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産み分けを信じるべきでない理由


産み分けは、赤ちゃんの性別を意図的に選択することを目的とした方法です。しかし、この方法の多くは科学的な裏付けが乏しく、その成功率も低いとされています。ここでは、産み分けを信じない方が良い理由を、研究論文のエビデンスを基に説明します。

## Shettles法の理論

Shettles法は、排卵日を基準に性交のタイミングを調整することで赤ちゃんの性別を選択できるとする方法です。この方法の基盤は、X精子(女児を決定する精子)は長寿命であり、Y精子(男児を決定する精子)は速く泳ぐが短命であるとする理論にあります。Shettles法では、女児を望む場合は排卵の2〜3日前に性交し、それ以降は禁欲することを推奨します。逆に男児を望む場合は、排卵日当日に性交することを推奨します。

## 支持するエビデンスとその限界

1979年に発表されたニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの研究は、性交のタイミングが性別に影響を与える可能性を示唆しています。この研究では、排卵日に近い性交が男児の誕生率を高めるという結果が得られました。しかし、この研究のサンプルサイズや方法論には限界があり、その結果は普遍的に適用できるものではありません。

## 反対するエビデンス

1991年にアメリカン・ジャーナル・オブ・オブステトリックス・アンド・ガイネコロジーで発表された研究は、排卵日の性交で男児の確率が減少するという結果を示しています。また、1995年に再びニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで発表された研究では、性交のタイミングと性別の関連性は全くないと結論づけられました。これらの研究は、Shettles法の有効性を強く否定するものです。

## 科学的な不確実性

上記の研究から明らかなように、Shettles法や他の自然な産み分け方法は科学的に確立されたものではありません。成功率が一貫していないこと、研究結果が相反することから、これらの方法に依存するのはリスクが伴います。さらに、精子の特性や膣内のpH変化などの生物学的要因は、個人差が大きいため、一般的な理論として適用するのは困難です。

## 倫理的・法的な問題

産み分けには倫理的・法的な問題も伴います。特に、医療技術を利用した性別選択(例えば、体外受精や前胚遺伝子診断)は、多くの国で規制されています。これらの方法は、医学的には確実であっても、性別選択のための使用は倫理的に問題視されています。

## 結論

産み分けを試みることは、科学的なエビデンスに乏しく、その成功率も低いため、信頼性に欠けます。特にShettles法に基づく方法は、研究結果が一貫しておらず、その効果を証明するには不十分です。また、倫理的・法的な問題も考慮する必要があります。従って、産み分けを信じるよりも、自然な形での妊娠・出産を目指すことが最も健全であると考えられます。

詳細は[こちら](https://embryo.asu.edu/pages/shettles-method-sex-selection)で確認できます。

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