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FCバルセロナ:リキ・プッチ個人分析〜攻撃編〜

これから何回かに分けて、バルサの新星リキ・プッチの個人分析記事を書きます。今回は、リキプッチの組織的攻撃の「ボール出し」と「前進」の役割についての分析です。

リカルド・"リキ"・プーチ・マルティ(Ricard "Riqui" Puig Martí, 1999年8月13日 - )は、スペイン・カタルーニャ州バルセロナ県マタダペーラ(英語版)出身のサッカー選手。FCバルセロナB所属。ポジションはミッドフィールダー。



リキ・プッチの回想

実は、リキ・プッチはカンテラの頃から、常に注目していました。

私はバルセロナに6年間住んでいたのですが、バルサのJuvenil(ユース)でプレーをしていたリキ・プッチの試合をできる限り観戦に行きました。

試合で彼を見つけるのは簡単です。バルサのチーム、対戦相手も含め最も小さく、高い声で大きな選手に指示を出し、グランドを所狭しと動き、スペイン人らしく感情を表出させた情熱的なプレースタイルでゲームを支配するのがリキ・プッチです。彼がチームにポジティブなエネルギーを与えています。

そんな彼のプレーに私は魅了されました。この選手はトップチームに上がることができるのではないか、いや、必ず上がって欲しいと思える選手でした。

最初に彼を見たときは、バルサのJuvenil B(ユース)でプレーをしており、バルサがCadete(ジュニアユース)の選手をJuvenil B(ユース)に上げてプレーをさせているのだと思いました。あまりにもリキ・プッチは小さく、貧弱に見えたからです。相手選手に吹き飛ばされて怪我をするのではないかと思いました。ところが彼は相手選手に当たられることがありません。プレーが速いので、相手はリキプッチを捕まえることができないのです。

スペインのJuvenilともなると、みんな体が大きくて筋肉質です。その中で体の小さなリキ・プッチは常にボールと共にプレーし、チームのゲームメイカーとして、試合を支配します。彼のパスセンスとプレースピード(メッシのような速さ)は驚嘆すべきものでした。

ヨハン・クライフは、「小柄なことはマイナスではない。(ユース年代で)小さくて目立つ選手は、大きな選手を相手にボールテクニックで打ち負かす術を、時間をかけて身につけている。だから大人になって、大柄な相手にも自然と優位を得られる。むしろ、小さな選手に目を掛けるべきだ」

私はこのヨハン・クライフの言葉がリキ・プッチやメッシ、シャビやイニエスタなどに当てはまると考えます。

リキ・プッチはカンテラ時代、自分よりも大きな選手と日々戦いながら、相手にボールを取られないテクニックやバルサのゲームモデルに基づく戦術的洞察力、プレースピードを身につけたのだと思います。

リキ・プッチは、その頃まだ筋肉が付いてないので、ロングボールやミドルシュートを打つことがあまりできなかったように感じます(現在はロングパスは正確で、ミドルシュートは強烈です)。それでも、彼が繰り出すショートパスは正確で、素晴らしいパスを配給していました。



攻撃:リキプッチの役割

ここからゲームモデル:13の行動に基づいてリキ・プッチを分析します。

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