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【フリゲ感想】さよならキャットボックス

この記事の文字数は約5,300字です!

最近急激に寒くなってますよね。
超絶朝型の自分にはこの3時台の冷え込み具合はキツいものがあります。
………ってなんだかもう前置きで書くネタも尽きてきました。
どうでも良い話題はすっ飛ばして早速本題に入ります。


1.「さよならキャットボックス」

今回紹介したいのは、春階一佐さんの「さよならキャットボックス」です!!

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こちら、感想記事は今更の投稿となってしまいましたが、
実は公開から割と間を置かずにプレイした作品となります。
何の気なしにプレイしたのですが、プレイしてビックリでした。

結論、プレイ後にあれこれ語りたくなっちゃうヤツ!!

感想をオラオラっと書いたは良いものの、
公式サイトに投下するのもはばかられ、どうしたものかとなりました。
noteでの感想記事にもこなれてきたので、こちらに記載することにします。


2.ネタバレなし感想

以下、自分が公式サイトに投稿した感想を引用、補足しながら進めます。
こちらはプレイ前でもそれほど問題はないと思われます。
が、プレイ時間は非常に短めなので是非まずはプレイしてみてください。

彼女と何気ない会話を交わした後、話が意外な方向に進んでいく作品です。
イラストがとても綺麗で、UIやロゴなども丁寧に作られています。

会話自体は割と普通のデートにおける会話のような感じです。
但し、その後から会話によってはガラッと展開が変わります。

立ち絵は透明感があってとても可愛らしいです。
グラフィックについてはエンディングも要チェックです。


1周目では特に何も起きず、2周目でTRUEEND?に到達しました。
多様性や社会の許容性などにつきとても考えさせられるゲームでした。
本当に素晴らしかったと思います。

よし、BAD確認するぞ!勢でない限り、
よほどのことがないと1周目は普通に終わるのではないかと。
実際、普通にプレイして1周目真エンドっぽい人は確認できませんでした。
そう考えると、もう少し絶妙な選択肢にしても良いかな?とは思いました。
とはいえ、物語の続きが描かれる方のルートでの展開は良かったです。
シナモンの話も良い感じでフックになっていました。
説教臭くなく色々考えさせるきっかけになるのは良いですねぇ。
「前向きな気分にさせる」ともまた違う方向性です。


プレイ後にスイッチが入って自分でも引くほど長い感想を書きましたが、
ここで書き連ねるのは場違いと思いましたので別の場所に載せます。
道徳の教科書よりこのゲームの方が健全な学びに効果があると感じました。
ジャンル「大切なものを考える恋愛ADV」は伊達じゃないです。

当時はnoteもやってませんでしたし、
感想をどうしたもんか扱いあぐねてしまいました。
たまたま高校の同級生がnoteに転職したおかげで本サービスを身近に感じ、
こちらにつらつら記載できるようになりました。
駄文とはいえネットの大海に流した方が感想も成仏するってもんです。

日本人は自分の意見を表明することが不得手だとよく言われますが、
そのせいで異なる意見を受け止めるのも苦手だと日々感じます。
反対意見を述べることはなんら悪いことではないと思いますし、
その基本ができていないことが本作の悲劇に繋がったように感じました。

本作を遊ばせて「ヒロインに感情移入できた」「できない」に分けさせて
思春期の学生にディベートをしてもらったら良さそうだな、と思いました。
本作でなくても良いと思うのですが、テーマ含め格好の教材になりそう。
話がずれたので早速次項に移ります。


3.ネタバレあり感想

ここからは容赦なくネタバレします。
今回はいきなり最大限ネタバレしますので、
プレイする前に読んだら面白さが半減というか消失します。

また、今回はだらだらっとプレイ後に思ったことを書き殴ります。
本作はプレイ後につらつらこんなこと思わせる力がありますよ、の意です。
「本作について」より「本作きっかけで色々考えた」という感じなので、
いつも以上に駄文の垂れ流し注意です。
区切りもへったくれもないですし、話が行ったり来たりしてます。
本作と世の中の話も混じってますが、そういう作品なのでご容赦ください。

