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花結びと高速道路インターチェンジの共通点

日本の伝統美のひとつ※『花結び』をご存知でしょうか?
花結びの基本は一本の紐で様々な形を表現するところにあります。

ある時、私は花結びを集録した本を見ていて、「これは高速道路のインターチェンジと同じだ」と思いました。

花結びは、別の見方をすれば『一筆描きできる図形』であるとも言えます。

インターチェンジと花結びの共通点

高速道路のインターチェンジは入り口と出口が必ず違う、一筆描きできる立体交差が基本でです。つまり構造上は花結びと同じです。

平安時代から続く日本の伝統文化と最先端道路設計の意外な共通点を発見して思わず出た言葉。

「革新のヒントは伝統文化にありということか」

私が常々提唱している『伝統は未来の資源』、それが、ここでも立証された気がしました。

私の講座でも常々申し上げていますが、伝統文化を学ぶ意義は大きいのです。

京都国立博物館館長の佐々木丞平氏は、以前こんな事を講演会で語っておられました。

「一国の実態を支えているのは政治であり経済であり教育である。このいずれの領域においても、伝統や文化がもっと優位性を持って語られても良いのではなかろうか。それこそが国の格、『国格』と言えるものであるのだから。」

この言葉に私は以下の文を付け加えたいと思います。

「それは科学や工業の最先端テクノロジーの分野においても同様である。」

日本の工業の発展と伝統文化を重んじる心は深く結びついていると思います。よって伝統や文化を軽んじている国の現状は言わずもがな。

写真出典:日本結び文化学会

※「花結びとは」
平安時代の王侯貴族達の硯箱や鏡などの調度品には、美しい房と花結びで彩られました。
貴族の女性達の一般教養として、和歌、文章、習字、絵画、音楽と並ぶ必須のものでした。
足利時代には 茶人や香人の 心得としても伝えられていました。
この頃の飾り結びは、主に房の付いた一本の紐を結んで様々な形を工夫しました。
工夫された結びには、一つ一つ名前がつけられています。
継承されるべき日本の伝統の『型』の一つです。

#和文化デザイン思考  講師
#和文化研究家  成願義夫


日本結び文化学会
https://traditional-japanese-knots.com/hanamuzubi/

●成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
株式会社京都デザインファクトリー代表取締役
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー

●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計6万5千冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている

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