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秋田はきっといい日になる(9/21)


男鹿のなまはげ館あれこれ編(9月21日)

鷹ノ巣での2泊と秋田市での2泊、旅も3分の2を終えて終盤に入る。ホテルの毎日は6時台に起き7時台に朝食、8時台にテレビを見ながら準備、外へという時間割ができつつある。が、今日は朝イチで電話をかけないといけない所があった。それはなまはげシャトルというJR男鹿駅となまはげ館を行き来してくれるタクシー会社、浮田産交タクシーさんだ。
前夜お夜食を食べながら次の日の予定を確認し恐ろしい間違いに気づいた。なまはげシャトルを私は22日で申し込んである💦 22日は飛行機に乗って東京に戻る日だからなまはげ館に行っている場合ではない💦 でも気づいたのが20日の深夜でネットで確認したら前日までの予約が必要と書かれていた。にこりさんにも明日のなまはげ館楽しみにーって言ってもらってたのにいけないんじゃないかとガッカリしたんだけど、とりあえず寝よう! 明日8時になったら電話してみようと思って😞その場は寝ることにした。

21日、私は今日なまはげ館に行けるのだろうか。心配半分で朝食をいただく。バイキングだけど毎日似たようなメニューなのであまり食欲がわかない。コーヒーを部屋に持ち帰り8時になるのを待ちながらいつものテレビを視ていた。やっと8時になったので電話を掛けると話し中が続いている。3度めくらいでやっとお姉さん(22人目)が電話を取ってくれた。
私はなまはげ館行きのシャトルの予約の日付を間違えていたと重い声で話した。すると対照的な明るい声で紙とペンはありますか? と聞かれ、テーブルに用意する。お姉さんは「今日の予約はもうできないのでバスの乗り方を教えます。」と前置きして話し始めた。

なまはげシャトルとは、乗る時には前日までにネットで予約し当日JR男鹿駅で待ってくれているシャトルに乗るとなまはげ館前まで自動的に連れて行ってくれる交通機関である。ただし、予約が重なると相乗りになる、代金は当日現金払い、というシステムでまだ直接見たことが無いのでいまのところどんなものなのか、不明。
路線バスだと直行にはならないので途中で乗り換えが必要になる。お姉さんはその乗換え方法(ちょっとややこしい)を丁寧に電話で教えてくれた。

なまはげシャトル = 秋田駅→(JR)男鹿駅→(なまはげシャトル)なまはげ館に着
路線バス利用 = 秋田駅→(JR)羽立駅→(路線バス)北浦バス停→(安全寺線)なまはげ館に着

降りる駅から大幅に変更になる。秋田の旅は地名、駅名、交通機関、すべて馴染みが無いのでACMFの度に一から調べないといけない。キャラバンだから仕方が無いけど同じ地が無いのだから毎年或る意味冒険なのだ。
お姉さんはそれぞれの停留所名と場所、発車時間、交通機関の社名をメモを取る私にゆっくり丁寧に教えてくれた。帰りのシャトルも1件予約が入っているので相乗りでよければ追加しておきます。明日の予約はキャンセルしておきます、と明るく応対してくれた。ぎりぎり間に合ったようだ。これで予定通りなまはげ館に行ける!

先ずJRの降りる駅が男鹿駅ではなく1つ手前の羽立駅。この駅は無人駅で降りたところに切符を入れる箱があり、そこを出てまっすぐ歩くと路線バスの停留所があり11:30発の男鹿水族館行きのバスに乗れば良いそうだ。全部メモった。秋田の交通機関は東京のように頻繁に行き来していないので1本乗り損ねると次が60分後、90分後というのがざらだ。このバスに合わせてJR男鹿線の時間を考えると秋田駅発が10:38 になることが判った。乗り遅れないよう早めに駅に向かおう。