こんな駄文読んでプレイした気になっては絶対にダメですので、
未プレイの方は必ず上に戻って公式サイトからDL・プレイし、
ノベコレ公式サイトに感想を残してからまたおとといきやがれください。
というか、今回はおととい来なくても全然良いです。

↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1

まず、本作をちょっと雑目にまとめますと、以下になります。

主人公はヒロインと結婚して子どもが欲しいと強く望んでいる。
ヒロインは「女性は子どもを産んでなんぼ」と家族に言われ続けている。
が、子どもを持つことに対して割と強めの嫌悪感(拒否感)を抱いている。
主人公が何気なく子どもが欲しい旨をぽろっとこぼしたのを受け、
主人公(&世の中全般)と自身の価値観の乖離に絶望したヒロインが自殺。
説明不足の部分もありますが、概ねこのようなストーリーです。

ヒロインは生物学的に男なんじゃないかというのがプレイ前の読みでしたが
もっとリアルで、だからこそ救いが簡単には見つけられないお話でした。
「実は男です」と異なりカミングアウトする必然性がそもそもないので、
現実でも似たようなことは起こり得る話なんだろうな、と思いました。
実際、結婚したいと思う独身女性の感覚としても、
子どもが欲しい・まぁどちらでも良い・欲しくない
これで三分くらいなんじゃないか、という気がします。
結婚したくない派を含めたらもっと子ども要らない派は増えるでしょうし、
そもそも結婚したくない派である理由が家庭や子どもを再生産したくない!
という人が多い気もしないでもないです。
(一方、子どもが欲しい>配偶者が欲しい勢も多そうですが)

子どもを働き手としてカウントするような発展途上国でなく、
子育てに不安のない程度の経済的な余力が大多数にあるわけでもなく、
経済的な後退がもはや確定事項に近い先進国という日本のこの状態は
それに更に拍車を掛けているような気がします。

SNSが発達した時代なのだから子ども不要前提で結婚相手を探したら?
という意見もそれなりにおかしくないような気がしますが、
それだと現実的には変な相手しか寄ってこないでしょうし、
奥手な彼女にそこまで不自然な形で彼氏や配偶者を見つけることを
強いなければいけないのか?というとそれはそれで非常に酷です。

一方で、「人間も動物なのだから究極的にはつがいになって子を成すのが
生まれてきた主たる理由であるという主張はある意味において真実である」
ということは彼女の側もきちんと認識したほうが良いように感じました。「当たり前」だったり「そうしなければならない」ではないですが、
「自然」だったり「そうすべきである」とは言えるかもしれません。
それを是とするのが「多数派」であり「一般的」であると言えそうですし、
少なくとも「社会の維持のために必須」であることだけは間違いないです。
(「」内の認識に賛同する割合が相当に減っている肌感覚がありますが、
 これは様々な要因の帰結(社会問題の側面が強い)と思います)

個人的には少数派の意見は「尊重」されるべきことは当然ではあるものの、
多数派が意見や価値観を押し付けないようにするのと同様に
少数派の側は少数派である自覚は客観的にしておくべきだと思います。
また、多数派の側に「許容」を求めるのは良いと思いますが、
意見や価値観の「理解」「納得」まで押し付けるのには違和感があります。
要求する以上は多数派の側の意見や価値観も「許容」しないと、
そうなってくるとただの不公平・暴論ではないか、と感じます。

具体例と言えるかどうかは良く分かりませんが、
「会社のデスクに子どもの写真を貼るなんて独身の私への当てつけか!」
みたいな話がそれに近いような気がします。
これが単に「ただの独身」だと気にしすぎだ、という声が多数でしょうが、
「10年間不妊治療中の40歳の既婚女性」に変わると不気味なことに
配慮すべきへの賛同票が増えたりしてしまうのも難しいところです。
不妊治療中の夫婦への配慮は当然必要ではありますが、
愛する子どもの写真を直ぐに視界に入るような場所に置き、
働く意欲を維持しようという自由を損なって良い話でもありません。

ちなみに私はスマホの待ち受け画面を子どもの写真にする程度です。
会社のデスクにどーんと子どもの写真を貼る人については、
見かける度に「欧米か!」と内心突っ込んでしまいます。
内心というかよほど話しにくい人でなければ普通に突っ込んでます。
一方で家はプライベートな空間ですので、
家族写真をリビングの目立つところに飾っています。
(是非はともかくとして感覚的には多数派に属している気がします)

