見出し画像

当たり前を当たり前に【LGBT】

僕はカレーライスが大好きです。わざわざこれをカミングアウトしたことは無いし、カレーライス好きを恥ずかしいと思ったこともありません。
カレーライス好きがバレたところで「変態」と罵られることも無いし、「焼肉を食べたことが無いからそんなもん好きになるんだ。焼肉を食え」と意味不明なことを言われたこともありません。
でもこれがあることになるとみんな反応がおかしくなります。そのあることとは「性」についてです。
本記事は「もういい加減そういう段階から先に進みませんか?」という提言です。というかイラ立ちです。もうみんな「当たり前を当たり前に」しましょうよ。

■ カレーライス好きをカミングアウトする奴はいない

冒頭の例えで用いましたけど、性自認や性的嗜好などはもうカレーライスと同じレベルで考えて良いと思います。
自分がカレーライス好きだとカミングアウトすることにとてつも無い勇気が必要だったり、社会的地位が揺さぶられるほどのインパクトが生じたりすることなんかあり得ないじゃないですか。
カレーライス好きだって誰かに言いたい人は言えば良いし、いちいち言わなくたって良いんだし、相手がカレーライス好きかどうかをわざわざ確認しなくても良い。
「カレーライス好きかも知れないしそうじゃないかも知れない。どっちでも良い。いちいちそんなこと気にしてない」というのが当たり前の態度ですよね。
性自認や性的嗜好も同じです。
過剰な反応や忌避はもちろんダメですし、「マイノリティなあなたの事を理解してますよ。心配しないで」という態度ももう古くないですか?
あなたの近くにいる人がカレーライス好きかも知れないし、そうじゃないかも知れないですが、別にどちらでも態度変えないでしょ?

■ 「性」についての話になるとおかしくなる人たち

「性」と「政」と「生」についての話はその人の本質が表れます。
底の浅さが露呈するのがこれらの話題です。知識量の問題ではなく、その人の社会観や人としての強度が露骨に反映されるからだと思います。
「性」についての自分自身の核が揺さぶられることで、今まで地面だと思っていた「一般常識・社会通念」が崩れ立っていられなくなるのでしょう。だから必死に抵抗します。
令和の時代に「同性愛者が増えると区が滅ぶ」なんて言う奴がいるとは思いもしませんでしたが、こういう考えの人を当選させるような区民も考えと行動を改めた方が良いです。そしてこの出来事を笑って見ている人たちも、「自分が住んでる自治体にこんなヤバい考えの人がいるんじゃないか」と疑って監視することが大事です。
同性愛者なんてはるか昔からいるんだから、人口が増えないのはそれ以外の理由に決まってるじゃないですか。「性」についての話題になると馬鹿を露呈させる人がいますが、典型的な例でしたね。

■ ほんのちょっとの時間と思いやりだけで十分間に合う

以上を踏まえて、もっとみんなが先に進むために何が必要か。
それは「ほんのちょっとの時間をLGBTについての知識吸収に使うこと」と「思いやり」だと思います。
カレーライスについて知りたい時はネットで調べますよね、今の時代なら。種類とか成分とかおいしいお店とかなんでも調べられます。
それをLGBTに使いましょう。調べようと思えばどこまでも調べられる深いテーマです。
(というかこの世に浅いテーマのものなんか無い)
だから必要最低限の事だけで良いので勉強しましょう。「生まれた時の性別」「心の性別」「性愛対象の性別」の組み合わせが最低限の知識だと思います。「こういうことがあるんだ」という心構えだけでも良いので知識として吸収しましょう。
そしてもっとも大事なのは「思いやり」です。これは誰かに向かって表現するものではなくて、「隣の人がそうかも知れない」という程度のものです。
「LGBTの人と真摯に向き合う」という以前の話です。カミングアウトしてるかも知れないし、してないかも知れない。隠しているかも知れないけど、性的マイノリティかどうかに関係無く「当たり前に」接する。
カレーライスの例えを思い出してください。
隣の誰かが「カレーライス好き」だったとしても、あなたの人生で困ることは何一つありません。過剰に身構える必要は無いし、嫌悪感を露わにする必要もありません。あなたがカレーライス好きになる必要もありません。
ただ「そういう人もいる」という「思いやり」が大事なのです。

■ 最後に

本記事を書こうと思ったきっかけは『ミッドナイトスワン』を鑑賞したからです。
いまだに古い価値観を大事にして、マイノリティを叩くことで自分の存在を確認しているような、そんな人たちが登場しました。
「当たり前を当たり前に」できるようなそんな社会になることを願っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?