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性愛の減衰 読書会に参加してきました

 社会から性愛が減衰していると感じます。
 コロナ騒動以降、特にそう感じます。

 それとは逆にハラスメントが増加。相手を傷付けることに無頓着だったり、過剰に傷付きやすい人が増えた気がします。

 距離感が掴めないという感じです。
 相手の気持ちに踏み込めない人や、踏み込み過ぎて関係性が壊れてしまう人など、ちょうど良いバランスになれないのでしょう。
 結果いつまでも試行錯誤出来ないため、自身の成長が出来ず、幸せな人生を歩むことも出来ないのでしょう。

 「著者とともに語り合う読書会 〜本を通して「わたしの性愛」を語る〜」に参加しました。
 読書会自体初めてです。
 課題図書が『どうすれば愛しあえるの~幸せな性愛のヒント~』(宮台真司、二村ヒトシ共著)で、ゲストが著者の二村さんということで参加を決めました。
 この本はとても素晴らしい本で、読了後僕はとても生きやすくなりました。
 宮台真司ファンであり、性愛に関するトークイベント(特に松沢呉一さんご登壇のもの)も大好きな僕にとって、参加するしかないという感じです。

 この本は素晴らしい。
 なのにこの社会が一向に素晴らしくならない。それどころかむしろ社会はクズであふれていく一方です。
 それほどまでにこの社会はクズ化の進行が早いのです。

 クズ化の激流に飲み込まれないためにどのように生きるか。この本にはその「幸せに生きる知恵」が記されています。

◼️ 読書会の感想

 読書会の内容は口外禁止のため詳しく話せません。
 なので僕のことを書きます。

 僕は比較的生きるのが楽しい男です。
 それは社会に期待してないからだと思います。社会に過剰適応すると魂が壊れると思っています。
 本の中では「なりすまし」と表現されていますが、社会をさも普通の人であるかのようになりすまして生き、つらくなったら自分が心を開ける場所、深呼吸が出来る場所、心から裸になれる場所へ行く。
 そうすることでこの世界(社会の外にあるものすべて)を生きることができる。

 この「なりすまし」が重要なのは、「社会(なりすまし)」と「世界(真の居場所)」の対比になっている点です。
 「世界」の素晴らしさに気付けず(つまり自分という生命体の素晴らしさに気付けず)、ただ「社会」がつまらないからどこか「社会」ではない逃げ場所を探している、という心構えでは幸せになれない、というのがポイントです。
 「社会の外」を「宗教」や「エクストリームスポーツ」や「自傷行為」に求めても、それだけでは幸せになれません。真の居場所と気付き、体感できているのなら良いのですが、死を伴う可能性があるものは避けた方が良さそうです。死に慣れ生が薄まることで人生の素晴らしさすらかげってしまうと感じます。

 「どうすれば愛しあえるの」という問いへの答えを要約すると、「愛」が大事ということです。
 愛してもらうために何かをするのではなく。
 愛してあげたのだから愛し返せというのではなく。
 つまり、利己的な振る舞いではなく利他的な振る舞い。
 「交換」ではなく「贈与」です。

 読書会では「メサイヤコンプレックス」というキーワードが幾度も出ました。
 まさにこれは「救ってあげたことで自分が救われたい(交換)」という振る舞い。
 「救ってあげたいから救っただけで、見返りはいらない(贈与)」という振る舞いとは正反対な行いです。

 宮台さんは愛の無い者を「クズ」と斬り捨てます。
 「クズ」とは「言葉の内に囚われる者」「損得で判断する者」「ルールの奴隷」のことを指します。
 そして社会の内にとどまり続けるのではなく、社会の外(世界)に開かれろ、と説きます。
 クズのままでは社会につながれたままだということです。


 読書会は様々な人のお話が聞けて大変おもしろいです。
 また機会があれば参加したいと思います。

■ 二村さんの印象

 二村さんはトークイベントに登壇されているのは拝見したことがありますが、直接対話するのは初めてです。

 印象的なのは、人の本質を見抜く力とそれらを言語化する知性の高さです。
 物腰は柔和で偉ぶることは一切ありません。
 初対面でもすごく話しやすい方です。
 この人には警戒しなくて済む、という感じです。
 今回の読書会は「性愛」に関する悩みや相談のため、発言内容や単語が必然的に性的なものになります。
 二村さんと主催者の方のおかげで、真面目に性愛を語り合う場が出来上がっていました。
 とても素晴らしいことだと思います。

 二村さんは毎月数々のイベントにゲスト出演されてるそうなので、ぜひ著書をお読みいただき、参加したくなったら会いに行きましょう!
 必ず人生の楽しみ方が一段階上がります!
 もしお一人で不安という場合は僕を誘ってください!

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