トピコには毎日行っているけど駅から電車に乗るのは今日が初めて。私が愛用しているパスモも使えるらしいから心配は無い。男鹿線の発車は10時38分で10時過ぎには改札の前に着いた。いつものように改札を通ろうとしてパスモをタッチする場所を探す。パスモを持ったまま機械をきょろきょろ見ていたら駅員さんが左の券売機で切符を買ってくださいと声をかけてくれた。秋田駅はまだパスモに対応してないけどそのうちタッチできる改札に変わるらしい。券売機ではパスモが使えるのでそちらで購入してきてとのこと。
券売機に行ってパスモで切符を購入。久しぶりの切符の手触りだ。パスモだと行先決まらずとりあえず改札入って電車に乗ってそれからどこに降りようかと決める時もある。ぶらっと買い物だったり映画だったりができる。
今日は目的地(羽立)を上の料金表で探して金額を確認し券売機で購入、久々の手順で出てきた切符は持ち慣れてないので無くさないよう握りしめる。改札に切符を入れ数歩進み出てくるのを待つ。これも懐かしい。

久しぶりの切符の手触り 失くさないよう握りしめる

改札を通ってホーム目指して歩く。JR男鹿線は一番遠い奥のホームだった。しかも右手に降りると男鹿線で左手に降りると別の路線の電車が来るみたい。私のようなうっかり者は要注意である。ホームに降りると駅員さんが居たので間違ってないか確認させてもらった。男鹿線とは反対側のいちばん向こうっ側にあるのはもしかしたら新幹線?って思って聞いてみた。山形に行った時もそうだったけど東北は新幹線が在来線と同等に奥ゆかしくホームに並んで待機している。
ベンチに座って男鹿線を待っているとそこに高齢の婦人(23人目)が歩いてきて私の近くで立ち止まった。どちらからともなく話し始める。この婦人はかつての職業婦人で仕事の為に大型免許をとりトラックの運転をしていたそうだ。東京にもよく行ったよと話してくれた。今は高齢で危険だから免許証を返納して電車やバスを使っているのだという。今日は男鹿まで行くらしい。この年齢の方と話すと戦後の話まで話題は遡る。なぜかなー、私もそういう話が通じる年代なんだろうか。

来ました! 男鹿線
赤と青の車両
ドアの右手のボタンを押すと開く
OGA NAMAHAGE LINE

昔話をしている内にJR男鹿線がホームに入ってきた。一瞬ドキッとした。普通の電車かと思っていたら半分の車両が赤、半分が青という超インパクト大の電車。新しくてきれいな色の電車に心の中では思わずおぉーーーって叫んでしまった。
男鹿線は色だけではなく他にもいくつも普段乗っている電車と違うところがあった。先ず電車のドアの近くにボタンが有ってそれを推すとドアが開いて中に入れる。これは福島の磐越西線で初めて経験したんだけど最初は知らなくて他の人が開けてくれるまで立っていたなぁ。内側には開けると閉めるのボタンが有って自分たちで開閉ができるようになっている。きっと寒風を避ける為なんだろう。発車時間に近づくと会社帰りの人や学生さんたちがたくさん乗り込んできた。ここにも日常の風景がある。

男鹿は海沿いの町だと思っていたけど海は見えてこなくてずっと山の中を電車は走っていた。各駅は無人らしく改札の手前に箱が置いてあり降りる人は当たり前のように切符を入れている。定期券の人はどうするんだろう、切符の金額ってどうやって確認しているんだろう、いろんな疑問が頭に浮かんだけど秋田の人はそんな人を疑うようなことはしないのか、私の知らない画期的な方法があるのか、どちらかなんだろうと考えた。
私は男鹿駅ではなく1つ手前の羽立駅で降りないといけない。切符を失くしてはいけない。頭の中はその2点に集中しながら走る電車の窓の景色を眺めていた。

羽立駅に着いて他の人と同じように箱に切符を入れて改札の外に出た。数十メートル前に進むと停留所がありそこで路線バスを待つ。羽立駅着が11:27でバスが来るのが11:30とシャトルのお姉さんに聞いていたので3分しかない。間違わないかめちゃくちゃ緊張した。バスは少し遅れてやってきた。このバスは終点まで乗ると男鹿水族館に着く。水族館もいいなぁ、でも8月に鳥羽の水族館に行ったから今日はやっぱりなまはげ館だ。11:56に北浦バス停に着くのでそこで降りて乗り換えないといけない。初めての地で景色で判断できないから時計だけが頼りだ。
田舎の細い道を曲がりながらバスは集落を進んでいく。降りると北浦バス停は田舎町の民家の中の商店の前にあった。駐車場が広いので此処が乗換え場所になっているのだろう。

