二番手以下

重度身障者だった双子の妹と死別。
母の期待を背負い、2人分がんばって生きてきたつもり。

中高一貫の女子校で、早々に人間関係構築に失敗。残り6年間は身を潜めることに徹してサバイバル生活を乗り越えた。
この頃から母との関係が悪化。母との距離を少しずつ離し、自分の心を守りながら大人になっていった。
まだまだ私に理想を求める母はまだあれこれ干渉してきたが、本音を隠して自分に嘘をつき、母にも都合よく嘘をつき…嘘の鎧で固めた私が出来上がっていたわけだが、当時はそんなことにも気づいてなかった。

希望の大学に入学。
友達もできた。彼氏もできた。サークル、合コン、アルバイト、朝帰り。ライブ、クラブ、旅行。
勉強も、就活ももちろん頑張って、1分も無駄にせず大学生活を楽しむことをがんばった。がんばったら何だって手に入れられる!そう信じていたから、若さにまかせてがんばりぬいた。がんばりすぎた。

でも、どんなにがんばっても、なぜかいつも孤独感を感じていた。

友達には私より大事な親友がいた。
親友には私より大事な彼氏がいた。
奇数グループで遊ぶと、2人組であまるのはいつも私。
人数がそろわない合コンで、気がついたら1人で呑んでいるのは私。
彼氏だと思っていた人には、二股をかけられていた。

私は誰かにとっての一番手にはなれない。
私のことを一番に考えてくれる人はこの先の人生で現れるのだろうか?
現れてほしい。誰かの一番手になりたい。
いつしかそればっかり考えるようになった。
そうするうちに、自分の生い立ちを振り返るようになった。

生まれた時から、二番手だったな。
妹が死んでも、それは変わっていない。
がんばってもがんばっても母の一番手にはなれなかった。
私ってそういう運命?そもそも、きょうだいと死に別れたこと、きょうだいが障がい者だということを誰とも共有したことがない。私の育ちは、フツーじゃないのか?

生い立ち、育ち。
自分ではどうしようもないものだけれども、誰しもがその壁を一度は感じているのだろう。
私はその壁を乗り越えられないから、今苦しいのだろう。
人生折り返し地点に近づいているというのに、未だに誰かの一番手になれずにいる。

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