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手描きを軽んじるデザイナーに一流なし

以前、あるテレビのドキュメンタリー番組で日本人カーデザイナーの奥山清行氏を取り上げていた。

彼は世界が認める、一流のカーデザイナーだ。
フェラーリ、マセラッティ、ポルシェなどのデザインを手掛け、中でも『イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男』として、世界的に有名なカーデザイナーだ。


その番組で、私が衝撃を受けたのは、何があっても、たとえ酔っ払っていても毎日数枚のデザインスケッチ(手描き)を描くとおっしゃっておられたことだ。

『オリジナルは手描きから生まれる』

一流と呼ばれ、頂点に上り詰めたと世間から評価されている人でさえ、毎日スケッチを欠かさないと聞いた時は衝撃きだった。

それは偉大なバッター、イチローが365日、何があってもバットの素振りを欠かさなかったのと同じだと思った。

そのひたむきさがあってこそ、野球の神様やデザインの神様に愛される。

私もデザインは手描きのラフスケッチから始まる。

しかし、奥山清行氏のように毎日欠かさずではない。
私が一流になれない理由はまさにそこにある。(笑)

ところで、パソコンの機能やソフトが進化したことはデザイナーには不幸だと思っている。
東京オリンピックのエンブレムの盗作問題は記憶に新しい。
当の本人にとって、コラージュやトレースは日常茶飯事だったと後で明らかにされる。
才能はあったかもしれないのに、残念だ。

奥山氏が語る以下の言葉の意味は重い。
「手描きスケッチを描かないデザイナーからはオリジナルは生まれない。」

ところで、私は奥山氏のデザインが大好きで、実は今乗っている私の愛車は奥山氏のデザインだ。(笑)

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成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー
株式会社京都デザインファクトリー 代表取締役社長

●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計7万冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている

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