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にじさんじの3D-謎解きRPG「後悔の迷宮」配信をVR-TRPG制作者が絶賛してみた!

こんにちは。VR-TRPGサークル「ぐだぐだぶとん」代表の逆凪と申します。今回は、ぱぱびっぷ氏が制作された謎解きRPG「後悔の迷宮」とそれをにじさんじライバーさんが3Dで収録した動画について、お話しようと思います。

また、この記事は「後悔の迷宮」A組や上の動画に関するネタバレも含まれますので、既にこの動画をご覧になった方のみ読んで頂くようお願いします。

自己紹介

VRで遊べるTRPGを作っております。(スマホ・PC・VR機器対応)シナリオもワールドもアバターもほぼ自分で作っており、既にVR-エモクロアTRPGを2作無料公開しています。こちらは記事の最後に紹介させて頂きます。
にじさんじの最推しは社築さんです。1年半程前からにじさんじを見てます。

3DのTRPGとしてどうだったか

この「後悔の迷宮」というシナリオは、VR空間で遊ぶTRPGとして作られた訳ではなく、TRPGを知らない人が謎解きRPGを通してTRPGを知る事・「にじさんじの3D動画」として使える事をメインに作られたように感じたので、別にVR空間で遊ぶTRPGとして完璧である必要は全くありません。

この記事では表記の都合上、一種のTRPGとして扱います。

ですが、VRで遊ぶTRPGの要素として良かった所や、実際に遊ぶ場合はどう改造するかをVR-TRPG制作者の視点から説明していきます。(実際に自分で「後悔の迷宮」プレイ用ワールドを作り、そこで遊んだ様子を収録した動画を投稿しました。良ければどうぞ)

①身体を使った演技が上手い!

通常のTRPGでは、プレイヤーが演じる主人公がアクションを起こす場合は「○○をします」とわざわざ言葉にする必要がありますが、3DでTRPGをすると、言葉でなく動きで表現できる為にさりげない演技が光ります。

コメント欄を見た感じだと、黛灰さんが意識を失って崩れ落ちるのが上手だった、とか不破湊さんの顔芸が面白かったなど書かれています。

一般人がVR-TRPGで顔の動きや身体の正確な動きをトラッキングしようとするとそれなりの機材が必要になり、あまりそこまで追求される事はありませんが、流石にじさんじ。機材も演技も素晴らしかったです。

弊サークルの動画では私が謎に左右ステップしているのですが、これは頭と両手の3点をトラッキングし、頭を左右に揺らしている為ですね。機材が頭の揺れを体全体の揺れと認識していた訳です。横揺れの癖が中々治らん。

②進行役が複数人いた

基本TRPGは脚本を把握している進行役が1人で複数のNPCを演じる事が多いですが、にじさんじの動画では進行役が複数人いました。(不破湊さん/夕陽リリさん/社築さん/でびでび・でびる様)これもライバーがたくさんいるにじさんじの良い所ですね。

実際に遊ぶ時の事を考えると、進行役はアバターを切り替える事で中の人を変えずにNPCの演じ分けをします。弊サークルが出した動画では二枚メイト・奏ソナタ・和阿久シャインの3人のアバターを用意して、不破湊さん・夕陽リリさん・社築さんの代わりとしました。

しかし、天の声ポジションででびでび・でびる様がたまに声をかけてくるシーンもあります。天の声はアバターが無いので、プレイヤーの位置にスポットライトを当てて周囲を暗くする事で「外から誰かが話しかけてきている感」を出しました。この記事でも言っていますが、スポットライトは世界の境界線として便利なライトです。

③水が降ってくる(??????)

なんやこれ。本来のシナリオには無いのでシェーダーのテストか何かだと思うのですが、動的な演出が楽しめるのも3Dの良い所ですね。

通常のTRPGは言葉で進めるので世界の変化が離散的ですが、3Dになる事でリアリティが増し、連続的な変化が好まれるようになります。スマホの脱出ゲームとリアル脱出ゲームの関係と一緒です。

単純な表示切替では無く、パーティクルを出しながら表示切替をすると3Dではリッチな表現が生まれたりします。

④制限時間は15分

終電や制限時間の変更に合わせて使わなかった演出なのかもしれませんが、にじさんじの動画では特に残り時間の表記はありませんでしたね。

通常のTRPGでは時間制限がある場合、ある時刻に急かす為の描写を入れたりします(怪しいNPCがじわじわ迫ってきている・部屋の明かりが暗くなってきている・時報が鳴る等)。

