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スマホでも遊べるVR-TRPGの作り方!【cluster】

こんにちは。VR-TRPGクリエイターの逆凪です。本記事は「VR-TRPGの遊び方」の記事を読んで頂いた事を前提とし、VR-TRPGを作ってみたいと思った方向けの解説となります。

STEP1:作りたい物を見定めよう

VR-TRPGといってもいくつかに分類できます。まずはそれを知り、自分がどのタイプを作るのかを見定めましょう。

主観のVR-TRPG

主人公の視点でマップ探索や戦闘をする形式のVR-TRPGです。
本気のゲーム制作並みにコストが高い代わりに、通常のTRPGとは違った面白い体験になります。

▼参考ワールドはこちら

俯瞰のVR-TRPG

オフラインセッションのように皆で机を囲んで遊ぶ形式のVR-TRPGです。
シナリオの舞台を再現したワールドでも良いですし、ダイスパネルとスクリーンだけでも十分遊べます。

▼参考ワールドはこちら

中間のVR-TRPG

主観と俯瞰の2つを明確に分ける事はできません。この2つを融合させた物も作れるからです。
シナリオ中の重要なシーンだけ探索できるようにする・回想シーンをアニメーションで再現するといった手法ですね。

▼参考ワールドはこちら

初めてVR-TRPGを作るなら

初めてVR-TRPGを作る場合、完全に主観のVR-TRPGはおすすめしません。要求する労力と技術力が果てしないからです。
逆に俯瞰のVR-TRPGや、それに少し演出を加えた中間のVR-TRPGは初めて作るのに適しています。

STEP2:用意すべきものを把握しよう

さて、STEP1で作りたい物のイメージはなんとなく掴めてきたでしょうか。
ぼんやりとしていたら、実際に公開されている作品を遊んでみると良いでしょう。
次はVR-TRPGを作るために用意すべきものをお教えします。

シナリオ

VRでGM(進行役)をする人がシナリオを読みやすいように、シナリオPDFは16:9の横長PDFを作っておくと良いでしょう。縦長だとclusterのファイル機能でPDFを見た時に、文字がかなり小さくなってしまいます。

ワールド

プレイエリアとして使うワールドも勿論必要です。Cluster Creators Guideの中からVR-TRPG制作に役立ちそうな記事をいくつかピックアップしておいたのでお役立て下さい。

▼まずはこれから

▼情報の表示/非表示を切り替えるギミックに使えます

▼アニメーションを演出に組み込みたくなったらこの2つです

▼視界エフェクトを演出に組み込みたくなったらこれです

▼ライト関連で抑えておきたいのはこの2つです

アバター

NPCのアバターも用意したいと思ったらVRoidStudioを使う事をおすすめします。VroidStudioは人間の3Dモデル制作に特化したツールで、かなり簡単にアバターを作る事ができます。

ダイスパネル

やはりTRPGにはダイスが欠かせませんよね。
cluster用アセットとして便利で汎用性の高いダイスパネルが公開されています。
仕様も動画で解説されており、簡単に導入できるので是非使って下さい!

キャラクターシート

そしてキャラクターシートも欠かせません。
ワールド内でプレイヤーがキャラクターシートを自作するのは困難なので、ワールド制作者がテンプレートのキャラクターシートを用意してあげると良いでしょう。
写真つきテンプレートキャラクターシートが作れるcluster用アセットが公開されています。
仕様も動画で解説されており、簡単に導入できるので是非使って下さい!

タイマー

マーダーミステリー等ではタイマーが必要になる事もあるでしょう。
こちらもcluster用アセットとして便利なタイマーが公開されているので是非使って下さい!