また、5年くらい前の会社の先輩の話になりますが、
友人が結婚したと知った際に「子どもはいるの?」と尋ねたところ、
不妊治療中だったとのことでいきなり絶縁されてしまったそうです。
確かにデリカシーはないとは思いますが、絶縁は飛びすぎな気が。
その先輩は非常に優しい人で物凄く落ち込んでいましたが、
今のご時世タブー気味なので割とアウト目ですとは伝えておきました。

年賀状問題も良く聞く話ですよね。
子どもしか写っていない年賀状を出してくんじゃねえ!どころか
子どもが写っている年賀状なんて不愉快極まりない!みたいな話。

子ども問題は非常に繊細なので、こういう例は枚挙に暇がないですよね。

子どもを持つ持たないは当然個人の自由ですし、
子どもが欲しくてもできないことは大変だとは思いますが、
子どもは次世代を担う希望そのものなので、
存在そのものは社会全体で温かい目で見守ってほしいところです。
(不景気の根本原因が少子化なので子どもの存在は損得で考えて得なもの)
(物心つき始めてから人様に迷惑を掛ける子どもを咎めない親は明確にNG)

さて、脱線が過ぎる感じになってしまったので本作に話を戻すと、
彼女は彼女で主人公に自身の価値観を押し付けているように見えました。
主人公の言動は確かに軽率な面もあったかもしれませんが、
主人公の方も付き合うタイミングで
「俺は子どもが欲しいタイプ」と意思表示をする必要はないはずです。
(なんだかそれだと激しい誤解を招きそうですし)
好きだからこそ相手との愛の結晶が欲しいと思ったのかもしれません。

主人公は無自覚に人を深く傷つけたとも言えますが、
そこまでの配慮を求めるレベルだったのか、
これは人によって判断が分かれる難しいところだったように思います。
私なら独身女性に「良いお母さんになるよ」とは絶対に言いませんが、
誉め言葉として使う人の感性を疑う、というほどでも…………あるな

ただまあ付き合っている段階~結婚の合意をするタイミングのどこかで
どのような人生を歩んでいきたいかを話し合えば良かった話であって、
それをせずに人生に終止符を打つのは主人公に対してあまりに酷かな、と。
子どもなし前提で結婚するか、子どもを産んでも良いと思う相手を探すか、
選択肢を突き付けてあげる優しさはあっても良かったのかなぁ、と。
(主人公に寄った考えかもしれませんが)

ちなみにヒロインの祖父や母は批判されて然るべきですよね。
身内の言動が与える影響は良くも悪くもとても大きいでしょうし、
自殺したのもきっかけが主人公なだけで原因は親族にあると言えそうです。
(でも、より大切な存在の主人公の考えに絶望したのも確かなんだよなぁ)


さて、ということで多様性の時代に突入しています。
全方位的にマイノリティ、マジョリティという人はなかなかおらず、
誰もがある部分ではマイノリティであり、他方でマジョリティでしょう。
マイノリティな部分は以前よりマシな時代になったと言えますし、
マジョリティな部分はより慎重な配慮が必要になったと言えそうです。

SNSの発達などで「意思伝達行為の絶対量」「多様性」が
目に見える形で爆発的に増えて、広がっているように思います。
考えなければならないことは増えに増えていると感じますが、
上手く割り切って、ゴキゲンに前向きに日々過ごしていきたいものです。
美味しいもの食べて、ぐっすり寝て、やれる範囲でやりたいことやって、
なるべく好きなコトを考える時間を増やして生きていきたいところです。

それがつらつら考えた中でのひとつの結論でしょうか。


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4.おわりに

というわけで「さよならキャットボックス」の感想、
というかプレイ後の感想?はこれでおしまいです。

「大切なものを考える恋愛ADV」は伊達じゃなかったです。
プレイ後に無心でいることは難しい作品だと思うので、
遊んだ方はきっと何か大切なものを考えるきっかけになるでしょう。

以上、富井サカナでした。

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