シャトルのお姉さんが着発の時刻まできちんと教えてくれたおかげで時計を見ながら安心して次を待つことができる。突然朝に予約日を間違えたと電話してきた慌て者に対しての浮田産交さんのお見事な電話対応力に感謝しないといけない。このバス停には7分後、12:03に安全寺線がやってくるはずなんだけど、安全寺線ってどんなバス? 待っていたら時刻ちょうどに9人乗りの小型バスのようなワゴン車がやってきた。この車に乗ったのは私だけで運転手さんに話しかけた方が良いのかどうか、ちょっと気まずい。私は「なまはげ館前にお願いします」とだけ言って乗り込んで、ずっと車窓の景色を見ていた。この車は路線バスとも違うし通常のタクシーとも違う。運転手さんに気軽に話しかけてはいけないのかなという遠慮もあった。
安全寺線は定刻に決まったコースを走っているようで、途中ゴルフコースに入ったり、ファミリー向けの温泉施設に寄ったりと自分では絶対行かないようなコースを通るから今回のようなのんびり観光にはちょうど良かった。

ここでお役立ちメモというか、シャトルのお姉さんが電話で教えてくれたことがある。路線バスの乗車券は200円で、バスの料金箱に入れる時に運転手さんに乗換えを告げると次のバスが無料で乗れるということ。そのシステムは遠い昔サンフランシスコの町を南北、東西走るバスの乗換えで添乗員さんに教わったのと同じだ。「トランスファー、プリーズ、と言ってください、 乗換券を貰えます」30年以上前だから今はどうなのか判らないけどあの時のことが瞬間蘇った。秋田のバスの運転手さんにトランスファープリーズとは言えないので安全寺線に乗り継ぎたいのですが、と言うと小さな紙を出してくれた。
安全寺線の立派な小型バスに自分しか乗らないのにこの小さな紙を渡して無料で乗せてもらってちょっと恐縮していた。だから黙って窓の外を眺めていたというのもある。

当日限りなのに日付が入ってないのが性善説の秋田っぽい

なまはげ館の駐車場に入った時に運転手さんがやっと口を開いた。「本来はここで降ろすんですけどいちばん向こうのなまはげ館に近い所で降りてもらいますね。そこから先は自分たちは入れないので。」と言ってぎりぎり先まで車を動かしてくれた。あー、この人も善い人そう。もう少しお話ができたかもしれない。私はお礼を言って車を降りた。
大きな真っ直ぐの木々が迎えてくれる。降りて左側に建物が並びその一つがなまはげ館だった。おとなりの男鹿真山伝承館との共通入場券880円を購入しいよいよなまはげが待つ館内に入る。

男鹿石が積まれたゲート
この顔があのお菓子のモデルなんだろうかと思いパシャリ

伝承館の中では数えきれないくらいのなまはげが私を待って出迎えてくれた。なまはげは赤と青だけだと思っていたけどそうでもないようで緑やだいだい色、水色、その中間色まで多色多様だ。
なまはげを鬼と思っている人も居るがその名の由来は「ナモミ剥ぐ」から来ている。だから悪いことはしない。悪い子や悪い人間を正す為に現れる神々の使者だと言い伝えられている。

ナマハゲの語源は「火斑(ナモミ)を剥ぐ」という言葉が訛ったものと云われています。ナモミとは炉端にかじりついていると手足にできる火型のこと。それを剥ぎ取って怠け者を戒めるのがナマハゲなのです。

男鹿のナマハゲ|なまはげ館 (namahage.co.jp)
なまはげ館のサイトより引用
〒010-0685 男鹿市北浦真山字水喰沢 ☎0185-22-5050
運営/(株)おが地域振興公社

