見出し画像

【フリゲ感想】螺旋卵形線チェルアルコ

この記事の文字数は約5,400字です!
(もっとサクッとした感想も上げたい)

さて、短編ゲームの紹介まとめ記事が2週続きましたが、
3週間ぶりに長編ゲームの感想(兼紹介)記事となります。

1.「螺旋卵形線チェルアルコ」


今回紹介したいのは、Sinilintuさんの「螺旋卵形線チェルアルコ」です!!

画像1

絵は耽美だなぁ。さすがにこれは女性作者さんっぽいなぁ。
良く分からないけど難しそうなタイトルだなぁ。
右上の人の表情良く見ると結構ヤバイな。。。
というようなイメージだったのですが、
投稿直後にサムネを見て大作の予感がプンプンしておりました。

で、SNSで流れてくる絶賛の嵐。プレイ時間も長そう。
まとまった時間ができたらやろう、と思っていたところ、
意図せず半日ほど時間ができたので思い立って遊んでみました。

結論、流石にこれは凄すぎる。

良く『商業レベルの作品』という感想を目にしますが、
その多くはグラフィックの美麗さや演出の豪華さ、
システムやUI周りのそつのなさを指している気がします。
そういうことではなく本作はマジでどっからどう見ても商業レベルでした。
表現が難しいのですが、フリーで出す格の作品ではないです。
シェアだよー。これはシェアだよー。という感じです。

いや、分岐なし1ルート3時間ならまだ分かるのですが、
攻略対象(というのでしょうか?)が5人いて14EDですからね。
捨てキャラはいないし分岐後のルートが本筋から大きく外れないし、
ルート分岐ごとのシナリオの整合性とか含めてホント凄すぎる!!

あまりの凄さに私はオモシロ!ヤバ!スゴ!ウヒョ!となりましたが、
本来の私のストライクゾーンの真ん中では決してなかった気がします。
従って、刺さる人には刺さりすぎて反対から飛び出るくらい刺さりそう。

絵柄や雰囲気が多少苦手そうだと思ったとしても、
圧倒的に確立された世界観、重厚なシナリオを堪能したい方は
是非とも上の方にスクロールして公式サイトからすぐDLしてください。
そして、集中できる状況と時間が整ったら一気にプレイしましょう!

ここまででハードルを上げすぎな気もしないでもないですが、
合わない人はいても、大したことないという感想には絶対にならないはず。

というわけで続けます。


2.ネタバレなし感想

以下、自分が公式サイトに投稿した感想を引用、補足しながら進めます。
こちらはプレイ前でもあまり問題はないと思われます。
ちなみに、公式サイトの方をそのまま引っ張ってくると、
改行の具合がかなり微妙になってしまいますね。
(これはどうしたものか。まあ仕方ないかぁ)

一体何がどうなっているんだ!?と思ってしまった快作・怪作でした!
これは本当に半端じゃない作品だ!ホンモノが過ぎる!そう思います。
作者様の攻略サイトの力も借りて一気にフルコンプしました。
大満足の長編作品となっておりますので、お時間を作って是非!

プレイ直後はやはり興奮していますね。
でも本当にグラフィックが綺麗!とか、シナリオが良い!とかではなく、
総合的に本当に凄いことになってる!という作品でした。
「ちょっ、フェスとかそういうんじゃなくてよそでやってくださいよ!」
なんて声も聞こえてきそうなほど(もちろん制作者サイドから)

でもこういうガチ作品が増えるのは遊ぶ側からすると有難さしかないし、
高い目標が提示されると制作側も「最低限恥ずかしくないの作らないと」
という感じになって気が引き締まります。
ただネガティブシンカーの人は落ち込むだけかもしれません。
これと同じ土俵に上がっちゃってたんかい。。。みたいな。
そんなこと考える必要は一切ないぞー!(自分に向かって)


まず世界観の作り込みが尋常じゃ無く、センスに満ち溢れすぎています。
主要キャラ全員がそれぞれに際立つ個性があり、
かつストーリーの中で対主人公だけでなくそれぞれの関係と思惑が密接に交差します。
そして全ルートがTRUEなのでは?というくらい濃厚な設定と展開が痺れます。
このシナリオのレベルで分岐EDが14もあるなんて異常が過ぎる!
そのすべてが「バナナの皮で転んで頭打ってBADEND」みたいのの対局ですから!
(それはそれでアリですが)

設定とストーリー分岐の凝りようは本当に異常だなぁ、と。
攻略サイト見てED14って見た時は驚きましたね。
ですが、プレイして更に驚きました。捨てENDがない!
いや、選択肢ミス⇒即BADが嫌いというわけじゃないんですよ。
こちとら「街」をバッチリ通ってるんで!


