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実は日本では現在、鯨尺や曲尺は違法です

日本では明治以来、物を測る単位として尺貫法とメートル法が並存していましたが、戦後のGHQの占領政策の一環としてアメリカの圧力により、日本の計量法が改定され、昭和34年からは尺貫法の使用が禁止され、メートル法の使用が義務付けられました。

これにより曲尺(かねじゃく)、鯨尺(くじらじゃく)は公には使用できないこととなり、これに違反した場合には法律違反として処罰が課されることとなってしまいました。
この悪しき『計量法』は今も変わらず日本の法律として存在しているのです。

何より問題になったのは正しい目盛りの物差しが正規に製造できなくなり、ヤミで不良品が出回るようになったことです。
大工や着物の仕立てなどの鯨尺や曲尺を利用している職人は大変困り、ある職人さんが永六輔さんに相談しました。

職人の恩人、永六輔さん

永六輔さんは、新計量法の在り方に疑問を感じ、何人かの政治家に相談しましたが改正は不可能と告げられました。
義憤に駆られた永さんは、自らのラジオ番組で尺貫法復権を提唱、全国の職人衆に決起を呼びかけたほか、自ら尺貫法を使用し警察に何度も自首するなど、体を張って抗議しました。
その他、曲尺鯨尺(ものさし)の密造密売、プロパガンダ芝居の全国公演などの形で尺貫法復権運動を大々的に展開しました。

その結果、法律自体の改定は行なわれなかったものの、違反者への処罰は行なわれなくなってゆき、尺貫法の使用は黙認されるようになりました。そして、現在では実質公認となっております。
そのおかげで、大工さんや着物の仕立て屋さんは今まで通り仕事ができています。

ところで、GHQはなぜこのようなことを日本に押し付けたのでしょうか?
それは日本弱体化計画の一環で行われたのです。
一国を弱体化する為に有効なことの一つに「文化破壊」があります。
文化を破壊する有効な手段としてはいろいろあるのですが、特に「言語破壊」と「計量法の破壊」が有効です。
既に日本語のローマ字化計画は失敗し、次に実行しようとしたのが計量法でした。

現実問題として、職人さんから鯨尺や曲尺を取り上げたらどうなるでしょうか?
メートル法では、職人さんにとって最も大切な「感」が狂うのです。
「感」は熟達した職人さんが持つプロとして必要な要素です。

職人さんが長年かけて培ってきた「感」を取り上げたら、ものすごい混乱が起き、日本の伝統文化にとって大きな損失となります。
まさにGHQはそれを狙っていたのです。

永六輔さんの活動のおかげで、宮大工、和装関係者、建具師、舞台美術など、多くの職人が救われました。伝統文化を守る為にも、こんな事があったことを多くの人に知って欲しいです。

法隆寺

しかし、現在もこの悪法は改正されず。  法律として残っています。

これは、なぜでしょうか?

戦後アメリカの手先となっていた日本の政治家の存在はアメリカの公文書開示によって明らかにされていますが、現在も売国奴政治家は実在します。

何よりも、アメリカに操られている官僚の存在が大きいです。

与野党の政治家達の伝統文化に対する思慮の浅さには呆れるばかりです。
今更ながら、「あなたは日本人?」と、皮肉を込めて、政治家全員に問いただしてみたいです。

余談ですが、尺や貫は飛鳥時代前から日本では使用されていました。
ただ、地域によって目盛に誤差が生じていたので、明治政府が統一して「尺貫法」を制定しました。
だとしても1500年以上続く日本の伝統です。

世界統一基準のメートル法は必要かもしれませんが、伝統文化の伝承を断ち切る理由にはなりません。これからも並存が望ましいと思います。

その為には、計量法が元にもどされるよう、伝統文化を大切にする国民は声を上げるべきだと思います。

現在も契約書(発注書など)に尺貫法を使用することは違法なのです。

法律は国の理念を表すものであるべきです。

今は亡き永六輔さんに感謝です。


和文化デザイン思考 講師

成願 義夫


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