STEP3:無理せず良い物を作るためのワンポイント集

シナリオ・ワールド・アバター・説明書...作る物が多すぎてVR-TRPG制作はかなりハードです。そんな中で失踪せずに良い物を作るためのワンポイントをここでご紹介しましょう。

作る前にアセットがあるかを調べる

シナリオの通りに作ろうと思ったら自作する必要がある素材が多すぎて大変!という事態を避けるため、使えるアセットがあるかをしっかりUnityAssetStoreやbooth等で事前に調べましょう。特にモンスターは3Dモデルやサウンドを用意するのが非常に難しいので、要チェックです。
blenderのようなモデリングツールで素材を作る場合も、自作するのは部屋の形(床・壁・天井)や足りないアセットに留めておくと丁度良いでしょう。

部屋の数を絞る

ワールド内で複数の景観を切り替えるのも楽しいですが、ワールド制作者の負担が非常に大きくなります。初めて作る場合、部屋の数は最大3つとしましょう。
私は景観の共有の本質は「雰囲気の共有」であり、今どんな場所にいるのか・何をするシーンなのかが分かれば良いと考えています。BGMやライト、ポストプロセシング(視界エフェクト)でワールドの雰囲気を変える手法はコスパが良くておすすめです。

プレイ時間を短くする

プレイ時間は2時間以下がおすすめです。プレイ時間が長いとVRのプレイヤーが疲れてしまったり、変わり映えしない画面になりがちです。

NPCの数を絞る

NPCの数を増やすとアバター制作者の負担が大きくなります。
GMはアバターを着替える事ができるものの、分身はできないのでNPCは最大3人とするのが良いでしょう。また、アバター制作ツールであるVroidStudioは女性アバターの方が作りやすいので、拘りがなければNPCは女性の方が良いでしょう。

プレイヤーの操作性に拘りすぎない

楽になるぶんの作業を負担するのはワールドクリエイターです。
例えば、GM(進行役)が使う操作パネルをGMにしか見えないようにする事はできますが、ワールド制作初心者がやるには難しい作業です。clusterの3Dモデルは基本的に裏面が見えないようになっているので、パネルの表がGMの方に向き裏がPLの方に向くように配置すれば簡単に実装できますよね。

写真映えを考える

集合写真を撮るための写真映えスポットを用意しておくとSNSに写真が掲載され、多くの人に作品を知ってもらうチャンスになります。アバターとマッチした写真が撮れるスポットとはどんなものかを考えるのも面白いですね。

VR-TRPG化に向いているかを考える

アバターで対面してTRPGをするだけでも楽しいしVRで遊ぶ魅力は色々あるんですが、「これ別にVRじゃなくても良いですよね(笑)」と言われた時の悲しみはマリアナ海溝より深いので、シナリオがVR-TRPG化に向いているかは制作前に考えておくと良いでしょう。

例えば、雰囲気の変化が起こるか。怖いシーン・感動するシーン・落ち着いたシーン等のメリハリがついていれば、それに合わせてBGMを変えたり視界エフェクトを変えたりでき、ワールドに変化を生む事ができます。

例えば、エンディングを再現するとどうなるか。「彼らは館から無事に脱出しました」というエンディングより「彼らは証拠隠滅の為に館を大爆発させ、無事に脱出しました」というエンディングの方が原寸大の視覚演出が味わえるVRでは楽しそうですよね。

STEP4:仲間と一緒に頑張ろう!

clusterでVR-TRPGやその関連作品を作るクリエイターの方に役立つ情報を書き込んだり、相談・質問を交わす場として「ぐだぐだ書房」というdiscordサーバーを用意していますので気軽に参加してください!

STEP5:宣伝しよう!

ハロークラスター

毎週火曜日21:00から行われる公式イベント「Hello Cluster」では、clusterの最新情報を知れる他、「みんなの告知コーナー」というclusterに関する事をユーザーが30秒の枠で告知できるコーナーがあります。VR-TRPGワールドを公開する・プレイイベントを開催する前に、宣伝しに行くと良いでしょう。

ぐだぐだダイレクト

VR-TRPGの最新情報をお届けする情報番組として、「ぐだぐだダイレクト」というclusterイベントを不定期で開催しています。紹介動画の編集もお手伝いしますので、貴方の作品を紹介してみませんか?第二回は2023年夏に開催予定です。

最後に

お疲れさまでした!ここまで読んで頂きありがとうございました。
文字通りその世界の主人公となって物語を紡ぐVR-TRPGは多くの可能性を秘めています。そんな中で貴方がどんな世界を見せてくれるのか、どんな面白さを発見してくれるのかを楽しみにしています!お相手は、逆凪でした!

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