作中人物だとロクスに惚れました。最高に男前でした! カッコ良すぎ!
【ここからネタバレ含む。クリックで表示】

ロクスについてはネタバレの方で!


またグラフィックが世界観にピッタリすぎる幻想的な雰囲気を醸し出しています。
こちらは完全に初心者以下のド素人なので褒める言葉すら持ち合わせていませんが、
滅茶苦茶にファンタジーです!! 超魅力的です!!

グラフィックは耽美だなぁ、と。
良く見ると凄い顔してるタイトル画面のフェルも含めて、
上手いだけでなく魅力的な個性のある絵だな、と思いました。


これでシナリオとグラフィックが同一人物なんですよね?(あれ?違う?)
もしそうなら確かにシナリオとグラフィックのピッタリ具合からは納得なんですが、
1人の人物がどちらもこのレベルまで到達できるなんて! 人生2周目疑惑!

シナリオと絵(更にそういう人は大体スクリプトまで)をやってる人は
絵が全く描けない身からすると、その時点で無条件で尊敬します。
でも、両方凄いのは正直勘弁してほしいんですよね。凹むので。
まあ頑張って良いシナリオとテキスト書けるようになるしかないんですが。


なんだかきちんとこのゲームの魅力が伝わっているかは不明ですが、
やれば絶対に「こりゃヤバい!」と分かるので、是非お手に取って遊んで頂きたい!!
なお、関連作もあるそうなのでそちらも要チェックですよ!
(私も絶対にフェス後に遊ばせて頂きます!)

プレイ時間は6~8時間くらいで誰にでも勧められる気もしないですが、
濃密なADV体験がしたい方には是非お勧めです。
ハマるハマらないの個人差はあるでしょうが、
この作品の「絶対値」が非常に高いのは誰も否定できないはず!
ちなみに関連作と言うのは以下となります。
バナーが貼れずに申し訳ないですが、タイトル名から飛べます。

青のアウェアネス

画像2


3.ネタバレあり感想

ここからは容赦なくネタバレします。
プレイする前に読んだら面白さが半減します。

こんな駄文読んでプレイした気になっては絶対にダメですので、
未プレイの方は必ず上に戻って公式サイトからDL・プレイし、
ノベコレ公式サイトに感想を残してからまたおとといきやがれください。

↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1


■キャラクター

本作、キャラクターの魅力が凄まじいと感じました。
グラフィックの力も大きいのでしょうが、
序盤から誰が誰?状態には一切なりませんでした。

◇フェルシニー
右も左も分からない世界で自分を助けてくれるキャラ。
序盤はめっちゃ良い人でなんやかんや助けてくれます。
が、タイトル画面の表情のような?本性が徐々に露わになります。
ルドヴィガとの対比は知れば知るほどまさに陰と陽という感じ。
でも、己の中の正義を実現するための信念と行動力と言ったらない!
彼を突き動かす事件については後々主人公がその目で目撃することになり、
「じゃあまあ仕方ないよね」という免罪符的な感情を与えてくれます。
にしてもフェルの人物描写は本当に凄いな、と思いました。
これだけ複雑な人物を魅力的に描けるということがそもそも素晴らしい!

◇ルーシャ
ストーリー全体としてはフェルと並んで前半担当と言う感じがしました。
初回のループはルーシャを救うため、ですもんね。
ルーシャの世話をしながら徐々に交流を深めていくシーンも、
後で明らかになる前任者たちとの関係を考えると胸が締め付けられます。
運命に翻弄され続けつつも優しい心を失わないルーシャは素晴らしい。
幸せなEDでほっと一息。

◇ロクス
とにかく常に魅力が大爆発しているキャラでした。
自信満々で頼りがいがあり、常に弱音を一切見せずに前向きで、
愛に満ち溢れているところが本当に最高です。
なんだかとっても天野喜孝みを感じたのですが、髪型のせいかな?

