重たい空気を追いやるように、即話題が変わる。

③「下にいます、長女です」と答えた場合。
「妹?弟?何人?何歳違い?」
…①②の展開につづく。

④「きょうだいはいません」と答えた場合。
「一人っ子なんだ!そういえば一人っ子っぽい」
「そうかな」…薄笑。

①②③はどれを使えど気まずい。そして相手に気を遣わせてしまうので、もっぱら④を多用している。
でも、ほとんどの場合にくっついてくる「一人っ子っぽい」という文言にはひっそりと傷ついている。きょうだい型に関する研究もあるが、わたしはそのどれにも当てはまらない。

若い頃は、議員になってきょうだいに関する質問禁止にする法律をつくってやろうか!と考えたりもしたものだが、大人になってからは、自分がきょうだい児に関する研究をしたらいいと思うようになった。未だ実現できていないが。



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