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未来への足がかりは自分の気持ち一つ-弱虫ペダルSPARE BIKE 東堂尽八3 読後感想-

オシャレ着&ママチャリで東堂はレースに参加する。ゼッケンを付けるために安全ピンを服に刺すのすらためらうありさまだ。
そんな二人に声をかけた女の子がいた。箱根学園自転車競技部マネージャーの皆水。
皆水から近い将来箱根がインターハイの舞台になる事、ロードレースには山岳賞という特別な賞があると聞き、東堂の気持ちに火が付く。レースのゆくえは……


箱根学園、そして山岳賞。東堂の未来を示唆するワードが出てきました。
山岳賞を取りたい、という思いがオシャレと真逆な熱い気持ちにスイッチを入れます。

くだらないかどうかはやってみるまでわからない

弱虫ペダル SPAREBIKE 1巻


この言葉に東堂の行動原理が全て集約されているような気がします。もしくだらない、とかママチャリだし無理、とやる前から却下したら未来の山神は誕生しなかったと思います。そしてもっと先、大学生になった東堂が起こす奇跡もこの行動原理でなしえた事だと思います。

自分の可能性や芽生えた気持ちを頭から否定しない、東堂の未来への足がかりは東堂自身の気持ちの持ちようが作りだしたものです。周りから見たら一見無謀にも思える行動ですが東堂自身は山岳賞だけをまっすぐ見据えています。
東堂の熱い気持ちに火が付く今話。読んでいる私もオシャレ着でママチャリに乗ってレースに挑んでいる事を一瞬忘れてしまいました。やっぱり熱く燃えてる東堂はかっこいい!

そして東堂も皆水さんのチューを狙ってる!と勘違いしてがむしゃらに走る糸川が可愛い!
でもレースがすすむうちに東堂の気持ちに気付きます。それに気づいた瞬間の様子が糸川らしいなって思います。

今回の話を読んで
若い頃読んだ山田詠美さんの小説、ぼくは勉強が出来ない、の主人公秀美のこの言葉を思い出しました。

ぼくは、自分の心にこう言う。すべてに、丸をつけよ。とりあえずは、そこから始めるのだ。そこからやがて生まれて行く沢山のばつを、ぼくは、ゆっくりと選び取って行くのだ。

山田詠美 ぼくは勉強ができない  より


久しぶりに読み返したくなりました。

一つのお話をじっくり読んでいくにつれこんな本や言葉があったな、とたくさん寄り道しちゃいます。これからは寄り道の読書感想文も拙い表現ですが書いてみようと思います。くだらないかどうかはやってみるまでわからないから。

東堂尽八 4へ続く。

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