「全ての命は、幸せになるために生まれて来る」
「世界は、愛に満ちて美しい」

なんて台詞並みの男では口に出せない! かっこよすぎるぜ!!
カナラ―ル√同様にストーリー全体の伏線回収が多かった印象です。
スリヴァ関連のところはきちんと事実を理解できたか怪しいところですが、
それでもなるほど!おおっ!となりました(語彙よ。。)
人間に戻っても魅力を発揮し続けるロクスはやっぱりカッコ良い。
個人的にはぶっちぎりイチオシキャラです!!
自分がもし中二女子だったらマジで惚れてそう。危ない危ない。

◇カナラ―ル
序盤から主人公となんやかんやイチャついてます。
あれ?好感度MAXスタートなんじゃないの?というのが第一印象。
カナラ―ル√をやっているとその印象が正しいことが分かります。
にしても、まさかそういう設定だったなんて!?と終盤の展開には驚愕。
他のキャラのルートだとそんな事実一切触れてないじゃん!と。
作品の根幹の設定を個別ルートで出してくるなんて、本当に痺れました。
カナちゃん目線で考えると本当にその決断は泣けてきます。

◇クリス
性格もキャラ設定も唯一無二だなぁ。
全体的に登場シーンの量とタイミングが完璧だなぁ、と。
ユーモア溢れるクリスの存在のおかげでシリアスになりすぎずに、
ちょうど良い塩梅に保たれていたような印象があります。
結構難儀な役割を与えられているのに人懐っこくて憎めない存在です。
クリス√に至って初めて、冒頭のシーンの意味合いが理解できました。
これだけ時間をおいての(ゲームシステム的な)伏線回収はカッコ良すぎ!
本作の方が高等ですが、イメージ的にはFFXみたいな感じでしょうか。
サムネにもなったループ開始前のイベントスチルは本作イチ好きです。

◇ルドヴィカ
個人的に凄く好きなキャラクターでした。
持てる能力をきちんと自覚しつつ、正義を持って遂行する。
100%共感と尊敬しかないです。溢れるほどに自信満々なのも素晴らしい。
だってそりゃ能力あるんだから当たり前!
彼女のおっぱいは一服の清涼剤でした。

◇主人公
忘れちゃいけないのがモナカたんです。
自分が思う主人公に感情移入しやすい要素として
①ユーモアがある
②前向き
③努力を厭わない
というのがあるのですが、本作の主人公はその点完璧でした。
もちろんストーリーによるので主人公の個性は十人十色が一番なのですが、
シンクロ率が高い方が没入しやすいというのはありそうです。


■構成

とにかくストーリーの本筋と分岐ルートの条件や配置が素晴らしいな、と。

序盤にキャラクターを選んだらほぼ別のストーリーになるのも好きですが、
本作のように超太い大木のようなストーリーの根幹があり、
まさに枝分かれな感じで分岐していくのもやはり良いものでした。
クリス√という別パターンもありますし。
ルート毎の真相公開度合いもちょうど良い塩梅で、
キャラクター毎に差を付けないよう留意されている感じもありました。

ん?と思わせる開始直後のシーンや様々な伏線の散りばめ具合、
回想シーンの配置やそれぞれの導入の自然さなど、手放しで凄いなぁ、と。

作者様がどのくらいプロット段階で決めていたのかが非常に気になります。
これまでの制作で培った経験とセンスで作りながら決めた部分も多いのか、
相当綿密にシーン毎の役割やどんな情報を出すかを決めたのか、どっちだ!

作品の設定資料の公開を検討中とのことでしたが、
個人的には制作面についても非常に興味があります!
でも世界観が超確立した作品ですので作者様の意向・判断にお任せですね。
興ざめと思う人もプレーヤーの中にはいる気もしないでもないですし、
声高に制作の裏側を教えて教えて!といえる類の作品ではないかな、と。


ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯


4.おわりに

というわけで「螺旋卵形線チェルアルコ」の感想はこれでおしまいです。
しつこいですが元々noteに記事として上げるつもりで遊んでいないので、
あくまでもプレイ「後」の感想となります。
事実誤認や記憶違いの可能性も否定できません。予めすみません。

バッチリ考察しつつ感想記事上げるぞー!となれば、
多分軽く2万字くらいは書けちゃう作品であることは間違いないです。
特に本作は感想を書くのがプレイから1か月くらい経ってしまってます。
もっと記憶が鮮明なうちにやらないとですね。反省。

ただ、素晴らしい作品であることは間違いないです。
全人類プレイしろ!と複数の方が仰ってるのを目にしましたが、
超絶おススメなのは間違いないので多くの人に手に取ってほしいですね。
特に作風に合う人がノベゲ沼にハマるきっかけになりそうな作品ですしね。

以上、富井サカナでした。


↓↓↓↓同じジャンルのTGF2020作品おススメ一覧はこちらから↓↓↓↓


この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?