なまはげ館に入ると「神秘のホール」「伝承ホール」「なまはげ勢ぞろい」という3つの大きなスペースがあり、その間に実演箇所、返信コーナー、展示コーナーがある。奥まで進むと売店があり出口に繋がっている。ここでもなまはげのおくりものが置かれていた。やっぱりなまはげだもの! 他にもなまはげと名の付くお菓子がたくさんあり、食品以外のなまはげグッズも並んでいた。まさになまはげだらけ。伝承館用のチケットを持っていたらなまはげ館も再入場可能らしいのでお土産を買う前に伝承館へ。

お隣にある「男鹿真山伝承館」は遠い昔に見たことがある私の祖母の家に似ていた。山の上に立つ集落の中の一軒。今もまだ残っていたらこれくらい古い建物になるんだろう。ここでは30分ごとに家人となまはげのやりとりの実演をしてくれる。私は午後の最初の回に並んで入れてもらった。見学者は40~50名だった。
実演で私たちの前に現れたなまはげは思う以上に大きな声、戸を叩く音も大きいというかとてもやかましい。まずその入ってくる音にびっくり、その勢いにびっくり、物静かな家人と対照的ななまはげだが見ていると案外お行儀は良かった。話もちゃんとつじつまが合っている。悪い奴ではなさそうだ。
悪い子、嫁っこを正す為年に一度山から下りてくる神々の使いという印象が残った。30分弱の実演だったが気づいたら私はずっと口をぽかーんと開いていてマスクだから周りには気づかれてなかったけど後で考えるとなまはげの威力にずっと呆気にとられていたようだ。いやいや飽きれるのではない、初めて見た強力な魔物の威力だった。
なまはげが着ている籾を引っ張ってはいけない。でも落ちている籾を拾うとお守りになると家人が言っていて、子供たちはたくさん集めていたけど私は小さいのを1本だけ戴いて帰ることにした。

男鹿真山伝承館|なまはげ館 (namahage.co.jp)
なまはげ館のサイトより引用

なまはげ館はコロナの為食事を摂る場所が無いと聞いていたので秋田駅のnewdaysでおにぎりと飲み物を買ってきた。伝承館の前にある低くて古いベンチに座りのどかな景色を見ながらおにぎりを食べた。美味しい空気がおかずになり格別の味がした。おにぎりを買う時「ぼだっこ」というシールが貼ってあって意味が判らず店員さんに聞くと辛い鮭だと教えてくれた。私は辛いのが苦手なので普通の鮭を買ったけど秋田県民はぼだっこが好きらしい。なのでわざわざぼだっこシールが貼られていたんだ。

硬貨を入れて腹の位置にある籾をいただく

なまはげ館に再入場。なまはげ館では硬貨を入れる場所が在り、そこで代わりになまはげが着ているのと同じ籾を戴くことができる。私も籾を戴き家に飾っている。なまはげに守ってもらえるようお正月まで飾っておきたいと思う。なまはげのおくりものは明日買えるので今日はその他の物を購入した。どこかに行くと少しずつ荷物が増えていく。ホテルから自宅へ宅配するから良いんだけど狭い我が家ではまた精査しないといけない。あまり買いすぎないようにしないと。秋田市に行ってからはお財布などを入れたポーチとフェスで戴いたJR東北の薄くて丈夫なトートが役に立っている。軽いし折り畳み自由で、結構たくさん荷物が入って薄いのに破れない。東京に戻っても洗濯しながら使い続けるつもり。観る度に秋田を思い出せるトート、JR東北さんありがとう!

