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ドールクエスト小説版 5話 生き延びた赤クマ隊長と女神マゼンタ

5話 

熊本散歩隊、赤クマ隊長、赤くまは人形町ができる前から存在していた。
彼の本当の名前はMISIA。

今は存在しない某大国の情報で有能な活躍をしていたらしいが、転生してダイソーのマスコットとなった。今でも古い仲間と交流はある。

赤クマを召喚した当初、某大国にシンパシーを感じていた人形魔々は赤クマを使って革命の起爆剤に出来ないか画策していたが、やがてくまモン県を震源とするQ州に大震災が訪れ、計画が消えていった。

ーあの頃の正義感に満ちた人形魔々はどこに行ったのか?

赤クマは思い返していた。

貧困は残酷だ。
正義感も行動力、思考力すらも奪っていく。

あの地震が、そして、今始まったコロナ禍が人形魔々を変えているのかもしれないな。

『ねえ、赤クマ隊長、私たち百均の人形はどうなっちゃうの?いらない子なの?』
『そう言えば人形魔々、人形は燃やすゴミでいいのか?とか調べていたらしいわ』

チビ人形たちは、不安を口にする。

私は、赤クマ隊長。
今は弱小勢力のこの百均出身の同志を守らなければならない。

『私が生き延びたのは人形ママがケチだったおかげだ。君たちも心配ない。君たちをゴミ箱送りにする事はないだろう。』

赤くまはまずは安心を与えようと、百均の弱小勢力のリボンちゃんや、ちび人形たちに語りかけた。

『でもっ!赤くまちゃん、人形魔々は人形の魔改造に憧れて、私たちの仲間を1人バラバラにして闇に葬ったのよ。いつ何をされるかわからない。』チビ人形は泣き叫んだ。


やれやれ。
人形魔々め、SNSの人形師たちにかぶれたか。
不器用な自分を理解していなかったのだな。
確かにチビたちは、改造材料とされる可能性はあるかもしれん。

チビ人形に混じって不安げに、赤クマを見つめるリボンちゃんを見てふと思いついた。


『そういえばリボンちゃん、女神マゼンタ様のところからやってきたんだったな。』
『そうよ。』

『人形魔々は女神マゼンタの言う事は逆らえないはず。女神に加勢を頼むのはどうだろう?』

『それよっ!なぜ思いつかなかったのかしら、私ったら!』

女神マゼンタが住むのはくまもん県人形町からは約〇〇キロ離れた場所、同じ九州だが、神々の住む密度の高いハッピーフィールドと呼ばれる場所だった。

赤くまたちは魔法が使えないが、マゼンタ様なら魔法を使うことができる。

マゼンタの移動魔法で、リボンちゃん達はマゼンタの神殿に招き入れられた。

『リボンちゃん、久しぶりだっちゃ。くまモン県での暮らしは順調か?たまにはハッピーフィールドに戻って来んね。執事が寂しがっておったぞ。』

女神マゼンタはリボンちゃんたちの話を一通り聞き終えた。

『事情は了解したっちゃ。リボンちゃんを捨てるなど許せん事だっちゃ。』
『そういえば、もともと、この子たちチビ人形もハッピーフィールド出身なのですよ。マゼンタ様。』リボンちゃんは、チビ人形だを見た。

『ほう、そうだったか。で、この2人のチビ人形たち名は何と言う?』

『実は私たち名前すらつけてもらっていないのです。だからこそいつ捨てられるか不安でたまりません。マゼンタ様、私たちはどうかお守りください。』

女神マゼンタは眉を潜めた。
『人形魔々には困ったものよ。よし。うちが良い名を授けてやるっちゃ。』

『蝶の髪飾りのそなたは、フアラーシャ。アラビア語で蝶々と言う意味。猫の着ぐるみを着たそなたは、ホア。ベトナム語で花と言う意味だっちゃ。かわいかろ?』

『はい、ありがとうございます!』

女神マゼンタは満足げに微笑んだ。

『あとは、かわいい、そなたたちに手出ししないように、人形魔々に厳しく喝を入れておくっちゃよ。』



(続く)


YouTube動画 全話まとめリンクhttps://youtube.com/playlist?list=PLHoJHvjxjNWfZhtO1q_cvobAn7rxkNJIT  

作品についての情報はこちら。

人形劇】doll quest YouTube主人公争奪戦 2021ー2022|ウクレレ歌人さかなちゃんsakana20001 #note https://note.com/sakana20001/n/n16f0d757dbf1?sub_rt=share_sb



























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