VR-TRPGでは上記の描写を実際に3Dで再現する事もできますが、収録する事を考えると部屋を暗くしすぎるのはな...と思い、残り時刻をスクリーンに表記するだけにしました。

⑤黒板消し

最後の問題は黒板に書かれた絵を消すという物でしたね。

VRでTRPGを遊ぶ際、大体はVR空間にあるボタンをクリックしてギミックを動かすのですが、現実の動きとVR空間に現れる結果が身体的にリンクしているとより「VRらしい」演出になります。

例えば、「銃を撃つ」。ハンドコントローラーのトリガーを引くとVR空間で銃を撃つ事ができる為、実際に引き金を引いたような感覚が味わえます。他にも「記憶板を引き抜く」とかも、現実での手の動きによってVR空間で掴んだ記憶板を引き抜く事ができる

無駄に多く組み込むとプレイヤーが疲れてしまいますが、ストーリーにおいて重要なシーンに組み込むと体験価値がグンと上がります。

という訳で、(黛灰さんは腕で消していたような気がしますが)黒板消しを使って絵を消すというのは何でも無いように見えますが、良い演出だったということです。

TRPGとしてよかった所

VR-TRPG制作者としてでなくTRPGシナリオライターとしての見方で、ライバーさんの良かった所についてもお話します。アドリブでは無く事前にそういう打ち合わせがあったんだろうなという感じですが、これが配信をより良くしていました。

①不破湊さんのヒント

最初の謎の出題者として登場した不破湊さんでしたが、プレイヤーにヒントが欲しかったら出せる事をすぐに言っています。

当然ではありますが、普通の謎解きゲームとは違い、TRPGは脚本を知っている進行役がいるおかげで、プレイヤーにヒントが出せます。謎解きは解けないと進めないし、個人差が出やすいのでヒントをプレイヤーの進度に合わせて適切に出せるのは良い所です。

結局謎解き自体も義務教育レベルでプレイヤーが素早く解けたのでヒントは要らず、後出しになりましたが、顔芸でヒントを出すという形でエンタメにしてたのはポイント高いですね。

②黛灰さんの休憩

天井から水が降ってきて追加の問題が出た後、黛灰さんが休憩を始めます。謎解き系のシナリオをやると一人が先行しすぎて他のプレイヤーが謎を解いた時の爽快感を味わえない問題がたまに起きますが、恐らくこれを避ける為の休憩だったのでしょう。

皆で楽しめるように黛灰さんらしい動きで譲っていたのは良かったと思います。その後、他のプレイヤーが解いた問題の答え合わせをする、という動きも良かったですね。他のプレイヤーに謎解きの楽しみを譲りつつも、ゲームに参加している感が出ていました。

③クリア時のでびでび・でびる様

最後の謎が解き終わった後、思ったよりも後悔の悪魔(でびでび・でびる様)のメッセージが優しい物だった為、プレイヤーは少し戸惑っていました。

短時間シナリオ・謎の部屋系シナリオはその部屋が作られた動機がはっきりしない事が多く、プレイヤーが違和感を抱えてしまう事もあります。(そういうシナリオが悪いシナリオという訳では無いです)

謎を解かないとここから出られない・後悔を抱えている人間を閉じ込めている後悔の迷宮がまさかこんなに優しい世界だったとは...となっていたのに対し、「なんかそういうことになっちゃった」としてメタ的ではありながらも笑いに変えられていたのは良かったですね。

最後に

如何だったでしょうか。にじさんじの動画やTRPG、3D(VR)で遊ぶTRPGの魅力が伝わったなら幸いです。

制作スタッフの方もお疲れさまでした。素晴らしい動画だったと思います!!!

制作物紹介

VR-TRPGに興味がある方は読んで頂ければと思います。

今回の謎解きRPG「後悔の迷宮」プレイワールドは、謎解きの問題を埋め込んでいる為に公開する事はできません。もし配信で使ってみたい!というYoutuberの方がいましたらご連絡下さい。(と言ってもこの記事を読んでいる貴方は謎の答えを知ってしまっているはずですが。)

VR-TRPGの制作物に関しては、ホームページでは重要な情報をピックアップして紹介しています。Twitterでは最新情報を流しているので良ければフォローしてください~

という事で、ここまで読んで頂きありがとうございました。お相手は、逆凪でした!!

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