なまはげの玉 作者 上哲夫
なまはげの玉に後光が差している

ポーチとトートを持って次はなまはげ館右手の「里暮らし体験塾」に向かった。入り口はどこだろうと探していたらその先に草むしりをしている女性(23人目)を発見。声をかけてから塾の中に入った。

体験塾では、地元に暮らす人々と語らいながら、農作業・山仕事・炭焼き・伝統食作り・味噌づくり・油搾り・ワラ細工・蔓細工など数々の実習をおこなうことができます。体験内容は、里の人々の暮らしや四季折々の自然に合わせて変化し、決まった日程で行うものではございません。里の日々の暮らしに溶けこむように、その日その日の暮らし・生活を体感してみてください。

里暮らし体験塾|なまはげの里 秋田県男鹿半島 (namahage.co.jp)
なまはげ館のサイトより引用

塾内には手作り品の材料が並んでいた。別の台にはお野菜が並んでいた。この中は自給自足の世界なのかな、ふとそんな気がした。奥に進むと藁や籾を使った作品が置かれていた。もっと奥には子供が遊ぶ輪投げのセットもあった。私は久々に輪投げをひとり楽しんでいた。輪投げは私が以前担当していたラジオの「渋谷の大先輩」という番組で何度も話題に出るシニアのスポーツになっている。投げた先のポールの数字がそのまま得点になるシニアにとっては結構シビアで激しい競技なのだ。東京都ではこの大会も行われ順位もついているという。私は聞いてはいたけど実際輪投げをしたのは数十年ぶりで投げては拾いを何度も繰り返し楽しんでいた。
草むしりをしていた女性は後から塾に入ってきた。話しかけるとこの塾の主さんだった。飾ってある作品もこの人の手作りだという。2つ500円という破格の作品を4つ買わせていただいた。丁寧に作られた作品と価格を見たら買ってあげるなんてとても言えず買わせていただくという代物である。
東京での生活、此処での生活、対照的な生活だけど傍目から見るときっと逆に見えるほど女性の方が若く生き生きとしていて私は草臥れている。女性の生活が私の人生でまるっきり触れることが無かった「自然を生活の一部に変えていく生産性のある生活」だと知り羨ましく思った。私はずっと消費続き、物を失くしていく生活しかしていないなー、代わってみたいなーとその時は感じた。といってもこの年になって今更ではあるけど。

紫陽花のドライフラワー
お正月まで 我が家の魔除けに

この付近を散策したいというと真山神社の方向を教えてくれた。荷物も置いて行っていいと言ってくれたのでお言葉に甘えてポーチだけ持って身軽に真山神社に向かう。この塾から伝承館方向にずっと向こうまで緩い坂を上っていくと右に真山神社の入り口が見えその石段を上っていくと神社の境内が広がった。ここでも巫女さん(24人目)が草むしりをしていた。夏は草が生えるのが早い。三重で暮らしていた時は私も草むしりの毎日だった。この広い境内だと手入れは大変だろう。巫女さんに挨拶をして境内をお散歩させてもらった。
お賽銭を入れ二礼二拍一礼。奥に神輿が2台飾られ、左手は新しい台、右は古い台だという。神輿も令和になって世代交代の時期を迎えたのかな。巫女さんに「御朱印を戴いて帰ります」と声を掛けたら巫女さんが慌てて走って行って御朱印の用意をしてくれた。どうやら一人で日中切り盛りしているらしい。御朱印を戴き石段を下り、鳥居をくぐって道路に出た。

道向かいにお土産物屋さんがあるのだけど誰も人が居ない。秋田は本当にのんびりだ。誰かが商品を持って帰るようなことは無いのだろうか。監視カメラがあるのかな。いつも油断大敵と思って暮らしている私の方が非人間的なんだろうか、ちょっと悩んでしまった。
裏に回るとそこはカフェになっていて大きなテーブルと椅子がある。その向こうは畑と木々。だがここにも誰も居ない。座って良いのか悩みながらゆっくり座り、しばらく田舎の景色を眺めていた。
暫くして出てきた女性(25人目)はこのお店の人。テーブルの上にはメニュー表が置かれていたのでそれを見て選ぶ。書かれているのが植物の名前のようでヤマボウシ、ナツハゼ、クロモジ、サルナシなどあまり耳慣れない言葉が書かれている。どうやら庭に植えられた木の実で作られるジュースのようだ。話をしているとミツバチも飼っているとのこと。渋ラジでもカツさんがミツバチを飼って蜂蜜を作っている。職場では江東区の養蜂場に子供たちと見学に行ったこともある。上野の精養軒でもミツバチが飼われていてその蜂蜜をお料理で頂くことができる。そんなミツバチの話をするうちにレモネードを勧められそれを注文した。

