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個人事業主(副業、フリーランス)の相場感と単価を上げていく方法

こんにちは、サカモトです。個人事業主(エンジニア)の単価の交渉は難しいですよね。高すぎたら契約取れないのでないかと思い遠慮がちになりますし、逆に低すぎると損した気分になりますよね。このnoteでは個人事業主(副業、フリーランス)がどのように単価を上げていくかについて書きます。

ちなみにここではフリーランスと個人事業主は使い分けています。フリーランスは会社に所属しない個人事業主という意味で使っています。また業務委託先として対象となるのはITベンチャー企業であって、伝統的な大手企業ではないという事はご理解ください(細かい定義はここでは述べません)。

なお肝心の副業獲得戦略はこちらのnoteになっています。こちらは現在有料(500円)となってますが、今後の執筆活動のモチベーションにはなりますのでよろしければご購入ください。

1. まずは単価の目安を確認する

単価の交渉を優位な立場で行うにはまず相場の目安を確認しなければなりません。今回はそれぞれ4つのレベルに分けて説明します。私は副業しかやった事がないので人から聞いた情報しかありませんが、週3以上で仕事を受けられる場合はもっと候補が広がるのでより高単価の案件に遭遇できる可能性があがります。

エンジニアの業務委託(準委任)の単価
1. ジュニアエンジニア ← そもそも業務委託を受けるな
2. 中堅エンジニア ← 時給5000円〜
3. シニアエンジニア ← 時給8000円〜
4. コンサル・技術顧問 ← 時給1万円(その人次第)〜

2. レベルごとの期待値と仕事内容

1. ジュニアエンジニア

レベル感: 
・製品の簡単な改修ができる
・メンタリングがあれば実装できる
・コードレビューでは基本的な所で何度も直される

お守りされながらでなんとか戦力になるレベルです。このレベルではまず個人事業主やらない方が良いです。世の中が謳う未経験からいきなりフリーランスは無謀なのでやめましょう。副業もやめて本業に集中しましょう。運良く生き残っている人もいると思いますが、未経験でもフリーランスとして入れるようなレベルの低い開発現場に入ると変な癖がついて今後のキャリアップに支障をきたします。仮に私がこのレベルにいるならば、教育環境が整った企業で数年修行する事になるでしょう。

2. 中堅エンジニア 時給5000円〜

レベル感: 
・自走できる(調べながら実装or要点を絞って質問できる)
・製品の一つ以上機能を自分で完成させてリリースした経験がある
・アプリケーションの設計についてある程度議論に参加できる

私はこの辺りからまともなエンジニアだと認識してます。私が仮に業務委託を採用するならおそらくこの辺りのレベルからしか採りません。お守りをしなくても開発できるのは当然として、一つ以上何かをリリースした経験、アプリケーション設計についてエンジニア同士の議論にある程度参加できる事ができるのであれば、この単価以上を求めていきましょう。

月に換算してフルタイムで働くと80万円以上なのでフリーランスエンジニアとしてはスタートラインと呼んで良いのではないでしょうか。

3. シニアエンジニア 時給8000円〜

レベル感: 
・チームをテックリードとして率いた経験がある
・特定の分野に対して深い経験がある
・状況にあったアプリケーションの設計を提案できる

ここまで来ると競争力の高いエンジニアだと思います。おそらく有名企業に入れるレベルですので、(内資なら)本業で年収800-1000万円近く稼ぎながら、副業で300-500万円くらいは無理なく稼げるのではないでしょうか。このレベルの期待値としては作業員というより、業務委託先のチームメンバーの技術的レビューなどテックリードとしての役割を求められます。

私はここまで来れば人生イージーモードだと思ってます。独立してもよし、会社員として働きながら副業してもよし、しばらく自分探しの旅に出てもよし。いつでも社会人エンジニアとして復帰できるので人生の選択肢は広がっていることでしょう。

4. コンサル・技術顧問 時給1万円(その人次第)〜

レベル感: 
・中規模以上の企業で経営に近いポジションで働いた経験がある
・エンジニア界隈である程度知名度がある
・特定の需要がある分野(AI等)で確かな実績がある

ここで述べた条件は全て真でなくてよいと思います。単に開発業務を売るというフェーズではこれ以上の単価は厳しくなってきます。ここから先はエンジニアとしてではなく、エンジニア組織やシステムアーキテクトのコンサル(CTOに近い業務)など会社の経営に関わってくる仕事になります。またはAI等の需要が高い分野でのコンサルなどでもこれ以上の単価を狙っていけると思います。

私は時給1万円しか受けた事ないのでこれ以上を体験した事はありませんが、人によっては顧問料として月額数十万円で契約して週に一回打ち合わせに参加するという働き方をしてる方もいます。

3. 徐々に単価を上げていくには

ここからがようやく本題です。戦略としては以下のように「フルタイムで入らないように常に複数同時に業務委託先と付き合い、常に新しい機会を探しながら現状以上の単価を要求する」というシンプルなものです。

1. 業務委託先を一社に絞らない(複数同時に)
2. 常に新しい機会を探しながら、現状以上の単価を要求する

例えばフリーランスとして週5日で入るのではなく週1-3日を複数個同時にこなしながら、新しい案件が来た場合は常に上の値段で交渉し、交渉に成功した場合は単価の低いものから切っていきましょう。複数個業務委託先を持っておくと良いこととしては、業務委託先の事情で切られる事のリスクを軽減できる点にあります。株式投資と同じでリスクを分散させるために複数個業務委託先を確保しておきましょう。

単価が上がっていくと実はフルタイムで入る事は相手側も求めていません(当然ですが支払い額が大きくなるので)。また個人のパフォーマンスより、業務委託先に在籍するエンジニアに良い影響を与えたり、より上位のレイヤーでの貢献が重視されて評価される事になります。これは会社員でもそうですが、外資ITのSWEも職位レベルが上がるとより大きい影響範囲を持つことも求められます。

また契約終了時のタイミングですが、私の所感だと大体は一ヶ月前にこちらから通知すれば現場から抜けられます。念の為、契約時には何ヶ月前に通知すれば良いかという項目を確認してください。呪いの鎖で縛られている可能性もありますので。

4. 最後に

ここまでレベル別の相場感や単価の交渉などについて書いてきましたが、正直に言って相場感より相手がいくら持ってるかの方が遥かに報酬と相関関係があります。お金のないスタートアップに時給1万円とか要求しても断られるのが関の山ですし、万が一入れたとしてもスポット業務だけです。逆にお金持ってる企業だと開発業務売ってるだけで時給1万円以上を出すケースもあります。あなたの単価は相手の事情によって決められているので、常に新しい機会を外で探した方が賢い戦略なわけです。皆様はぜひお金を持ってる企業と良いお付き合いをしてください。

参考記事


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