庭で採れた木の実とそのジュース
木の実の写真も

秋田でも周りの農家が使う農薬の影響で蜂が弱っている。帰省本能が鈍り戻ってこられない蜂が増え養蜂場の蜂が減ってしまったという現実を知った。育てている人がいうのなら間違いは無いのだろう。苺などの果実も蜂が花粉を運んで受粉し実がつく。生態系が少しずつ崩れ始めているんだろうか。農家さんの話は直接聞く機会がほとんど無いので今日は良い機会だった。
蜂が減りレモネードが飲めなくなるとつらいなぁ。今日のレモネードは濃いめになったと女性が笑ってた。他のドリンクまで少し持って来てくれた。お店なんだけどご近所さんでいただいている気分。景色は上々、空が青い。空気も美味しく幸せ満タンにしてシャトルの時間に合わせ坂道を下った。

里くらし体験塾に戻りお礼を言って荷物を受け取りシャトルが出る伝承館前に行く。帰りは16:05 発のなまはげシャトル10便で今度は男鹿駅に向かい男鹿線に乗って秋田駅へ。
シャトルの前で待っていたらごく普通の乗用車が来た。これがなまはげシャトルらしい。社内には若いお兄さんが座っていてそこに私は相乗りさせてもらった。私が居なかったらこのお兄さんはひとりでゆったりと座れたのに申し訳ない。でもあのバスの乗り換えだと間違って帰れなかったら困るので男鹿駅直行のシャトルはありがたい。男鹿駅に着いて料金1100円を支払った。お兄さんは1600円支払っていた。どこから乗ってきたんだろう。水族館なのかな。

男鹿駅も男鹿石でできていた
男鹿で買った切符に駅員さんがスタンプ

男鹿駅に着いて電車の時刻表を見たら17:03発。前発15:38から約90分、この間隔が普段と違う。発車まで時間があったので切符を買って男鹿駅の周りを探索。上に上がると駅の屋上は芝生が敷かれた休憩エリアになっていた。向こうには親子が遊ぶ遊具が置かれた広場も見える。なんといっても駐車場がやたら広い。男鹿のACMFはこの駐車場が会場だと交通の便がいいなぁ。街中だし宿泊も便利そう。
駐車場の向こうにOGAREが見えた。時間が有るからそこに行ってみよう。階段を降りて駅の外に出て駐車場を超えてOGAREへ。OGAREは道の駅をうーんと大きくしたエリアのようだった。カフェがありそうなお洒落な入り口を入っていくと広い店内に地場物やお土産がたくさん並んでいた。なまはげ食品も多かったけどなまはげのおくりものは無く代わりに醤油マドレーヌが並んでいた。
醤油マドレーヌはACMFのパッケージに入っていた塗り絵の小さいものがシールになって表に貼られている。秋田のなまはげ醬油を使っていてコクがあって美味しい。お醤油のコクが食べた後にも口の中に残る面白いマドレーヌなので食べたことのない人にはお勧めする。お店で買うか、ネットでは「泣ぐ子はいねが」のアソートの箱の中に1個入っている。

電車の時間が近づいてきたので駅に戻ると改札は発車10分前に開放、駅員さんが改札バサミのような物でスタンプを押してくれた。なまはげ色の電車に乗って秋田市に戻り、トピコで駅弁を買いホテルへ。

秋田駅に戻ると男鹿線の階段はこんな風になっていた

今日もまだ比内地鶏親子丼は食べていないまま。明日こそ食べよう。それと、最終日はいよいよにこりさんの店舗初訪問の日。太田さんに制作を頼んだ書作品が飾られているのを生で観る日、ACMFと並ぶこの旅のメインでもある。

秋田の旅は2日間ずつの3頁のつもりがなまはげ館で1頁終わってしまった。最終日のことを明日また書きたいのだけど。
大切な旅だから忘れてしまわないうちに書き残しておきたい。

秋田はきっといい日になる。
明日はきっといい日になる ♪  明日また続きを書こう。


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